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キャッシュレス急拡大、ポイント還元で、ファミマ、件数6割増、JR東、登録14倍。

[ 2019年10月8日 / 日本経済新聞 朝刊 ]

 1日の消費増税にあわせて政府主導で始まったキャッシュレス決済のポイント還元制度を追い風に、現金を使わない決済が急増している。ファミリーマートでは1〜6日の件数が前年同期から6割増えるなどコンビニエンスストアでは軒並み拡大。登録者も増え、JR東日本では交通系電子マネーのポイント会員の9月の入会数が8月の14倍だった。キャッシュレス定着に向けた滑り出しは好調だが課題も浮かび上がる。

 経済産業省と民間企業が構成するキャッシュレス推進協議会によると、日本のキャッシュレス比率は2016年時点で19・9%で、韓国(96・4%)や中国(65・8%)と比べて低い水準にとどまっている。政府はポイント還元策などをきっかけに25年までに同比率を4割まで高めることを目指している。

 ポイント還元制度は増税後の消費の落ち込みを緩和し、キャッシュレス決済を定着させるため始まった。決済額の2%または5%が還元され、20年6月末まで実施される。中小事業者には政府の補助が出て、1日時点で約50万店が登録されている。

 コンビニではローソンで1〜4日のスマートフォンを使ったバーコード決済件数が9月と比べ5割増えた。利用者からは「1回の還元額は大したことがないが繰り返すと大きい」(30代の男性会社員)との声があがる。

 決済事業者への登録も増えている。JR東では交通系電子マネー「Suica(スイカ)」でポイントをためるのに必要な会員制度の9月の新規入会数が48万人に急拡大。楽天系の「楽天Edy」は10月1日に7〜9月の3カ月間の平均と比べ、初めて使う人が約5倍に増えた。

 スマホ決済ではLINE系の「LINEペイ」の10月1日の登録者数が1カ月前の約2・8倍に膨らんだ。ソフトバンク系が手がける「PayPay(ペイペイ)」は1日時点の登録者数が1500万人超と2カ月で1・5倍になった。

 混乱もあった。ペイペイが5日、支払額の最大20%を還元するキャンペーンを1日限定で実施したが、残高や還元の表示などで遅延が起きた。ポイント還元を巡っては、還元される時期が各社で異なったり、キャンペーンが乱立して消費者にわかりにくいといった課題もある。定着には一段の周知が必要だ。

 キャッシュレス決済が定着すれば、企業は自社の電子商取引(EC)サービスに呼び込んだり、信用スコアを使った金融サービスを提供したりできる。コンビニなどでは現金の管理コストを減らし、人手不足の対応もできる。キャッシュレス決済を機に、より効率的な社会システムを築けるかが重要となる。

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