SECURITY SHOW

SECURITY SHOW 2019 | 2019年3月5日(火)〜8日(金) 東京ビッグサイト
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センシンロボティクス――自動ドローンで警備・点検、人手不足・災害対策に挑む。

 システム開発スタートアップのセンシンロボティクス(東京・渋谷)は、ドローン(小型無人機)を構造物の検査や警備の分野での活用する取り組みに力を入れている。カメラを搭載したドローンを自動運行させ、操縦したことがない人でも利用できる仕組みだ。労働力不足や災害対策などの社会課題の解決にドローンの技術で挑む。

 スイッチを押すと自動で飛び出したドローンが鉄塔の周囲を飛び回りながら、搭載されたカメラで次々と鉄塔を撮影する。画像はサーバーに送信され解析ソフトで分析。さびや腐食が発生している場所を探し出す。ネジの緩みなどは目視で確認するため、画像を拡大し、不具合があればその部分に印を付けられる。これらのデータは自動で報告書にまとめられる。

 センシンロボティクスは10月31日、ドローンによる通信鉄塔の検査サービス「タワーチェック」の試作版の提供を始めると発表した。狙いは高所に登らないとできない危険を伴う点検作業の効率化だ。検査技術を持つ人材の高齢化による不足も背景にある。ドローンを使えば、安全な場所からデータを集められる。複数社との実証実験では、人手で3人1組で1日2本程度しかできなかった検査が、2人で5本できたという。人件費など検査コストの削減にもつながる。

 センシンロボティクスの出村太晋社長は「自動運転なら誰でも利用できる。ここに強くこだわった」と話す。鉄塔の検査員が、新たにドローンの操縦技術を身につけるのは時間がかかる。そこで、システムに鉄塔の中心の位置と半径といったデータを入力すれば、航行ルートを自動で設定できるシステムを開発した。

 出村社長はリクルート出身で、もともとはウェブ会議システム開発のブイキューブの新規事業を外部から手伝っていた。その中の一つがドローンで、「ドローンを使えば多様な情報を収集できる。将来性は大きい」と考えた。2015年に新会社「ブイキューブロボティクス」を設立した。

 ただ、「当初は誰も振り向いてくれなかった」(出村社長)。保守・点検の現場の人たちにドローンの可能性を説明しても理解してもらえない。「ドローンを使った作業の具体的なイメージができない」と言われた。

 転機となったのは、17年夏から取り組んでいる仙台市とNTTドコモと実施した実証実験だ。

 「津波が来ます。防波堤の後ろの小学校に逃げて下さい」――。Jアラート(全国瞬時警報システム)と連動し、ドローンが自動的に発進する。海岸線まで飛び、ドローンに搭載したスピーカーで避難指示を出す。ドローンが撮影した映像は市職員が遠隔地で確認し、逃げ遅れた人に個別に指示を出す。「実際の事例を示すことで、『こういうことはできないか』といった問い合わせが増えてきた」という。

 6月には米資産運用大手フィデリティ系のエイトローズベンチャーズジャパンや伊藤忠テクノロジーベンチャーズなどから約12億円を調達。7月には社名をブイキューブロボティクスからセンシンロボティクスに変更するなど事業運営面でのブイキューブからの独自性を強めている。今後は検査や防災以外にも、警備の分野にも事業領域を広げたい考えだ。「ドローンの可能性を利用者の目線で広げたい」。出村社長はドローンの未来を語る。(広井洋一郎)

《会社概要》
▽本社所在地 東京都渋谷区
▽設 立   2015年10月
▽売上高   非公表
▽事業内容  ドローン関連のシステム開発

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