SECURITY SHOW

SECURITY SHOW 2019 | 2019年3月5日(火)〜8日(金) 東京ビッグサイト
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ホワイトモーション社長蔵本雄一氏――つながる車のセキュリティー対策、基本性能の防衛重要。

エンジニア不足深刻に

 自動車のサイバーセキュリティー対策を手掛けるホワイトモーションが完成車メーカーからの受注を伸ばしている。車部品のカルソニックカンセイと仏ITベンチャーが合弁で2017年7月に設立を発表。コネクテッドカー(つながる車)の投入に向けた各社の危機意識の高まりが追い風となっている。今後の市場環境について蔵本雄一社長に聞いた。

 ――コネクテッドカーの進化で、車のセキュリティー対策はどう変わりますか。

 「現在の車業界はIT(情報技術)業界の2000年ごろに重なる。高速大容量の通信の普及にあわせ『ウィンドウズXP』はセキュリティーを強化した大型更新プログラムを公開した。車も大容量の通信に常時つながることを考えると、システムのアーキテクチャー(構造)から見直す必要がある」

 「カーナビや音楽プレーヤーなど限られた機能だけがネットにつながっているだけならば必要なセキュリティーも限定的だ。しかし、操舵(そうだ)系の機構や情報がつながれば要求される水準は高くなる」

 ――車内部の情報をどこまで守るべきですか。

 「外部からの侵入を完全にシャットアウトはできない。重要になるのは攻撃を受けても走る、曲がる、止まるといった基本的な性能を守ることだ。今後のコネクテッドカーの普及を考えれば、安全をどこまで担保するかという点について、業界内の合意なども必要になるのではないか」

 ――ホワイトモーションは、どのような機能を提案していますか。

 「車の情報経路となるのは外部に接続する端子から、異なるネットワークをつなぐゲートウェイ、車載ネットワーク、ECU(電子制御ユニット)の4段階。中でも車載内部の3段階に力を入れている」

 「ネットワーク内で情報が改ざん、盗聴がされないようにする防御や、不正アクセスを検知するシステムなどを国内外の大手自動車メーカーに提供している。SIRTと呼ばれる、問題発生時の対応チームの設立や運用などのコンサルティングの需要も出ている」

 ――セキュリティーを巡る課題は何でしょう。

 「車の高機能化にともなって車載ネットワークの新規格の採用が今後進む。技術的にも過渡期を迎えることになる。車載システムとネットセキュリティーの両技術をカバーするエンジニアは少なく、開発リソース不足は深刻になる」

 「現在は車メーカーの製造段階からセキュリティー対策を施しているが、より上流の部品メーカーから対策が必要だ。車単体だけでなく、情報をやりとりするインフラやクラウドなどを含めたより広範囲で安全を守る仕組み作りが求められるようになる」

聞き手から
企画段階からの
対応が不可欠

 コネクテッドは自動運転やシェアサービスなどにも欠かせない。PwCストラテジー&によると20年には米国、欧州、中国だけで2億台超のコネクテッドカーが走る。セキュリティーの重要性もますます大きくなる。

 自動車に関するセキュリティーは企画や設計段階から求められる。車の構造やプログラミング技術も不可欠で、ホワイトモーションのように自動車や部品業界からセキュリティー分野に参入する企業も増えそうだ。(江口良輔)

 蔵本雄一氏 2001年、住友金属システムソリューションズ(現キヤノンITソリューションズ)に入社。アンチウイルスソフトの開発などを手掛ける。日本マイクロソフトでのサイバーセキュリティー分野の担当を経て17年から現職。

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