「JAPAN SHOP 2003(第32回店舗総合見本市)」は3月4日(火)午前10時より開場となり、春一番の余波と思われる強風にもかかわらず、予想以上の来場者で賑わった。長引く不況の中、来場者の減少が心配されたが、このような時代だからこそ売り上げを伸ばすためのアイデアを求めてやってきた、という来場者の声も多い。一方、出展者側で目をひいたのが、「商空間をいかにデザインするか」といった直接的なものに加え、人の健康や地球環境にも配慮した提案が増えていることだ。これは、社会一般の動向はもちろんのこと、7月1日の「建築基準法」改正に伴う内装材への規制を見越した、企業側の姿勢の表れである。これから来場される方は、このような新しい傾向を踏まえたうえでご覧いただきたい。

初日から出足のよい「JAPAN SHOP」会場。
流通関係者だけでなく他の業種の来場者も数多く訪れていた。
健康を意識した提案としては、ホルマリンなどの有害な化学物質の発生が極めて少ないものやこれらの有害物質を吸着する内装材、従来のように金属やプラスチックではなく木質素材を用いた什器、防汚・抗菌効果の高いファブリックなど。
一方、地球環境に関しては、リサイクルが容易で環境負荷の少ないものなどが挙げられる。こうしたことは、住宅では以前から対応していたが、近年では、店舗関連業種でも重要視されるようになったようだ。この点については、以下に来場者の声も紹介しよう。
「当社でも、シックハウスを意識した商品を積極的に取り扱うようにしなければいけない」と痛感したという内装関係の卸売業の女性社員。
また「印刷技術が向上して、森の中にいるかのような雰囲気を醸し出す内装材が簡単に作れるようになっていますが、安らぎを求めているのであれば無垢材をもっと生かせばよい」という木工関係の経営者の方は、「法改正が行われるからといって安全な素材を使うのではなく、本質的なところも考えてほしいですね」と少し辛口の声も。
いずれにせよ、「人の健康や地球環境への配慮」に関しては、来場者も敏感に察知していることがうかがえる。
このほか、感想や出展者への提言も聞かれたので併せて紹介しよう。
「『JAPAN SHOP』だけでなく、他の展示会と併せて見るとことで参考になることがありました。とくにソフト面が充実してきたように思います」という200店舗を超える飲食店を統括するバイヤーの方。「これまで枠にはまったものばかりでしたが、居酒屋などの業態に適したものも出てきましたね。でも、できればブースを見たときに概略だけでもわかるように工夫をしてほしいものです」。
また「一般的な情報を収集しに来たのですが、新しいものを把握することでいろいろ刺激を受けました。前回に比べ活気を感じますよ。景気も上向いているんじゃないでしょうか」という卸売業の企画担当部長は、「あえて言うなら、コンパニオンの数を減らして社員を増やせばよいと思うのですが。このような展示会は社員教育の場として最適。顧客が何を求めているかを、社員自身が身をもって知ることができる絶好の機会ですからね」という。

木質素材を用いた陳列什器などの新商品を提案している岡村製作所のブース。
目新しい商品に、来場者の関心も高いようだ。

健康や地球環境に配慮した内装材を提案しているアイカ工業のブース。
商品アイテムも多く、バラエティーに富んだ商空間づくりに対応している。