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ドラッグ事業立て直し、イオン、中部で出店攻勢――「空白地帯」3年で100店。

[ 2011年7月15日 / 日経MJ(流通新聞) ]

グループ資源を集中

 イオンが傘下のドラッグストア、CFSコーポレーションを通じて中部地方での巻き返しに乗り出した。イオンがショッピングセンター(SC)で展開する店舗をCFSに譲渡、CFSも出店攻勢をかけ、2014年夏までに100店の店舗網を構築する。イオンのドラッグストア連合から06年にスギ薬局(現スギホールディングス)が離脱して以降、空白地帯だった中部地方のドラッグ事業を立て直す。

 イオンが主導するドラッグストア連合「ハピコム」はイオン、CFSのほか、北海道地盤のツルハホールディングス、関東や関西に店舗を持つグローウェルホールディングスなど9社を中心に構成する。

 06年にイオンと資本・業務提携していたスギ薬局が出店戦略の相違などから連合を離脱。その後も店舗展開が進まず、中部地方にイオン系ドラッグは数えるほどしかない。東日本や関西にグループ企業を持つイオンが全国展開を進めるにあたり、中部攻略に狙いを定めた。

 CFSは07年に調剤薬局大手のアインファーマシーズとの経営統合を発表、反対したイオンと委任状争奪戦に発展した経緯がある。その後、イオンはCFSに50%超を出資し、10年8月にはCFSの食品スーパー事業を譲り受けた。CFSをドラッグ事業に専念させ、中部で展開する体制がようやく整った。

 CFSは11年2月末で255店舗を展開するが、そのうち神奈川県が120店舗、静岡県が100店舗で、愛知、岐阜、三重の中部3県は3店舗にとどまる。

 イオンはまず8月をめどにSC内で展開するドラッグストア「カラダラボ」7店舗(うち5店舗は中部地方)をCFSに譲渡。その後は「CFSがイオングループの中核となり『ハックドラッグ』で攻勢をかける」(CFSの石田岳彦社長)。

 3年後に中部で100店体制にするが、スピードを重視し、半分はイオンのSC内に出店する。また、8割以上の店舗には医師の処方箋を受け付ける調剤薬局も併設する方針だ。出店にかかる投資額は80億円を見込み、100店体制達成後の売上高は300億円を目指す。

 ただ、スギホールディングスの壁は厚い。同社の中部3県の店舗数は6月末現在で327店。このうちの54店では、在宅患者に薬を宅配するなど在宅医療を実施しており、消費者の囲い込みを進めている。「今後は関東などに攻め上がる」(杉浦広一会長)としており、中部は既に盤石との認識だ。

 イオンはこれに対抗するためグループ資源を活用する。プライベートブランド(PB=自主企画)「トップバリュ」の第三のビールなど低価格な食品や日用品をCFSの店舗に供給。SC内では食品スーパー「マックスバリュ」と共同販促を打ち出すなど、グループ内の連携も進める。

 「イオン創業の地である中部への出店には並々ならぬ思いがある」。イオンの井元哲夫ドラッグ・ファーマシー事業最高経営責任者はこう強調する。強固な地盤を持つ昨日の友、スギホールディングスの牙城をどこまで切り崩せるか。グループの総力を挙げた中部攻略が幕を開ける。

(安西明秀)

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