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Sigfox、低コスト通信範囲拡大、ローム系、ソフト開発、防災・点検に使いやすく。

[ 2019年1月30日 / 日経産業新聞 ]

 ロームの半導体子会社、ラピスセミコンダクタ(横浜市)は低コストで長距離通信が可能な技術「Sigfox」のサービスエリアを拡張できるソフトウエアを開発した。最大10キロメートルまでカバーできるようなり、これまで対応できない施設など場所を選ばず機器を導入できる。防災、点検用途で普及が進んでおり、大規模集積回路(LSI)の採用拡大につなげる。

 同社によると、Sigfoxの拡張ソフトは世界で初めてという。Sigfoxは、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」の通信規格で、省電力・低コストで長距離通信を可能する技術「LPWA」(ローパワー・ワイドエリア)の一つだ。

 ラピスが開発した新ソフトはSigfoxのエリアから最大10キロメートル離れていても通信できる。例えば、Sigfoxのサービスエリア圏外にある他のLPWAであっても、エリア内にある基地局をつながる端末にソフト拡張したLSIを搭載してカバー範囲を広げる。「ブリッジ通信」と呼ぶ技術を使い、Sigfoxに対応するよう変換する。

 また、Sigfoxのエリア内でも高層ビルなどの建設で、通信がつながらなくなった場合であっても、別の通信ルートを自動検出し、Sigfoxの基地局までつなぐことができる。

 ロームは2017年8月、世界で初めて複数のLPWAに対応するLSI「ML7404」を開発した。前工程をラピスセミコンダクタ宮城(宮城県大衡村)、後工程をロームのタイ現地法人が担う。17年12月に量産を始めた。ラピスがホームページでソフトを無償提供し、既存の納入先も更新できるようにした。

 Sigfoxは仏シグフォックス社が開発したLPWAを代表する規格。回線あたり最低100円から利用できる。世界60の国と地域で導入され、国内では京セラコミュニケーションシステム(KCCS)が事業展開している。2018年12月実績で人口カバー率は9割に達するが、山中の建物やダムといった施設などで限界があった。こうした空白エリアを埋められる。

 ラピスセミコンダクタは08年、ロームがOKIから買収した半導体事業会社。低消費電力向けマイコンで定評がある。「山岳地帯など開拓できていない場所での『IoT』に貢献できる」(同社ローパワーLSIビジネスユニットマーケティングチーム第三グループの軽米孝徳担当課長)とみている。(赤間建哉)

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