SECURITY SHOW

SECURITY SHOW 2019 | 2019年3月5日(火)〜8日(金) 東京ビッグサイト
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オオコシセキュリティコンサルタンツ社長大越修氏――海外出張で身を守るには、過信は禁物、治安確認を。

 出張で海外に出かける際に、安全に関して不安を感じるビジネスパーソンは多いはず。日本とは異なる状況下で不測の事態に遭遇する可能性も否めない。危機管理対策を手掛けるオオコシセキュリティコンサルタンツ(東京・港)の大越修社長に、危険から身を守るための注意点を聞いた。

 ――海外出張が決まったら、安全面でどのような準備をすればよいですか。

 「一番大切なのが事前の準備だ。渡航先の治安状況は欠かさずに調べてほしい。情報収集には外務省の『海外安全ホームページ』が便利だ。国・地域別に犯罪の発生状況や医療事情などが分かる。海外の安全情報を電子メールで配信する『たびレジ』というサービスもある。渡航先を登録しておくと現地の安全情報がリアルタイムで届く」

 「安全情報の内容をよく読んで、事件に遭わないようにするにはどうすべきか、万が一巻き込まれたらどう行動するかなどをイメージトレーニングするとよい。自分は大丈夫だという過信は禁物で、むしろ慣れている人の方が危ない」

 ――渡航前にやっておくべき作業はありますか。

 「パスポートの紛失・盗難にそなえて必ずコピーを取ろう。カラーコピーの方が紛失時の手続きがスムーズな場合がある。現地で帰国のための渡航書や新規のパスポートを発行してもらうために必要な顔写真2枚もあらかじめ用意しておくといい。パスポートと一緒にコピーや写真をなくしては意味がないので別々に保管したい」

 「海外旅行保険には必ず加入しよう。医療費の補償額が手厚いものがよい。海外は医療費が高く、1000万円以上かかるケースもある。クレジットカード付帯の保険では金額を賄えないこともある。社員の海外出張時に保険に加入するのは会社の義務と考える」

 ――持参すると便利なものはありますか。

 「渡航先にもよるが、小型の懐中電灯を持って行くとよい。発展途上国は停電が起こりがちだ。保存がきく軽食も、体調が悪くて外食できなくなった時などに便利だ。小型の笛も役に立つ。地震などで閉じ込められた場合に自分の居場所を知らせて助けを呼べる」

 ――海外到着時に注意すべき点は何ですか。

 「空港ではスリや置き引きなど様々な事件が起きている。荷物から目を離さないだけでなく、手も離すべきではない。空港の出口で自分の名前を掲げて出迎えている人の車に乗ったら強盗に遭ったケースもある。信頼できる人物か確認してから乗車しよう」

 ――ホテル選びのポイントはありますか。

 「出張先の現地事務所や訪問相手にどのホテルが安全か聞くのが間違いない。部屋に訪問者があってもすぐにドアを開けてはいけない。ホテルの制服を着ていても犯罪者の場合がある。ドアチェーンをかけ、フロントに確認しよう」

 「不審者が侵入しやすい低層階より、6〜13階が比較的安全だ。地上で爆弾テロが起きても爆風は5階程度で止まる。火災の際にはしご車が届かない高層階は逃げ遅れる危険がある」

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 ――街中で行動する際に注意すべき点は。

 「必要以上のお金やアクセサリーを持ち歩かず、お金は2カ所以上に分けるとよい。もし強盗に襲われても片方のお金を渡せば立ち去ることがある。強盗に決して逆らってはいけない。にらみつけただけでも傷つけられることがある」

 「テロリストは大勢を標的にするので、人が集まる場所は近寄らない方がいい。政府や軍の施設が標的になることが多かったが、観光地やイベント会場など警備が甘い『ソフトターゲット』が狙われる傾向がある。用事がある場合は、人が多く集まる時間帯を避けると危険度が下がる」

 ――レストランでのテロ事件もありました。

 「イスラム過激派からは外国人客が多いレストランが狙われやすい。イスラム教の戒律に反するアルコールを出す店や、肌の露出度の高い人が集まる店は気をつけた方がいい。店に入ったら非常口と厨房の出入り口を確認しよう。テロに遭った場合、そこから逃げ出せる可能性がある」

 ――サイバー犯罪も増えているようです。

 「海外でパソコンを使用した際に身代金要求型ウイルス『ランサムウエア』に侵される事例が出ている。信頼の置けないインターネット回線には接続しない方がいい。ホテルや公共機関の回線に、悪意のある第三者がウイルスを忍び込ませていることもある」

 ――企業として必要な備えはありますか。

 「例えば、海外で災害やテロが起こることを想定して訓練するといい。どうすれば出張中の社員の安否確認や安全確保ができるか検討できる。社員の安全を守るのは企業の責務だ」

(聞き手は村松洋兵)

 おおこし・おさむ 警視庁に20年間在籍。うち3年間は外務省に出向し、米ニューヨーク領事。米連邦捜査局(FBI)と親交を持つ。エッソ石油やAIGのセキュリティー担当を経て2003年から現職。

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