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「移動式モニタリング拠点」(セコム)――イベントで消費者安全に。

[ 2018年10月3日 / 日経MJ(流通新聞) ]

 市民マラソンや音楽ライブ、お祭りなどで消費者の安全・安心を守ります――。セコムは9月、イベント警備や被災地支援などに活用する車両型のオンサイトセンター(移動式モニタリング拠点)を刷新した。1年前に開発した実験車両での経験を基に、業務用のエアコンやソーラーパネル、冷蔵庫などを導入。長時間の監視や指揮を担う環境を整えた。

 「野外イベントで会場内に監視拠点を設置できることを魅力に感じる主催者は少なくない」。オンサイトセンターを担当するセコムの小松原康弘氏はワンボックスタイプのモニタリング拠点の意義を強調する。

 会場内にセコムの大きなステッカーが張られた車両は警備していることを内外に示している。悪事を働く側には監視していることを示しており、抑止効果も期待できそうだ。

 監視車両の内部には仮設カメラや警備員のウエアラブルカメラ、車載カメラ映像など、さまざまな情報を表示するモニターがある。周辺の様子に異変があった際に集めた情報を救護拠点や警備本部に提供する。付近を警戒する警備員らには通知する。運転して現場に急行することも可能だ。

 一般の警備では、指揮・監視拠点を会場からやや離れた場所に設置することが多い。さまざまな監視機器や通信環境を整えるため、空きスペースが限られる会場内は難しいからだ。現場に車両を置くことで監視画像で得られる情報だけでなく、車外で聞こえる音声なども踏まえた情報を得ることができる点も強みだ。

 新車両は実験車両に比べて、社内の設備も強化した。ドライブレコーダーを搭載し、事故やトラブル現場などを撮影する。外部電源を取り入れるためのプラグも用意。予備バッテリーの充電目的で、ソーラーパネルも設置した。

 車両内で業務を担う際の快適さも磨いた。車体の下に室外機を取り付け、業務用エアコンも搭載。冷蔵庫も導入し、持ち場を離れることなく長時間の監視業務を担えるよう工夫した。機動性をいかした現場の指揮拠点として活用することも視野に入れている。

 被災地の支援用途も念頭に置く。雪道や災害による悪路を踏破できるように今回の車両から四輪駆動に切り替えた。地震やゲリラ豪雨の被災地に入り、避難所や災害対策本部のための情報収集、状況確認を担う。それらの情報を避難所や災害対策本部にリアルタイムに提供する。

 避難所に移った被災者の住居などの状況を仮設カメラで監視。被災者や災害対策本部に提供する。

 2016年の熊本地震や17年に発生した九州北部豪雨災害、今年7月の西日本豪雨など広域災害が増加傾向だ。被災地のセキュリティーニーズは高まっている。

 移動式モニタリング拠点の台数も拡充する。セコムは23年3月期をメドに20台まで増やす。警備の地域拠点ごとに1台ずつ配備する計画だ。狭い道が多いなどといった地域特性を考慮。軽自動車を用いた小型やトレーラーやバスを改良した仮眠設備付きの大型車も投入していく。(高橋徹)

相次ぐテロ、対策急務に

 ▼イベント警備 2013年の米ボストン・マラソンでは爆破テロによって3人が死亡、約280人が負傷する事件が起きた。海外では、このほかにも集客施設やスポーツイベントなどを狙ったテロが相次ぐ。

 セコムも市民マラソンなどでテロ対策も視野に入れたイベント警備依頼が増えている。ゴール地点など現場で指揮する環境づくりが急務になっている。

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