JAPAN SHOP 2004 会場レポート~その1~什器デザインに意匠性へのこだわり

3月2日(火)、「JAPAN SHOP 2004(第33回店舗総合見本市)」が始まった。午前10時の開場時点で既に人の流れができているなど、出足は好調だ。毎年訪れるという島根県の技術者から、「この3月に店舗部門に配属されたので、勉強のために来た」と語る流通関係者まで、幅広い層の店舗関係者が"商空間デザインの今"を求めて足を運んでいる。

今年の出展規模は昨年に比べて大幅に拡大、185社619小間を数え、同時開催全展では過去最高規模となっている。商環境づくりのプロが集まる場にふさわしく、工夫をこらし訴求力に富んだ演出が随所に見られた。

まずは初日の会場の様子から、今年の出展内容の傾向を見ていこう。




JAPAN SHOP 2004の会場前に作られた
ウエルカムプレゼンテーション「DNAの樹」
(特別協力:日本ビジュアルマーチャンダイジング協会)


 ディスプレー什器に新機軸を持ち込んだいくつかの提案が印象に残った。共通するのは、意匠性へのこだわりだ。


 ブースのデザインから異彩を放っているのが玉俊工業所。白い壁面で囲まれた展示空間は、壁全体に細い水平のリブが幾重にも走る。実は、この壁そのものが新製品で、リブの下からアクリルの棚板やフックが垂直に突き出している。「EXTO」シリーズは、シンプルでスマートな意匠が何よりの売りだ。




ブース全体が印象的なデザインとなっていたのが玉俊工業所。
「EXTO」シリーズは、リブの下部に設けた凹みに
棚板やフックを引っ掛けて支える仕組み


 什器を建築に溶け込ませることで高い意匠性を得ているのがEXTOシリーズなら、什器自体の意匠性を打ち出していたのが伊メタルシステム社の「システムラック」(輸入販売はアスプルンド)。亜鉛メッキで仕上げた独特の仕上げの効果で、空間演出の一要素としても役立ちそうだ。また、コクヨが発表した"光る棚板"「フラシェルフィ」も興味深い。アクリル板の下面全体に細いV字の溝を掘り、横面から当てた照明によって板面全体を光らせる方法によって、幻想的なディスプレーを演出する。


 これら意欲的な新製品群の登場は、商環境デザインにおける什器の重要性を改めて感じさせた。




LEDを中心に、様々な演出照明の可能性を提案する展示も目に付いた。
写真はエフェクトメイジ


 その他のアイテムでは、やはり活況を呈しているのが照明関連の製品だ。ここ数年、ランニングコストが低く輝度の高いLED(発光ダイオード)を用いた照明デザインに対する関心が年を追うごとに高まっている。


 「数年前と比べて価格が3分の1程度になっているという印象ですね。今までは高くてなかなか手が出なかったけれど、ようやく日常で使える段階になってきたようです」とは、ある照明工事会社の営業担当者の感想。ネオンサイン、映像ディスプレーなど、動きや情報を伴った環境演出にLEDが加わることで、商空間デザインの可能性がさらに広がっていくのは間違いない。


 最後にもう一つ。商空間デザインや商環境におけるプロダクトで欠かせなくなっている視点に「ユニバーサルデザイン」がある。今回のJAPAN SHOPでは新機軸として特別企画「ユニバーサルデザイン ビジネス」を用意し、ユニバーサルデザイン関連の商品やサービスを紹介している。




特別展示の一つはユニバーサルデザインがテーマ。
ユニバーサルデザイン関連の商品に加え、
ウェブサイトデザインのコンサル企業やユニバーサル建築についての展示も


 もっとも、ユニバーサルデザインを特別なモノと考える必要はない。特別企画として出展している企業以外にも、ユニバーサルデザインの身近なヒントを感じさせてくれる展示はあった。ベビーシートやベビーベッドなどを展示したメーカーの新商品では、母親が片手でも操作できる工夫や点字表示を取り入れている。「赤ちゃんを持つ母親の外出意欲は高まっています。集客の向上を狙うなら、彼女たちのニーズを汲み取る努力は欠かせません」とマーケティング担当者は言う。




ユニバーサルデザインの視点を盛り込んだ商品開発は一般展示でも見られた。
コンビチャチャが5月に発売予定のベビーシートは、
片手での操作性や点字の導入に工夫が施されている


 「特別な人たちにも門戸を広げる」というようなお仕着せ風の視点ではなく、自分のマーケット拡大のために何をすべきかという視点が、結果的にユニバーサルデザインへと結びつくのではないだろうか。そんなことを改めて考えながら、会場を歩いた。




日本商環境設計家協会(JCD)のブース
「商環境デザインのこれから―デザインで、できること」。
JCDデザイン賞の受賞作品などを展示


 (ライター/守山久子)

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