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安全装置開発で提携、エレベーター30社、規制強化に対応――仕様を共通化。

[ 2009年4月8日 / 日本経済新聞 朝刊 ]

誤作動防止など 仕様を共通化

 エレベーター製造の中小各社が安全管理技術の開発で提携する。誤作動防止装置などの仕様を共通化し、公的な認定も共同で申請。開発・申請にかかるコストを分担する。政府は相次ぐ事故を受け、メーカー各社に厳格な安全性能基準を示し、機種単位で認定取得を義務付ける方針。多品種少量の特殊品が主力の中小には負担が大きく、業績に大きな影響を与える懸念があった。中小連携で生き残りの道を探る。

 中小各社が共同開発するのは、扉が開いたままかごが動くことを防ぐ安全装置や、ブレーキが故障した際にエレベーターの昇降を止める補助ブレーキなど。国土交通省は九月に施行する改正建築基準法で主要装置の明確な性能基準を盛り込み、基準に届かない製品は販売を認めない。

 まず八日に共同開発の受け皿となる協議会が発足。国内に中小エレベーター会社は百社程度あるが、このうち冨士エレベータ(東京・千代田)やアイワ(大阪・西区)など最大で三十社程度が参加する見通しだ。

 参加企業は自社製品の技術データを持ち寄って安全装置の共通仕様を策定、国交省の関連機関に共同で認定を申請する。認定取得後は各社が仕様に合わせた製品を設計し顧客に提案することで、認定取得件数を大幅に減らせる。

 検査に必要な設備も共同で使用する。性能分析で使う試験塔は、エレベーターの主要部品である巻き上げ機製造の三栄製作所(埼玉県杉戸町)が提供する。

 開発費用を確保するための共同基金も作る。参加企業が事業規模などに応じて数百万円ずつ拠出。研究開発資金のほか、認可申請にかかる諸経費なども基金で賄う。

 エレベーター業界では、日立製作所や東芝エレベータなど大手エレベーター五社がビル向けなどの量産品を主力としている。中小各社は主に小型の家庭用や、工場の大型貨物運搬用、舞台装置などの特殊製品を得意としている。

 法的に義務付けられた安全装置は各製品に搭載しているが、仕様は顧客の要望に合わせるためまちまち。法改正で受注製品ごとに認可取得を求められれば、費用負担だけでなく関連作業に人手をとられ、業績に影響を与える可能性があった。

【表】新安全基準で対応が義務づけられた安全装置      

〓〓   「建築基準法施行令の一部を改正する政令」より。9月28日施行   〓〓

○扉が開いたままかごが動くことを防ぐ装置

○通常使用するブレーキが故障した際の補助ブレーキ

○地震の波動を検知して最寄り階などの戸の位置に自動停止する装置

○人や物が昇降路に落下するのを防ぐための昇降路出入り口の施錠装置

○エレベーターのおもりに人や物が触れないようにする出入り口の構造

○震動による被害が出ない制御機器や滑車の構造

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