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日経の紙面から

家電量販、広告を多様化、雑誌と組み宣伝も――上新、口コミ投稿にクーポン。

[ 2010年8月20日 / 日経MJ(流通新聞) ]

ビック ツイッターで入荷情報

 家電量販各社が販促や広告の効率化に取り組んでいる。インターネットを活用した新たな手法が増加する一方、新聞の折り込みチラシなどかねて中心的だったものを見直す企業が目立つ。消費者の情報収集手段が多様化し、1媒体当たりの広告効果は薄らいでいる。各社は限られた宣伝費を有効に使うため、新手法の確立と経営資源の配分に知恵を絞っている。

 上新電機は8月、自社の通販サイト上で商品のレビューを書き込んだ顧客に対して、ウェブ上で使えるクーポンの進呈を始めた。同社サイトで購入した対象商品であれば、書き込み1回に10円相当のクーポンを提供する仕組みで、いわば「口コミ情報の買い取り」だ。

 上新の狙いは口コミ情報を充実させて、下調べから購入までの流れをワンストップで取り込むこと。家電購入の際、ネットで評判などを調べる人が増えていることに対応する。同様の取り組みはヨドバシカメラも始めており、さらに広がる可能性もある。

 「新品テレビが200台ほど入荷しました」。ビックカメラは今夏、アウトレット店(東京・豊島)の入荷情報などをミニブログ「ツイッター」で流し始めた。アウトレット店は価格は割安だが、来店時に欲しい商品があるとは限らないのが難点。店が流す「今」の情報のニーズは高いと判断。情報の閲覧登録者は1カ月強で800人を超えた。

 ツイッターの活用例は今年に入り大手家電量販で増加。1月に始めたヤマダ電機のほか、ビック、ケーズデンキ、ベスト電器などに広がった。

 一方、チラシなど既存の広告手法は見直しの動きが目立つ。

 コジマは今期から、従来半年に1度だったチラシの配布地域の見直し頻度を3カ月に1回に高めた。競合の出退店や集合住宅の建設といった環境変化に、より早く対応できるようにする。ベスト電器も一部店舗でチラシの発行頻度を月1回程度と従来の約3分の1に減らした。

 博報堂DYメディアパートナーズの調査によると、テレビ、新聞、ネットといったメディアへの平均総接触時間は2010年、1日当たり5時間48分で08年に比べ約29分増えた。うちパソコンと携帯電話を合わせたネット接続は1時間43分。約26分の増加で伸びが目立つ。各社が重心をネット寄りに移すのは自然な流れだ。

 従来とは違う紙メディアを活用する動きもある。

 ビックは家電などの記事を多く掲載する小学館の情報誌「ダイム」と連携。同誌にビック店舗で使えるクーポン券を掲載したうえ、今夏に店頭でもダイム編集のPR冊子を配布した。ヨドバシも「週刊アスキー」と組み、クーポン付きの無料冊子を店頭で配った。

 雑誌は読者層が明確な場合が多く、「家電などに対する興味が強い消費者に効果的にアプローチできる」(ヨドバシ担当者)。分野を絞った宣伝が可能で高い効果が期待できるというわけだ。

 チラシ広告などがまだ集客の大きな柱であることは確かだが、消費者の趣味・嗜好(しこう)の細分化は今後も進む可能性が高い。新たな宣伝手法の模索は今後も続くだろう。販促では購買履歴をはじめとする顧客情報の活用が一段と求められる傾向が強まっており、具体的な対象を意識した新たな手法が重みを増しそうだ。

(中川雅之)

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