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マイナンバー始動まで1年、自治体・企業へ提案競う――NEC、沖縄で「SDN」環境、日本IBM、金融機関にシステム。

[ 2015年1月7日 / 日経産業新聞 ]

 社会保障と税の共通番号(マイナンバー)制度の始動まで1年を切った。国のシステム開発の受注合戦が終了し、地方自治体向けのシステム開発も進み始めた。ただ問題は、規模にかかわらず全ての企業が従業員の個人番号を管理して給与明細書などに記載する規定に関連して、システム対応が後手に回っていることだ。IT(情報技術)各社が、企業の支援に乗り出した。

 NECが2014年12月、国の中間サーバーの構築・運用業務を落札した。落札額は199億8000万円で、これで国のマイナンバー関連システムの構築案件は、ほぼ終了した。一方、自治体は15年10月から、国籍を問わず住民票を持つ個人に番号カードの配布を始める。企業は16年1月から従業員の個人番号を集めて、給与明細や申告書類に番号を記載しなければならない。

 システム構築は昨年秋ごろから自治体で本格化している。システム開発のインテック(富山市)が、富山県内の6市町村に番号管理できるクラウドサービスを提供するなど構築事例も増えた。

 マイナンバー制度導入を契機に、IT環境を大きく見直す自治体も出てきた。沖縄県西原町が昨年完成させた新庁舎は、ネットワークをソフトウエアで柔軟に制御できる「ソフトウエア・デファインド・ネットワーク(SDN)」を導入した。マイナンバー制度を含め、法制度の改正に対応しやすくする目的だ。NEC製のシステムを採用した。

 従来、新システムを導入するには新たに専用回線を引き、独立した通信環境を構築しなければならなかった。細かい制度改正のたびに新しいシステムを導入すれば、そのたびに専用回線が必要になる。SDNの導入で、新システムを構築した際には、パソコンで設定を変えるだけで専用回線を増やすことができるようになる。NECは同様の通信環境を全国の自治体に売り込んでいく考えだ。

 マイナンバー制度では行政だけではなく、企業も対応を迫られる。税金や年金などの書類、従業員に渡す給与明細などに個人番号の記載が必要になるためだ。書類は300種類にのぼるとも言われる。

 企業には従業員が提出した番号が本人のものか、身元証明書類と突き合わせて確認し、厳重に保管する義務もある。しかも番号が外部に漏れた際には罰則がある。

 この危機管理に対して、IT各社も動き出した。野村総合研究所は、顧客の個人番号を預かる立場になる金融機関や一般企業向けに、個人番号の管理を代行するサービスを始めた。

 日本IBMは金融機関向けに従業員や顧客の個人番号を集めて保管し、セキュリティー対策を施すシステムを構築・運用する。富士通マーケティングも、一般企業向けに番号管理システムの販売を始めた。

 マイナンバー制度では、社員が数人の小規模な企業でもシステム対応が必要になる。IT各社も企業の支援サービスを本格化しているが、システムの必要性が一般企業に十分に理解されていないとの指摘もあり、対応が待ったなしの状況になってきた。(浅山亮)

【表】マイナンバー各社の動き  

自治体向け
NEC        自治体向けのシステム改修サービス提供、沖縄県西原町で専用ネットワーク構築
NTTデータ     自治体向け番号管理ソフト
インテック      富山6市町村に番号管理クラウド構築
TKC        自治体向け番号管理クラウド

企業向け
日本IBM      金融機関向けに番号の収集、保管、セキュリティーのシステム構築
野村総合研究所    番号管理の代行とコンサルティングサービス
富士通マーケティング 既存の給与管理システムを改修しないで対応できる番号管理システム

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