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セキュリティー対策ソフト――上位は減少、迫るMSの影(点検世界シェア)

[ 2019年7月19日 / 日経産業新聞 ]

 米IDCによると2018年のセキュリティー対策ソフトの販売額は約318億4845万ドル(約3兆4290億円)と前年比で9・9%増えた。トップ5の顔ぶれ、順位に変動はなかった。ただ各社のシェアは頭打ちの感が否めない。新技術を武器にした新興企業の相次ぐ参入や、米マイクロソフト(MS)の台頭が背景にある。

 首位の米シマンテックと2位の米マカフィーは、パソコンなどの端末のマルウエア(悪意のあるソフトウエア)対策ソフトで大きなシェアを握る。セキュリティー対策ソフトの販売額の多くを端末用が占めることもあって、前年に引き続き上位に入った。

 3位の米IBMはID管理ソフトやコンピューターの動作記録(ログ)を分析してサイバー攻撃を特定するツール「SIEM(シーム)」に強みを持つ。5位の米デルもグループにID管理大手の米RSAを抱える。4位のトレンドマイクロは、サーバー向け対策ソフトで存在感が大きい。

 ただ、トレンドマイクロのみ微増だったとはいえ、各社のシェアは頭打ちの状態だ。要因の1つは人工知能(AI)のような新技術を駆使する新興企業の参入だ。ソフトバンクが出資する米サイバーリーズンや、ビッグデータ分析で培った技術をシームに応用した米スプランクなどがある。

 もう1つの要因がMSの台頭だ。18年は2つ順位を上げ、7位に入った。同社のジュリア・ホワイト副社長は「年間10億ドル規模をサイバーセキュリティーに投資している」と明かす。

 MSの影響を象徴するのが個人向けマルウエア対策の環境変化だ。基本ソフト(OS)「ウィンドウズ10」がマルウエア対策機能を標準搭載し、専用ソフトの必要性が揺らいでいる。

 シマンテックやマカフィーも個人向けマルウエア対策ソフトでは、フィッシング詐欺防止などの新機能を盛り込み、顧客のつなぎ留めを図っている。それでも、MSが今後の台風の目となるのはほぼ確実だ。

(島津忠承)

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