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中古品店がやってくる、マンションの玄関、喫茶店でイベント、法改正、利便性高まる。

[ 2019年6月8日 / 日本経済新聞 夕刊 ]

 中古品を手軽に売れる場所が増えている。2018年10月に施行された買い取り場所の規制を緩和する改正古物営業法によって、車両型の移動式店舗や大規模マンションのエントランスといった場所での買い取りができるようになったのだ。不用品を手放したい消費者の利便性が一段と高まることから、自宅に眠る中古品の有効活用が進みそうだ。

 1949年にできた古物営業法は主に盗品の売買防止を目的としていた。中古市場の拡大に伴い、多様な買い取り形態を認めて買い手と売り手の利便性を高めるべきだという意見が増えてきたことを踏まえ、18年春に法改正が実現した。

 法改正後は事前に警察署に届け出れば、仮設店舗でどこでも出店できるようになった。法改正を議論した有識者会議の報告書によると、改正法がもたらす中古市場への経済効果は年間62億円程度あるという。

 「家まで来てくれるのがありがたい」。東京・有明の高層マンションに住む40代の男性はこう話す。建物のエントランスでは家具・家電に腕時計、衣料品などを買い取る「リユース・デー」が開かれていた。

 このイベントはトレジャー・ファクトリーの鑑定人が大規模マンションなどを訪問し、中古品を査定するもの。手軽に持ち込めることが受け、月10回程度のペースで開催している。

 臨海部の有明地区では「近くにリサイクルショップがほとんどない」。大型の家具や家電などを処分したいときには買い取り業者を呼ぶか、車を使って店舗まで運ぶ必要があった。

 地域住民になじみが深い場所で不用品を買い取る動きも進んでいる。

 ブランド品リユースのコメ兵は18年秋、コメダ珈琲店本店(名古屋市)で買い取りイベントを開いた。コメ兵のキャンピングカーがコメダの駐車場に出向き、車内で鑑定士が査定した。査定の依頼者にはコーヒーチケットも配った。

 「コメ兵は知っているけど行ったことはなかった」。コメダを訪れ、コメ兵のイベントで仏ブランド「シャネル」のかばんを査定してもらった50代の女性は話す。「コーヒーを飲みながら査定を待てるのはうれしい」。約2週間のイベント期間で500人を集め、5月には横浜市でも同様のイベントを開催した。

 自宅への出張買い取りを手掛けるバイセルテクノロジーズ(東京・新宿)は、今年1月から百貨店の催事で着物の買い取りサービスを始めた。

 中古品の取引業者らで作る日本リユース業協会(東京・中央)の宮崎隆専務理事は、「不用品の売り方がよくわからないという人は案外多い」と語る。フリマアプリ「メルカリ」の普及で中古品取引に抵抗が薄れる一方、ネットに不慣れなシニアや近隣にリサイクルショップがない消費者も少なくない。そんな消費者の利便性が高まれば、中古品の出回りは増えそうだ。

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