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JFEエンジ、監視事業「広角」に、ごみ焼却炉や港湾設備対象。

[ 2019年6月6日 / 日経産業新聞 ]

 JFEエンジニアリングがインフラの遠隔監視を新たな事業に育てようとしている。従来、自社施工の発電所などをインターネット経由で監視してきたが、監視対象を港湾などに広げ、他社施工のプラントの監視についても検討する。プラントの新設が減少するなか、ネットとモノがつながる「IoT」を駆使したサービス分野の開拓を急ぐ。

 JFEエンジの横浜本社(横浜市)の一角に昨春、開業した「グローバルリモートセンター(GRC)」。間接照明に照らされた壁面をモニター画面が埋め尽くす室内は、さながら宇宙船のコックピットのような雰囲気だ。画面に映し出されるのは、JFEエンジが建設したごみ焼却炉や廃棄物発電所など国内外の約70のプラントの稼働状況だ。現地に設置したセンサーからネット経由で吸い上げたガス流量や発電量、プラント内の画像などが刻々更新されていく。

 JFEエンジは2003年から一部のゴミ焼却炉の遠隔監視を始めたが、GRCの開設以降、国内施工の大型プラントの大半が監視対象となった。故障や不具合をいち早く把握し、早期の復旧や稼働の安定につなげる。昨年11月にはGRCで集約したデータを解析する独自システム「プラッチェロ」の運用も始めた。プラント稼働データの分析を通じて、発電量や故障の予測などにも取り組む。

 「人口が減少するなか、国内で設計から建設、運営までを手掛ける公共プラントの新規案件は減少している。既設プラントの運営サービスの付加価値を高めていきたい」とGRC運用管理室の妹尾光敏室長は強調する。

 今年から新たに港湾設備の監視も始める。近く東京都や横浜市の港湾に設置した荷揚げ用クレーン設備について、電流量やつり上げ重量の情報を収集。GRCで分析して効率的なメンテナンスにつなげる。GRCが監視する施設の数は今年度に80に達し、20年度には100の大台に乗る見通しだ。

 現在、GRCで監視するプラントはすべてJFEエンジが施工したもので、遠隔監視サービスの対価は納入先からメンテナンス費用として徴収している。妹尾室長は「将来的には他社施工のプラントをモニタリングの対象に含めたり、プラッチェロが分析したデータをベースに、効率的な稼働方法を提案するコンサル的なビジネスの展開も検討したい」と話す。

 近年、日立製作所や独シーメンス、米ゼネラル・エレクトリック(GE)など、重電各社が独自のIoTプラットフォームの整備を進めている。各社とも関連するハードの販売に加え、収集したデータを分析する付帯サービスに力を入れる点では共通する。

 IoTデータは量が増えれば増えるほど分析の精度が高まることもあり、プラットフォーム間で顧客の囲い込み競争も激しさを増す。

 規模で勝るライバルに対抗するにはGRCが監視する施設の量的拡大とともに、集めたデータの活用法やサービス面の独自性を高めることが重要になりそうだ。(松井基一)

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