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世界が注目輝く地方企業(3)オプテクスG(滋賀)、外国人持ち株比率29%――「見張り役」防犯に工場に。

[ 2017年6月10日 / 日本経済新聞 朝刊 ]

 ビルや家屋の不審者侵入を感知し、工場では不良品をチェックする。今はあらゆる場面でセンサーが活躍している。大津市に本社を置くオプテックスグループは屋外用防犯センサーで世界シェアのトップに立つ。市場規模は250億〜300億円程度で、小国勇社長は自社を「小さな池の大きなコイ」に例える。

 毎年2月、そのコイを目当てに欧州などから外国人投資家が東京・六本木に集まる。オプテクスGは香港が拠点の証券会社、CLSAに促され、同社主催の海外投資家向け合同説明会に数年前から参加している。

 3月に出した有価証券報告書によれば2016年12月末時点の外国人持ち株比率は29%。アベノミクス相場が始まった4年前から約18ポイント増えた。株価は調整を挟みながらも堅調で、5月には上場来高値の4015円をつけた。9日終値は3770円と高値圏にある。

 業績は好調だ。17年12月期は連結売上高が前期比15%増の356億円に伸び、純利益は38%増の25億円と10年ぶりに最高益を見込む。主力の防犯センサーは近年、テロが相次いでおり、英国をはじめ世界で引き合いが多い。工場で個数確認や寸法測定に使うセンサーも伸びている。海外売上高比率が約6割で、業績は為替の影響を受けやすいが17年12月期は販売が好調で増収増益になりそうだ。

 5月に示した中期計画は野心的で、19年12月期の売上高を今期推定比40%増の500億円、営業利益を2倍の75億円と見込む。

 面会した英国の機関投資家からは「防犯センサーの市場成長率が年5%の中で、どうやって2ケタ成長するのか」との質問を受けた。計画達成に向け取り組むのは取り扱う品目の拡充とM&A(合併・買収)だ。

 防犯関連では米社と組み、センサー単独ではなくカメラと一体で提供し始めた。常時監視が必要な場所ではカメラだけではすぐ対応できない時がある。センサーとの併用なら迅速に対処できる。

 M&Aには着手済みだ。16年には京都のジャスダック上場企業、シーシーエスの株式を約6割取得した。同社は製品の傷を見つけやすくする発光ダイオード(LED)照明を手がける。照明とセンサーをセットで企業に売り込んでいる。16年12月末時点の自己資本比率は65%で、正味の手元資金(現預金と有価証券から有利子負債を引いた額)は86億円ある。小国社長はM&Aを「今後3年間で2〜3件考えたい」と話す。

 利益面では利幅の大きい工場用センサーの営業を強化し、好調な半導体業界に売り込む。新設したベトナム工場の稼働で製造コストをさらに減らす。

 課題は資本効率の改善だ。投資家が注目する自己資本利益率(ROE)は7〜8%で、欧米企業の平均12〜13%に比べ見劣りする。17年12月期の売上高営業利益率は10%だ。

 中期的に掲げる目標は「売上高営業利益率15%、ROE10%以上」と高い。センサーの活躍する場面が増えるなか、いかに利幅の大きい製品の需要を開拓しながらコストを減らすかが目標達成の条件になる。

(下村凜太郎、橋立敬生)

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