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防犯に効果的な色は?(裏読みWAVE)

[ 2009年2月10日 / 日経プラスワン ]

 色彩は人間の心理に様々な影響をもたらすものだ。たとえば夜中の火災現場。消防車やパトカーの赤色回転灯を見て、何だか気が高ぶってしまった経験はないだろうか。「赤」には人間の神経を刺激し、興奮させる効果があるからだ。

 これとは逆に気持ちを静めるのが「青」――。二〇〇〇年、英北部のグラスゴーで景観改善のためにオレンジ色の街灯を青色に変えたところ、犯罪発生率が激減したと報じられた。このため日本でも青い街灯を導入する自治体が急速に増えつつあるという。

 先駆けは〇五年。奈良県警の働きかけで同県内に導入すると、犯罪件数が約一五%減少した。色彩心理学に詳しい元永しずかさんは、青には(1)心拍数や血圧を安定させ、気持ちを落ち着かせる(2)光がより遠方まで届き、目立ちやすい――などの効果があると説く。

 さらに「街灯の色を変えることで地域ぐるみでの防犯意識が高まるし、犯人も目立つ場所での犯行は避けたいという心理が働くので防犯につながる」と元永さん。青色の防犯灯は〇七年三月末で三十七都府県に広がっている。

 この青色灯の効果に目を付けたのが鉄道会社だ。JR西日本が阪和線などの踏切に、また京浜急行電鉄が弘明寺駅(横浜市)のホームに導入すると、飛び込み自殺などを大幅に抑制する効果があったという。青の鎮静効果や人目を避けたい心理が働いたようだ。

 課題は明るさ。警察庁の基準では、街灯の照度は四メートル先の人が識別できる三ルクス以上が好ましいとされる。だが青は白より暗く感じることが多く「顔や服装が判別しにくい」「防犯カメラの映りが悪くなる」などと指摘する声もある。

 また色の好みから「冷たい」「怖い」などと不満を持つ層も少なくない。まだ改善点はあるかもしれないが、色彩の心理効果はうまく活用したいものだ。(編集委員 小林明)

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