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タワマン防犯、警察とタッグ、警視庁・業界団体が協定、居住空間、急行しやすく。

[ 2017年10月2日 / 日本経済新聞 夕刊 ]

 東京都心や湾岸地域で急増するタワーマンション。オートロックや防犯カメラなど充実したセキュリティーが人気の理由だが、犯罪が起きた場合や災害時には警察官らが部屋まで急行しにくい。警視庁はこうした問題点を解消するため、マンション管理業協会と協定を結ぶ。共有部分を警察官が巡回できるようにするなど、防犯面での協力体制を強化する。

 東京都中央区の53階建てタワマン「勝どきザ・タワー」の1階ロビーで、7月上旬、警視庁月島署員が学校帰りの児童や保護者に反射材などの交通事故防止グッズを配布していた。同署とマンション管理組合が開いた交通安全イベントだ。

 同署と組合は4月、住民の安全確保で提携し、署員がオートロックやエレベーターの鍵を借りて館内を巡回できるようにした。管理組合の山内栄一郎理事長(73)は「イベントで警察官と住民の距離を縮め、非常時の連携を円滑にしたい」と話す。

 提携の背景にはタワマン特有の事情がある。部屋に着くまでにオートロックが複数あったり、目的の階しか行き先を指定できないエレベーターを備えていたりする。不審者の侵入を防ぐのには有効だが、緊急時の警察官の立ち入りに手間取るケースが出ていた。

 1月には中央区の別のタワマン住人から「子供がいなくなった」と通報を受けて同署員が急行したが、各階を自由に行き来できない構造だったために捜索が難航。署員が管理人からマスターキーを借りて捜し、子供は自宅と別の階で遊んでいるのが見つかった。

 戸建ての住宅と違い、戸別訪問が難しく、住人の把握が進まないことも、警察は治安上の問題点とみている。

 こうした事態に対応するため、警視庁は月島署と同様の提携を広げることを計画。約360のマンション管理会社が加入する管理業協会と協定を結ぶことにした。

 (1)事件事故への対応(2)犯罪予防に関する巡回連絡(3)住民の要望を把握――などで相互に協力する合意を結ぶよう、各地の警察署と管理会社に求めていくという。

 警察官が居住空間に立ち入ることについて「セキュリティー向上につながる」(管理組合関係者)と評価する見方がある一方、「プライバシーが守られるか不安」(都内のタワマンに住む40代主婦)との声も漏れる。

 警視庁幹部は「不安を払拭するために住民の声に耳を傾けつつ、適切なパトロールなどを進めたい」と話している。

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