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LIXIL、センサー250個、賢い家安全快適、外出先で訪問者映像、窓開閉し室温を調整。

[ 2016年12月13日 / 日経産業新聞 ]

 住宅設備最大手のLIXILグループが内需縮小の中でにらむ次の戦略は、住宅内での安全や防犯といった様々なサービスの提供だ。東京都内の研究用家屋にセンサーを250個取り付け、子供だけで浴室に入ると自動で水位を下げたり、家の外観を360度映し出したりする実験を進めている。瀬戸欣哉社長は遅れていたというデータ活用策の検討を急いでいる。

 東京都江東区の2階建て住宅は、一見すると普通の戸建てと変わらない。これは研究施設「ユースクウェアホームツー」だ。同社が考える未来の家で、築20年近かったモデルルームを改装し、千葉県野田市にあった前身の施設から夏に移転。家全体でデータ取得の実験を始めた。

 システム技術研究所の高田巌グループリーダーは「データ集めが目的だった研究から進んで、どうしたら生活上のリスクを減らせるかを重点的に検証し、実用化に近づける」と話す。

 研究施設はドアやキッチン、トイレなどにLIXIL商品を使っている。各部屋に温度や湿度、明るさ、人間の動きを感知するセンサーが付いており、様々な住宅設備をコントロールしている。

 研究開発の現在の焦点は事故防止と防犯だ。

 浴室や洗面所での新しい取り組みとして、幼児が浴槽にあやまって入り、溺れてしまう事故を防ぐため、背の高さで成人と子供を見分けて子供なら自動で排水する仕組みを検証している。

 防犯面では、インターホンを押さずに人が家に近づくとシャッターを閉めて侵入を防ぐ。不審者がいる場合はカメラで外観を360度をとらえ、室内や外出先から映像を確認できる。

 住宅設備によって変えられるのは健康も同じ。急な温度変化で体調が悪くなるヒートショックの対策として、室温を自動調整する仕組みがある。

 高田氏は「目的はセンサーだらけの家を建てることではない」と話しており、LIXILは消費者が家に求めているものに照らし、データを活用して何を提供できるか洗い出そうとしている。

 検証内容の広さに、LIXILがデータの活用法を徹底して試行錯誤している様子がうかがえる。通勤電車が遅れていたら寝室のテレビをつけて早めに起こすといったオープンデータの活用を検証している。

 研究担当者は施設に泊まり込んではいないが、頻繁に設定を変えて、使い勝手や改善点を見つけようとしている。実験を当面続け、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」の建材、機器を開発する。商品が出そろえば、地方を地盤とする住宅メーカーにまとめて提案できるようになる。

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