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守りのテク(1)体力不問の護身術(くらし変化球)

[ 2009年2月17日 / 日本経済新聞 夕刊 ]

 ヤァッ!――。武道場に生徒たちの声が響く。腕をつかまれたときに遠心力を使って振りほどく「せんたくき」、口を覆う手をはがす「とびら」など、愛称付きの護身術を二人一組で学んでいく。

 一月中旬、愛知県小牧市立篠岡中学校の一年生約七十人が参加した「自分を大切にするための授業」の一コマ。授業を受けた鈴木沙也佳さん(13)は「危ないときに技を出せるよう家でお姉ちゃんと練習します」と熱心だ。

 小牧市教育委員会は二〇〇六年度から、市立の全小中学校に通う小一、小四、中一に護身術を教える。講師を務める非営利団体、セルフディフェンスコミュニケーション開発(愛知県江南市)の青嶋宮央代表理事(44)は「体格の劣る子どもでも簡単に覚えられる内容」と話す。〇八年度は中部地方を中心に年約三百回と、二年前の三倍近い授業や講習会を手掛けた。

 相手がナイフを持っていたら? 暗闇で襲われたら?――。イスラエルで開発され、米連邦捜査局(FBI)も採用する「クラヴマガ」は急所の攻撃もいとわない戦闘術だ。スタジオで教えるクラヴマガ・ジャパン(東京・千代田)の会員約千人の四割は女性という。

 ほぼ週二回通う会社員の下村沙織さん(26)は高校時代、不審者に後をつけられ、怖い思いをした経験がある。始めて半年ほどで、自身も驚く変化があった。駅構内で不自然な角度でカメラ付き携帯電話をかざしていた男を呼び止め、追い払うことに成功したのだ。「いざというときに勇気が出るようになったのかも」

 痴漢や家庭内暴力に苦しむのは圧倒的に女性だ。カナダ生まれの護身術「WEN―DO(ウェンドー)」を紹介するインストラクター、大沼もと子さん(53)は「犯罪者はおとなしそうな女性や子どもを狙う。護身術を学んで自信を身に付けてほしい」と説く。

 危険がいっぱいの世の中。自分や家族、財産を守るための工夫を追う。

【図・写真】外部講師を招いた授業で、護身術を学ぶ中学生(愛知県小牧市の篠岡中学校)

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