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エレベーター、水や食料備蓄、マンション・役所など収納箱――震災時閉じ込めに備え。

[ 2013年2月18日 / 日本経済新聞 夕刊 ]

 地震でエレベーターが緊急停止して乗客が閉じ込められた場合に備え、飲料水などが入った備蓄ボックスをエレベーター内に置く動きが相次いでいる。東日本大震災時は15都道県の210基のエレベーターで閉じ込めが発生。首都直下地震では1万人以上の救助が必要になるという想定もあり、高層マンションなどで設置が進む。しかし利用者が備蓄を認識していないケースも多く、周知が課題になっている。

 東京都港区のマンション「三田ナショナルコート」(15階建て、411戸)では2月上旬、6基のエレベーター全てに高さ50センチ、幅30センチのアルミ製の「備蓄ボックス」を設置した。

 中には飲料水のペットボトル3本、カンパン缶、簡易トイレやトイレットペーパーなど。「これだけそろっていればいざという時も安心」。住民で組織するマンション理事会の高橋行雄理事長(65)は満足げだ。ボックス上部は革張りのクッションで、普段は椅子として使用できる。

 昨年10月、住民総会で住人から設置を望む声が上がったのがきっかけ。高橋理事長は「東日本大震災以降、住民の防災意識が高まっている。いつ起きるかわからない地震に早めに備えておきたかった」と話す。

 東京都港区は区役所本庁舎や支所など156施設の約300基のエレベーターに同様の備蓄ボックスを設置する予定。今年度予算に約1450万円を計上しており、既に8割の区施設で設置済みだ。

 区役所本庁舎は、東日本大震災時にエレベーター全6基が停止した。閉じ込められた人はいなかったが、震度6強が想定される首都直下地震に備え、備蓄品を置くことにした。

 ただ「区役所を訪れる多くの区民に利用方法を周知するのは難しい」(遠井基樹防災課長)といい、職員への徹底が活用のカギとなる。今後は年2回実施する防災訓練などで、職員に使い方を説明する方針だ。

 内閣府による被害想定によると、東京湾北部地震では関東を中心にマンションや事業所のエレベーター計約30万基が停止し、1万人以上が閉じ込められる可能性がある。

 こうした想定を背景に、企業でも導入が進む。東京都中野区の家庭用品専門商社「友和」は、昨年10月から備蓄ボックスを社内のエレベーターに設置している。飲料メーカーが自販機の購入者に備蓄ボックスを無償提供するサービスを利用した。

 社員で組織する危機管理準備チームが備蓄品を置くべきだと判断した。総務部の担当者は「社員の関心は高く、東京都以外の事業所でも自前での設置を検討したい」と話している。

 備蓄ボックスは防災用品を扱う業者などから購入できる。

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