日経メッセ > SECURITY SHOW > ニュース > パナソニック、警察向けウエアラブルカメラを世界展開、テロ対応にらむ。

日経の紙面から

パナソニック、警察向けウエアラブルカメラを世界展開、テロ対応にらむ。

[ 2016年1月5日 / 日本経済新聞 朝刊 ]

 【ラスベガス=北西厚一】パナソニックは頭や胴体などに取り付けられるカメラを活用した防犯システムを2016年度から世界で販売する。北米で出荷し始めたシステムを英国の警察向けに導入を働きかけるほか、欧州各国やアジアへの展開を目指す。国際的なテロが相次ぎ、現場の映像からデータを分析して犯罪抑止や犯罪者の発見につなげるシステムの需要が増えると判断。営業・保守網を世界で整える。

 6日に米国のラスベガスで開幕する世界最大の家電見本市「CES」でシステムの概要を公表する。

 米調査会社IHSによると14年に1兆7千億円規模だった世界のビデオセキュリティー市場は年率9%で成長し、19年に2兆5千億円規模になると見込まれる。パナソニックは10年に世界首位だったが、国内市場が広がる中国企業の躍進で15年は4位(約4%)にとどまったもよう。

 犯罪者を認識するシステムはIT(情報技術)大手が開発を急いでいるが、パナソニックは警官が身に着けられる小型のウエアラブルカメラを使うのが特徴だ。固定した監視カメラだけのシステムに比べ、イベント会場などで死角をなくして映像を幅広く集める。

 カメラに搭載したシステムで人の顔のシワなどから年齢や性別を解析して指名手配犯を探知。迅速な職務質問や探索につなげる。事件後にデータベース化して会場全体から犯罪者を探したり、証拠を集めたりすることもできる。

 16年度中に英国の警察へのシステム導入を目指す。首都パリで同時テロが発生したフランスやドイツ、首都バンコクで爆弾テロが起きたタイのほかニュージーランドでも事業を展開する方針。現地に専任チームを置き、周辺国にも営業エリアを広げていく。

 現地には今後、日本から技術者を派遣する。機器の供給だけでなく、システムの保守や運用支援を担うサービスを提供する体制を整える。

 米国では白人警官が黒人少年を射殺した14年の事件をきっかけに、警官の活動を監視するカメラシステムの需要が伸びた。市警などの自治体の警察組織ではカメラを防犯に活用する動きが広がっており、警官が装着するウエアラブルカメラも普及し始めている。同分野で高いシェアを持つパナソニックは米国で蓄積したノウハウを世界で活用する。

 米国とカナダでは警察向けに車載カメラや「タフブック」と呼ぶ頑丈なパソコンを納入している。録画した映像を裁判所に持ち込める「証拠DVD」に加工する事業も手掛けている。

 警察の要望に応じて組み上げるシステムの世界展開を目指す。18年度に警察向けなどの防犯カメラシステム事業の売上高を14年度比4割増の1000億円以上に引き上げる。

 パナソニックは高度な画像処理技術を強みとしており、広範囲を写す4K動画の撮影ノウハウも持っている。カメラなどの導入費は中国勢よりも割高となるが、映像を隅々まで鮮明に処理できる技術を前面に打ち出し、他社との違いを訴えて拡販を進める。

ニュースの最新記事

PAGE TOP