日経メッセ > SECURITY SHOW > ニュース > 取引先のBCP策定支援、紀陽銀、専門人材が指南。

日経の紙面から

取引先のBCP策定支援、紀陽銀、専門人材が指南。

[ 2019年8月2日 / 日経産業新聞 ]

 【和歌山】紀陽銀行は取引先企業を中心にした事業継続計画(BCP)のコンサルティング事業を強化する。同行が地盤とする和歌山県は南海トラフ地震の被害が懸念されており、紀陽銀自らが策定支援などに当たるのが特徴だ。今後3年で100件の支援を目指す。

 紀陽銀は取引先の安全を確保するとともに、新たな収益源にもする狙い。中小企業庁は「地銀関係者は外部講師などと違い、地元の事情や顧客企業の業務に精通しているため、適切な助言がしやすい」と評価している。

 紀陽銀行でBCPのコンサルティングにあたるのは、子会社の紀陽リース・キャピタル(和歌山市)の社員3人。いずれも特定非営利活動法人「事業継続推進機構」が認定する「事業継続主任管理士」の資格を取得し、BCPには何が必要なのかなどの専門知識を持っている。

 同社は紀陽銀行の取引先を中心にセミナーや個別相談を実施。業務内容などからBCPの弱点を指摘し、改善を助言する。BCPを策定していない企業に対しては、実効性の高い計画づくりを助ける。災害発生を想定した訓練も実施する。今年3月末時点で82社のBCP策定を支援した。

 紀陽銀は昨年、取引先にBCPについてのアンケート調査を実施。BCPを策定済みの企業がそもそも少ないうえ、策定していても実効性に問題がある事例が多いことが分かった。例えば大規模災害の発生時に取引先に連絡をとるよう定めていても「誰がいつまでに、どのようにして連絡するのか」を決めていない企業もあるという。

 紀陽リース・キャピタルは「いつまでに製品を納入できなければ取引を他社に変更されてしまうのか」など具体的な計画の策定ポイントを指南、計画の実効性を高める。

 実際にコンサルを受けた和歌山市内の取引先企業は「単に防災に役立つだけでない。日ごろの業務を見直すことで本社と工場の連絡業務の無駄を省くなど仕事の効率化にもつながった」と話す。

 紀陽銀行がBCP策定支援を強化するのは、南海トラフ地震への危機感がある。和歌山県でも甚大な被害が予想されており、取引先が事業を継続できなくなれば、銀行自体の存続にかかわる事態になりかねない。

 地方銀行は超低金利と地盤となる地域の人口減少で経営環境が厳しい。紀陽銀行は2018年度から始まった中期経営計画で、M&A(合併・買収)支援や事業承継支援など中小企業へのコンサルティングに力を入れている。BCP策定支援も銀行自らが手がけることで、顧客サービス強化につなげる考えだ。

ニュースの最新記事

PAGE TOP