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事業継続計画策定、医薬・石油が先行、運輸・電力など動き鈍く。

[ 2009年1月16日 / 日経産業新聞 ]

 日本経済新聞社が人と防災未来センターと共同で実施した主要企業の新型インフルエンザ対策調査では、事業継続計画(BCP)の策定状況が業種によって大きな差が開いた。医薬品や石油業界などが先行する一方、運輸や電力、食料品などは動きが鈍く、大流行時に社会機能を維持できるか課題が残る。(1面参照)

 厚生労働省は新型インフルエンザの大流行(パンデミック)の際、電力・ガス・通信などのインフラ業種に加え、食料品や洗剤など生活必需品の製造や物流も「広義のライフライン業種」と位置づけ、事業継続に最大限の努力を求めている。

 BCP策定に最も積極的なのが医薬品業界。回答企業すべてが「導入済み」または「予定している」と答えた。抗ウイルス薬などの供給に備えるほか、大手各社が慢性病治療薬の在庫積み増しに動いている。

 エネルギー関連でも石油連盟が業界として今年末までにBCPを策定する。米英などでは二〇〇一年米同時多発テロを機に平常時の取引先選びにBCP策定を条件とする企業が多く、グローバル展開する化学や電機大手も導入に意欲的だ。

 半面、運輸や電力は策定予定を含めて五一%と低調。公共交通機関では流行抑止のため行政が乗車制限などを指示する公算が大きく、企業自身の判断で対策を作りにくい事情があるようだ。

 食料品もパンやめん類、冷凍食品などで消費者の買いだめが予想される一方、原材料の輸入が止まる恐れもあり、「需給動向が読めないため計画づくりが難しい」(食品大手)などの声が出ている。

 非営利組織(NPO)法人、事業継続推進機構の丸谷浩明理事長は「社会機能維持にかかわる企業が業務停止に陥ると、市民生活や産業活動への影響が大きく、業界が連携して対策づくりを急ぐ必要がある」と話している。

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