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「つながる車」安全に商機、トリリウム、暗号化、保険会社にも、アズジェント、ソフト更新なく対応。

[ 2017年11月6日 / 日本経済新聞 朝刊 ]

 インターネットに常時接続した「コネクテッドカー(つながる車)」のセキュリティーにスタートアップ企業が商機を見いだしている。自動運転をにらむと車体のネット接続は不可欠。一般の情報機器以上に厳しい安全性が求められ、既存メーカーが手がけてこなかった領域なだけに専門技術に秀でたスタートアップが頭角を現す可能性は大きい。大企業との連携も活発になってきた。

 車内部は「CAN」と呼ばれる車載ネットワークを中心に多くの情報が飛び交う。車はパソコンなどに比べ情報処理の能力も限られるため、遅延を起こさず運用でき、かつ強固なセキュリティーが必要になる。

 トリリウムは都内の住宅街に事務所を構える日本発のスタートアップ。セキュリティーが厳格なことを除けば普通の一軒家と変わらないが、中では国籍も出自もバラバラの技術者10人が働く。

 得意とするのは通信に干渉できないようにする暗号化技術だ。内容がすぐに解読できないよう、1秒間に10回暗号のカギを交換。海外のイベントでハッカー700人が挑んだが破られなかった。こうした車内セキュリティーサービスを車メーカーに提案している。

 トリリウムは稲盛和夫氏と共に第二電電(現KDDI)を創業した千本倖生氏(元イー・アクセス創業者)らを経営陣に迎え、2014年に創業した。16年に「シリーズA」と呼ばれる初期の資金調達で、グローバル・ブレインがリードインベスターとなり、みずほ証券やDBJキャピタルが応じた。

 デイビッド・ユーゼ社長は「車のセキュリティーだけでなく関連サービスのセキュリティーも提案する」と話す。レンタカー会社や保険会社などが取り扱う情報のセキュリティーサービスも20年をめどに商用化する。

 ジャスダック上場でセキュリティーソフトの輸入販売を手がけるアズジェントは17年5月、イスラエルベンチャーのカランバセキュリティに100万ドルを出資した。16年から日本国内でカランバと唯一、販売契約を結んでおり、同社への投資を通じて開発を加速し「日本での提案を進める」(杉本隆洋社長)狙いだ。

 カランバが開発した「カーウオール」は車の頭脳にあたる電子制御ユニット(ECU)にセキュリティーを施す。設定に沿わない通信を検知、防止できるため、ソフトを更新することなく新しい脅威に対応できる仕組みだ。既に15を超える自動車、部品メーカーで採用評価が進む。

 カルソニックカンセイは7月、仏のITベンチャーと合弁で車載セキュリティー専門会社のホワイトモーションをさいたま市に設立した。社長には日本マイクロソフト出身の蔵本雄一氏を迎えた。国内企業の自動運転車開発が本格化する中、完成車・部品メーカーに向けたサービスや製品を開発している。

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