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電子マネー、増税後のポイント還元、ナナコなど上限なし、ワオンは1万5000円。

[ 2019年9月4日 / 日本経済新聞 朝刊 ]

 10月の消費増税に合わせて始まるキャッシュレス決済でのポイント還元制度をめぐり、還元額の上限設定について電子マネー各社の対応が割れている。Suica(スイカ)やnanaco(ナナコ)は上限を設けない一方、WAON(ワオン)はクレジットカード業界と同じ月額1万5000円とする。各社の対応が異なることで、消費者に戸惑いも生じそうだ。

 経済産業省はポイント還元制度の事業者に対して、付与するポイントや電子マネーへのチャージ(入金)額などに一定の上限を設けるよう求めている。転売目的の購入や還元を受けながらも返品するといった不適切な利用を防ぐためだ。還元額に上限を設けないケースでは、チャージ額には上限があるほか、比較的少額での利用を想定しているという。

 セブン&アイ・ホールディングス(HD)傘下のセブン・カードサービス(東京・千代田)は、電子マネー「ナナコ」で還元の上限額を設けず、電子マネーに交換できるポイントを翌月に付与する。入金の上限額が5万円で、少額の利用が想定されるため「利用監視を強化し、不正を防止する」(セブン&アイHD)としている。

 JR東日本は交通系電子マネー「スイカ」を活用する。自社のポイントサービス「JREポイント」を通じてスイカの入金などに使えるポイントを翌月に付与する。1回当たりの入金制限は2万円だ。スイカも少額利用を想定しており、月額の利用上限は設けない。「通常ではない利用がある場合はチェックする」(JR東の深沢祐二社長)とし、監視を強化して不正利用を防ぐ。

 楽天系の「楽天Edy」は1回あたりの入金上限額は2万5000円とスイカより多いが、ポイント還元の月額上限は設定していない。

 一方、イオンは「WAON(ワオン)」の還元額の上限を月額1万5000円にした。クレジットカード業界が決めた還元額の上限と同じだ。イオンリテールは「クレジットカードの利用額としては低額とされる30万円を目安にして決めた」(広報担当者)という。

 ポイント還元制度は10月から9カ月間、中小企業の店舗での買い物や飲食にクレジットカードや電子マネーで払うと、最大5%のポイントが付与される。電子マネー各社は利便性に配慮しながら、不正利用を防ぐ策を講じるが、対応が異なることで消費者には分かりにくさも残りそうだ。

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