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日立、中国のビル防犯、IoTで、センサー・カメラ活用、安全・環境、サービス開拓。

[ 2017年8月16日 / 日本経済新聞 朝刊 ]

 日立製作所は中国でオフィスビルのエレベーターや防犯などを一括で管理するサービスに乗り出す。あらゆるモノがネットにつながる「IoT」を使い、効率的にビルを保守管理する。中国は都市開発が進む一方、施設の安全性維持や環境規制対応を支援する管理サービスは普及していない。日立は他社に先行して総合保守サービスを開拓し、需要が頭打ちの機器販売を補う事業に育てる。

 中国で、エレベーターやエスカレーターといった昇降機の新設需要は世界市場の6割を占める。日立によると、2016年度の新設需要は49万台と前年比3%減った。同社の中国での昇降機シェアは約1割で年間売上高は約3000億円と中国ビジネスの稼ぎ頭の一つだが、15年ころから建設工事が停滞。価格競争も激しい。

 18年度に始める新サービスではエレベーターなど昇降機の遠隔監視と、入退館管理や電力消費モニターなどのシステムを組み合わせる。昇降機や出入り口、制御機器などにセンサーやカメラを設置。IoTを使って昇降機や空調の消費電力をパソコンから遠隔監視し、電力削減につなげられるようにする。

 サービスは上海、広州など大都市を中心に始める予定で、昇降機の営業拠点88カ所にいる1000人の営業員を活用し、オフィスビルやマンション、ホテルなどを対象に提案していく。複数のビルをまとめて管理できるサービスも検討する。カメラやカードリーダーなどの機器は複数の現地メーカーから調達する。21年度までに年間300億円規模の売り上げを目指す。

 中国では10年前後から都市開発が加速し、高層ビルが相次ぎ建設されたが、維持管理サービスはまだ浸透していない。昇降機と入館管理や省エネ提案などを一体で提供する大手企業は少ない。日立はIoTの活用で効率的にビル管理ができることを強みとして顧客を開拓する。

 近年、昇降機の落下事故や鉄道事故などインフラ関連の事故が相次いで発生し、中国国内で安全意識が広がりつつある。さらに大気汚染や温暖化ガスの排出増を受け、政府が環境規制の強化を進めている。

 社会インフラを事業の柱に位置付ける東芝もこのほどビルのエネルギー消費を自動で制御するシステムをオフィスビルやホテルに提供を始め、納入実績が出始めているという。

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