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流通、店舗減に転じる、ネット台頭、変革迫る、小売り・外食大手。

[ 2019年6月12日 / 日本経済新聞 朝刊 ]

 日本国内で小売り・外食の店舗数が減少している。コンビニエンスストアやスーパーマーケットといった業界団体の集計などによると、直近の店舗数は11万8000弱と2018年末比で1%減少した。人口の減少と電子商取引(EC)の普及が重なり、不採算店の減損損失も多発している。店舗増が収益拡大に直結した20世紀型の事業モデルは抜本的な見直しを迫られている。

 外食と百貨店も含めた業界団体と、それらには属さないものの店舗数が多いユニクロ、ファッションセンターしまむら、ABCマート、ニトリも加え、18年末と最新値(4〜5月)を比較した。

 外食は2・4%減で3年ぶりの減少。百貨店は1・8%減。11年連続の落ち込みだ。スーパーも0・3%減った。コンビニは0・1%増、ニトリなど4社も0・6%増にとどまり、補えない。

 経済産業省の調べでは個人経営も含む小売業の総店舗数は14〜16年にかけて4%弱減少した。小規模な小売業から始まった店舗閉鎖が、業界団体に属する大手企業にも広がり始めた構図だ。

 人口減少に伴う需要減・働き手不足にECの急速な普及が重なったためだ。「小売業界全体がオーバーストア状態にある」とファミリーマートの沢田貴司社長は指摘。同社は19年2月期まで2期連続で不採算店を中心に店舗を減らした。セブン―イレブン・ジャパンは今期の店舗純増数を150店と、約40年ぶりの少なさにとどめる。外食ではモスフードサービスが今期、「モスバーガー」の国内店舗数を1307と1%減らす計画だ。

 実店舗の価値は低下し、「減損損失」が相次ぐ。イオンは総合スーパーなどが不振で、19年2月期に計上した減損損失が627億円と3割増えた。小売り・外食が多い2月期企業全体では前期に約2600億円の減損損失が生じた。

 米国での店舗閉鎖はより大規模で、調査会社コアサイト・リサーチによると19年は6月上旬までに7222と18年通年(5864)を上回った。小売りのEC比率が10%強と高いためだ。UBSは26年までに全体で7万5000店、打撃が大きい衣料品店は2万1000店と現在の17%が閉鎖に追い込まれると予想する。米国の小売店舗数は400万規模とされる。

 6%にとどまる日本のEC比率はさらに高まるとみられ、人口減の影響も加わって米国以上の大きな変化が生じる可能性がある。企業は店舗の数・役割をネット時代に合わせて変革するなど、事業モデルの再構築が急務だ。米国ではシアーズが破綻した一方、ウォルマートが店舗を配送拠点に改装してEC部門を急速に伸ばすなど、優勝劣敗が鮮明になっている。

 実店舗の減少が続けば、身近にスーパーなどが見当たらない「買い物難民」が増える恐れもある。都市部の利用度を高める「コンパクトシティ」の推進といった対応も必要になりそうだ。

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