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連続する災害、対応難しく――企業、BCP再見直し。

[ 2018年9月7日 / 日本経済新聞 朝刊 ]

 日本の製造業は東日本大震災や熊本地震で幾度もサプライチェーンを分断される危機に際し、事業継続計画(BCP)を繰り返し見直して災害に備えてきた。今夏の2度の台風では大きな被害を回避するのにBCPが一定の役割を担ったようだ。ただ複数の災害が同時に起きるような事態への備えは十分といえない。

 マツダや三菱自動車は7月の西日本豪雨を受けBCPを見直す方針だ。マツダは購買本部と部品各社が連携するよう定めたBCPが生き、豪雨当日に休業を決めるなど「迅速な情報収集が生きた」(吉原誠常務執行役員)という。三菱自も水島製作所(岡山県倉敷市)の代替調達網により早期に生産を再開できた。

 ただマツダは災害時に社員を通勤させると地域の交通渋滞を引き起こす可能性があると外部から指摘された。あらゆる可能性を想定してBCPの見直しに着手する。三菱自も取引先の復旧策を新たに盛り込む方針だ。精密加工装置を手掛けるディスコも西日本豪雨で、呉工場(広島県呉市)周辺が被害を受けた。地震中心の対策では十分でないと判断し、新たなBCPの検討に入った。

 パナソニックは今夏に社員の安否確認システムの仕組みを見直し、北海道地震では数人が軽傷を負ったがこれまでより確認を早められたという。

 日本企業のBCPは地震による被害を想定したものが中心だが、多種の災害が同時に起きる可能性は捨てきれない。メーカーからは「あらゆるケースを想定したBCPなど考えていない」との声が聞かれ、今後に課題を多く残している。

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