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衛星データで災害察知、北海道、山林・道路など定期観測。

[ 2018年11月19日 / 日経産業新聞 ]

 【札幌】北海道は人工衛星のデータを防災やインフラ監視に応用する検討を始める。9月の胆振東部地震では厚真町などを中心に大規模な土砂災害が発生。衛星データを使えば広範囲の被害でも迅速に把握できる。山林や堤防、道路などを定期観測することでわずかな異変を察知する。

 道はインフラの監視や防災分野で衛星を活用している先進企業の事例を探る。27日に札幌市内で、NECと日本工営、日本スペースイメージング(東京・中央)、国際航業(同・千代田)、宇宙技術開発(同・中野)の5社が衛星データの取り組みや研究内容、導入例を紹介する場を設ける。

 先進企業は合成開口レーダー(SAR)と呼ばれる特殊な技術を搭載した衛星を持つ。SAR衛星はマイクロ波を出し反射してきた信号で地表の状況を調べる。雲がかかっていても正確に把握できるのが特徴。土砂災害などの被害状況を上空から詳しく調査できる。

 山の斜面を観測しわずかな崩壊も察知。土砂崩れなどを未然に防げる可能性がある。公共インフラでは空港や堤防、道路などを監視し、亀裂や破損などの異変を発見する。自治体が主な顧客となりそうだ。

 道内ではすでに農業の分野で衛星データを活用して事業拡大を目指す動きがある。道が設置した「北海道衛星データ利用ビジネス創出協議会」は10月、衛星データを使い事業化を目指す2つのグループをつくった。

 一つは作物を周期的に変える「輪作」の状況を調べやすくするスタートアップのスペースアグリ(帯広市)を中心とするグループ。現在、道内では地域の農業協同組合の職員らが一軒ずつ回って作付け状況を確認している。同社が持つ衛星画像を分析すれば、作物の種類やその畑の広さなどを瞬時に把握できる。

 もう一つは病害虫診断の北海道大学発スタートアップ、ポーラスター・スペース(札幌市)を中心とするグループだ。色の違いを識別できるカメラ技術を使い、害虫被害にあう畑地を特定できる。両グループは2018年度内に事業化に向けた計画をまとめる。道は防災分野でも農業と同様の流れで道内企業による事業化を目指す。

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