日経メッセ > リテールテックJAPAN > ニュース > ネット通販「黒字」4割のみ、専門店、IT人材不足響く、18年度本社調査。

日経の紙面から

ネット通販「黒字」4割のみ、専門店、IT人材不足響く、18年度本社調査。

[ 2019年7月10日 / 日本経済新聞 朝刊 ]

 衣料や家電などを販売する専門店がネット通販の収益化に苦慮している。日本経済新聞社が実施した2018年度の「専門店調査」で同事業について聞いたところ「利益が出た」と答えたのは44・8%と前年度調査と比べて10・9ポイント低下した。店舗も含む市場全体では4年連続の増収増益だが、今後成長が見込まれる有望市場ではIT(情報技術)企業に後れを取っている。(詳細を10日付日経MJに)

 調査は単独決算を原則とし、364社から回答を得た。前年度と比較可能な回答企業の総売上高は3・2%増の26兆6467億円、営業利益は1・5%増の1兆352億円だった。いずれも4年連続プラスだったが伸び率は前年度を下回った。

 課題となっているのがネット通販への対応だ。独自性のある商品を取り扱う専門店は総合スーパーや百貨店よりもネット通販と親和性が高いとされる。だが同事業に「取り組んでいる」と回答した154社のうち71・4%は売上高全体に占める比率が10%未満だった。3年後の見通しについても約5割が「10%未満」と厳しい見方を示した。

 衣料品大手のしまむらは6月、ZOZOが運営するネット通販サイト「ゾゾタウン」から撤退した。ネット経由の販売拡大を目指して18年7月に出店したが「商品の売れ行きや顧客属性など店頭とネットでは傾向が異なった」という。今後は自社サイトの開設を検討しているが、実店舗中心の事業モデルからの転換に苦戦している。

 調査でも18年度に「利益(営業利益)が出た」と答えたのは全体の44・8%にとどまった。「今後もしばらく赤字が続く見込み」との回答は8・4%だった。店舗重視の体制からネット通販へのシフトが進まないほか、ITなどの専門人材の不足が響いている。

 店舗も含めた市場全体では、低価格志向が鮮明になっている。総売上高の増加をけん引しているのは総合ディスカウントストア(6・4%増)やドラッグストア(5・7%増)。いずれも価格競争力を強みに消費者をひき付けている。なかでも大手の伸びが目立ち、ドン・キホーテは11・7%増となった。

 引き続き不安材料となるのが人手の確保だ。必要な人材を「充足できなかった」と答えたのは47・6%と前年度(42・3%)より5・3ポイント上昇した。19年度も46・3%が「充足できない」と見込んでいる。

【表】2018年度の営業利益額 上位10社    
順位     社名              営業益(億円) 17年度比増減率(%) 
1 (1)  ユニクロ*           1,190   24.1 
2 (2)  ニトリホールディングス※    1,007    7.9 
3 (3)  ヨドバシカメラ           569   ▲4.4 
4 (5)  エービーシー・マート        383   ▲0.8 
5 (6)  マツモトキヨシホールディングス※  360    7.3 
6 (8)  ケーズホールディングス※      327    6.4 
7 (9)  ウエルシア薬局           298    3.5 
8 (11) カインズ              276    6.2 
9 (10) サンドラッグ            269    0.8 
10(14) ドン・キホーテ           266   18.8 
(注)▲はマイナス、カッコ内は前年度順位。*ユニクロは国際会計基準、※は連結ベース   

ニュースの最新記事

PAGE TOP