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SECURITY SHOW 2018 | 2018年3月6日(火)〜9日(金) 東京ビッグサイト
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暗号で守られる現代社会、仕組みと脅威は(けいざいを読み解〜くこの一冊)

 本書「現代暗号入門 いかにして秘密は守られるのか」は暗号が現代社会でいかに重要であるかを紹介している。携帯電話やネット通販、電子マネー、ビットコイン、いずれも暗号がなければ、存在できない。

 暗号の元祖はAをBに、BをCに変換するなどアルファベットを決まった数だけずらすシーザー暗号だ。古代ローマ時代にジュリアス・シーザーが使ったことで知られる。現代の暗号は、シンプルな手法から数学的手法へと高度化している。暗号の開発者と攻撃者の攻防は激しく、ICカードが暗号を処理する際に生じるわずかな電圧の変化から暗号を解析し、秘密情報を抜き取る手法もある。著者は日立製作所時代にこの問題に直面し、今なお研究している。

 現代暗号理論の代表である公開鍵暗号は、掛け算は簡単だが、その逆の因数分解が難しいことを利用する。ある因数分解コンテストでは、232桁の数の因数分解を解くのにパソコン2000台で3年かかる。一方、現在開発中の量子コンピューターはアナログ的な並列処理ができ、因数分解を短時間で解ける。いずれ現代の暗号は安全ではなくなってしまうかもしれない。

 専門用語や数式が多い本書だが、現代社会を支える暗号の仕組みを理解できる好著だ。(土居倫之)

講談社・980円(税別)

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