日経メッセ > SECURITY SHOW > ニュース > 防災・防犯特集――対策製品が続々、浮くシェルター、無電力で水浄化。

日経の紙面から

防災・防犯特集――対策製品が続々、浮くシェルター、無電力で水浄化。

[ 2019年8月30日 / 日経産業新聞 ]

 毎年のように起きる水害。企業各社も水害に対応した新たな製品やサービスを投入している。

 セコムは企業や家庭向けに2人用の水に浮くシェルターを販売している。扉を閉めると水に浮き、30トンの荷重にも耐えられる。壁や落下物から利用者を守る。

 中にはヘルメットやライフジャケットのほか、携帯酸素ボンベなどを備える。扉を閉めて5時間ほどは酸素がもつ仕様になっている。

 本体価格は運搬・設置費用を含めて約200万円。月900円の位置特定サービスに加入すれば、万一のときにセコムの警備員が位置情報を基に救助に駆けつける。

 2018年の西日本豪雨の際には、中国・四国地方を中心に広い範囲で断水が起きた。水処理で国内最大手のメタウォーターは電気を使わずに、足踏みポンプで水を浄化できる装置を製品化した。数人で運べる大きさで、自治体にも貸与する。

 上下水道設備などで物質の分離に使うセラミック膜を活用した。雨水や川の水を膜の入った長さ1メートルの筒に入れると、泥土を多く含んだ水でも風呂や洗濯など生活用水レベルまでろ過することができるという。

 積水化学工業は自社で手掛けるスマートハウスの「スマートハイム」で断水時でも飲料水を24リットル確保できるようにした。

 タンクを床下に設置するため、居住スペースを圧迫しない。日々の給水で中の水を入れ替えることから、常に衛生的な水質を保てるという。

 この他、浸水で故障しないよう、蓄電に使う装置を2階のバルコニーに設置できるようにした。

 矢野経済研究所の17年の予測では防災関連システムを含む危機管理ソリューションの市場規模は21年度に1兆632億円と15年度比で2割以上拡大する見込みだ。市場の広がりを受けてスタートアップ企業も関連製品の開発に参入している。

 農業・環境関連システムを手掛ける新興のイーラボ・エクスペリエンス(東京・渋谷)は4月、洪水を通知するシステムを発売した。河川の水位を計測し、洪水被害が想定される場合に自治体に通報する。

 中小規模の河川を中心に採用を目指し、価格は30万円台に抑えた。

 気象庁によると1時間の降水量が80ミリメートルを超える気象状況の年間発生件数は、1976〜85年には平均で年11回だった。それが08〜17年には年18回に増えている。もはや水害は「まさか」の事態ではなく、個々人の備えが必要になっている。

ニュースの最新記事

PAGE TOP