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成長強化・防災で経済対策、首相、策定指示へ、当初予算100兆円超え。

[ 2019年11月1日 / 日本経済新聞 夕刊 ]

 安倍晋三首相は大規模災害や来年夏の五輪後の経済成長を底上げするため、経済対策の策定を近く指示する。2019年度補正予算と20年度当初予算を一体編成し、それぞれに対策費を積む。当初予算は2年連続で100兆円を超す公算が大きい。潜在成長率の引き上げと財政再建の両立が課題となる。

 経済対策の策定は16年8月以来、3年ぶり。首相の指示を受け、各省が12月上旬までに具体策を詰める。与党内には国の財政支出は5兆円程度との見方がある。政府は国内外の経済情勢を見極めて判断する。緊急性のある経費は補正予算に、来年度にまたがる事業は当初予算に振り分ける。

 消費増税を翌年に控えて編成した19年度予算は約2兆円の増税対策枠を計上し、総額101・5兆円と史上初めて100兆円を超えた。

 20年度予算案は社会保障費の伸びも見込まれており、引き続き100兆円超の大型予算となる見通しだ。

 台風19号の被害を受けた防災インフラ整備や被災地の復旧・復興を優先課題と位置づける。今回の台風では東日本の広範囲で河川の堤防が決壊し、多くの被害がでた。決壊はしなかったもののリスクが顕在化した河川などを見直し、拡幅工事や堤防の増強を実施する。ダムの治水機能の強化もあわせて検討する。

 20年度までの3年間で総事業費7兆円規模のインフラ整備事業をまとめた国土強靱(きょうじん)化計画も見直す。台風で1000億円超の被害を受けた農業の支援策や製造業など中小企業への補助金も計上する。観光業の風評被害対策も盛り込む方向だ。

 経済成長率の低迷を受け、来年夏の五輪後を見据えた成長力の底上げに取り組む。

 個人消費対策では増税対策として導入したキャッシュレス決済のポイント還元制度の拡充を検討する。同制度は1日平均10億円分のポイントが消費者に還元されており、予算の原資が不足する可能性がある。予算の追加投入に加え、来年6月までの期間の延長の是非などを詰める。

 中小企業の生産性向上に向けたIT(情報技術)や人工知能(AI)の導入支援策を講じる。政府は来年の年金改革で、パートなど短時間労働者の増加にあわせた厚生年金の適用を拡大する方針だ。中小企業には保険料負担がのしかかるため、負担を軽減する。

 日本が米国と合意した日米貿易協定では、国内の農業支援を打ち出す。政府は国内の農林水産物の生産減少額を約600億〜1100億円と見積もる。米産の輸入関税を引き下げる牛肉や豚肉、乳製品などで輸入拡大を見込む。国内畜産業や関連流通業の競争力強化策を盛り込む。

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