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西日本豪雨1年、企業、災害対策広範に、中小は道半ば。

[ 2019年7月6日 / 日本経済新聞 朝刊 ]

 中四国に大きな被害をもたらした2018年7月の西日本豪雨から6日で1年を迎えた。事業活動も打撃を受け、教訓から中国地方などに拠点を置く企業はサプライチェーンの点検や「事業継続計画(BCP)」の策定を進める。今週も九州南部で記録的な大雨となった。豪雨への備えも企業のリスク対策として重みを増している。

 マツダは2次取引先など取引のあるすべての部品会社のリスクの洗い出しを今春から始めた。1年前の豪雨で同社に直接の被害はなかったが、取引先の部品メーカーの被災で生産の一時停止を余儀なくされた。菖蒲田清孝取締役専務執行役員は「これだけ広範囲の被害は全く想定外。取引先への影響を見通せていなかった」と反省する。

 部品会社について生産拠点の分散度合いや代替生産のしやすさなどからリスクの強弱を判断。リスク度の高い部品は同業者の肩代わりや海外からの調達など対策を練り、影響を最小限に抑える。

 半導体製造装置のディスコは呉工場(広島県呉市)が断水し、稼働が一時停止した。被災しても早期に事業を再開し、稼働を安定できるよう、敷地内に井戸を掘り始めた。操業に水が不可欠なため、独自の水源を確保する。同じ呉市内の桑畑工場でも19年度中に完成を予定する新棟の地下に貯水槽を設ける。

 イオンリテール中四国カンパニー(広島市)は営業するスーパーに防災用の電源を整えた。中四国の全39店舗に簡易型発電機を導入した。店舗が停電しても情報収集や他店への連絡をしやすくする。被災状況を速やかに把握し、商品・物資の調達や移送などにつなげる。

 ただ、BCPの策定は大手では進むが、中小企業も含めると道半ばだ。帝国データバンク広島支店が5月、中国5県に本社を置く525社に調査したところ、「策定していない」との回答が半分近くを占めた。「BCPについて十分理解できていない」(山口県の鉄鋼製造)、「目先のことに追われ余裕がない」(岡山県の繊維製品製造)といった声もあるという。

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