建築・建材展 2004 会場レポート2(3月4日)~時代背景を映し出す新しい商品・技術~

3月4日、「建築・建材展2004」も3日目を迎えた。午前10時半頃から来場者が増え、登録所には長蛇の列ができるほど。この展示会に対する関心の高さがうかがわれる。さて、今回は220の出展社(過去最大規模)の中から、これまでになかった目新しい商品や技術を中心にレポートしてみた。健康を意識したものが多いようだが、省エネ、省コストという課題にもチャレンジしたものもあり、来場者も興味深げだ。会期も残すところあと1日。仕事に追われ行きそびれている方は、ぜひこの機会をお見逃しなく。




3日目の「建築・建材展2004」会場。
朝から多くの来場者で賑わい、出展社からはうれしい悲鳴が。
不況の時代に、光明を見いだそうという期待感が感じられる。


■永久的セルフクリーニングタイル

 汚れに強く経年変化の少ないタイルだが、決して汚れないわけではない。ときにはクリーニングも必要となる。そこで、ここ数年来注目されているのがセルフクリーニングタイル。杉浦製陶<笠原町美濃焼振興協議会>が開発した「美濃焼CTタイル」は、電子の移動により汚れを酸化・還元分解する新しいタイプのセルフクリーニングタイルだ。従来のものは表面硬度が低いため、防汚層が摩耗しやすく効果が持続しなかったのに対し、同タイルは永久的にクリーニング効果を保つのが特徴。表面に接触するホルムアルデヒドや窒素酸化物などを分解する働きもあるので、周辺環境の浄化にも役立つという。気になる価格も、一般の外装用タイルとほぼ同じ。メンテナンスコストの節減を図ることができる新しいタイプのタイルといえよう。


■ナノテク応用の地球にやさしい塗料

 近ごろ、シックハウスの心配がない<人にやさしい>建材への関心が高まっている。そのため、塗料に関しても石油から取り出した有機成分の含有量が問題となる。水谷ペイントは、京都工芸繊維大学、科学技術振興機構との共同開発でナノテクノロジーを活用し、有機成分の使用量を溶剤系塗料の1/5に抑えた水系壁用塗料「ナノコンポジットW」を製品化。この4月1日から発売するという。有機成分の使用量が減少することで、石油資源の節約と共にこれらの製造時に発生する二酸化炭素の減少も図れる。当然のことながら、廃棄時の二酸化炭素も減少。汚れやカビに強く、難燃性・耐候性にも優れている。今後、需要が増えれば製造コストも下がることから、<地球環境にやさしい>塗料として普及するものと期待できそうだ。


■アルミ壁面を美しくリニューアル

 これまでアルミ外装材はメンテナンスフリーと言われ、クリーニングせずに汚れ放題になっていたビルが少なくない。しかし、ここにきて改修工事を行うビルが増えてきた。外装はビルの資産価値を大きく左右する重要なポイントとなるからだ。最も簡単なものは塗装だが、アルミのようなメタリックな色合いや質感を出すことはできない。かといって金属板を張るとなると、コストや工期の問題がネックとなる。その点、アルミ外装の上にメタリック調の高耐候性フィルムを直に接着する住友スリーエムの新技術「フィクサル」は、これらの問題をクリア。(財)日本建築センターの技術審査証明を取得するなど、低臭、低騒音、省廃材というメリットもある。高層オフィスビルによる2003年問題に頭を悩ませているビルのオーナーにとっては朗報ではないだろうか。


■仕上げ材のいらない調湿ボード

 珪藻土や漆喰などの自然素材と同様の調湿効果を発揮する内装下地材は、これまでにも何種類か出品されてきた。しかし、これらの<健康>をうたう下地材の上に接着剤でクロスを貼ったのでは元も子もない。三菱商事建材の「MOISS」は、調湿効果だけでなく強度に優れ加工も簡単なため、仕上げ材を必要としないのが売り。工期短縮、仕上げ材料の節減にもつながる。


■壁倍率5の耐力壁に匹敵する

 地価の高い都市部では、狭小地に住宅を建てるケースが多い。それ故、床面積を確保するために3階建てにしたり、採光を考慮して大きな開口部を設けることがある。そのような場合に威力を発揮するのが、JOCタチカワの開発した「ガッツ・フレーム構法」。大断面集成材による門型ラーメンフレームを構造計算に基づき配置し、高い強度を実現する。ビルトインガレージや開放感たっぷりのリビングなど、家づくりの可能性が広がりそうだ。


■アイテムが豊富なトルコ産大理石

 日本では需要の少ない大理石だが、欧米では床や壁などによく使われる建材だ。DERVISOGLU MARBLE社は、大理石の切り出しから加工までを行うトルコのメーカー。同業他社に比べ、19種類とアイテムが豊富。これまで、アメリカやスペインとの取引が主で、アジア地区への出展はこれが初めてとか。言葉の壁があるため、日本での販売代理店を探しているようだが、用意したパンフレットはなくなり、コピーで間に合わせているそうだ。欧米とは違い興味深いという来場者もあり、今後が楽しみである。


■美観を生かしてスリップを防止する

 タイルや石などの床材は、水濡れすると滑って危ない。そのため、表面にさまざまな加工が施されてきた。しかし、凸凹が大きくなると清掃性が低下するという問題もある。メンテックカンザイが販売している「ノンスリップマスター施工」は、表面を特殊な薬剤処理することで7マイクロメートルという極微小の穴を開け、そこに入り込んだ水と足底(靴底)との間に働く吸盤力を利用して、スリップを防止するという技術。効果は5年ほどだそうだが、見た目は元の素材と変わらないので美観を損ねず、施工も簡単。プールサイドや浴室、玄関アプローチや階段などに使用されている。

■住まい手に合わせた換気設計をサポート

 昨年7月に施行された「改正建築基準法」により、建築物の換気設備の設置が義務づけられた。しかし、換気設備を導入するにあたり、どのような機種を選定するべきか複雑な計算をしなければならない。マックスが提案する「AIRPLAN A」は、内装建材の等級や部位、設定温度、換気装置の給排気量などの条件を入力するだけでシミュレーションを行い、適した機種を選定してくれるアプリケーションソフトだ。アメダスの気象データも利用し、正確な換気計算も実現。確認申請書も作成してくれるので、工務店からの引き合いも多いという。


 このほかにも、光触媒技術を応用したものや、ガラスにフィルムを貼り付け飛散防止、遮熱、防犯を図る商品や技術が多く、トレンドや時代背景が反映されているようだ。なお、好評の「商・住空間トレンドワークショップ」(受講無料)におけるセミナーは、最終日は1コマ目が10:30から、最後の4コマ目は14:00からの開始と、1時間繰り上げられている。受講希望者は、時間を間違えないように。


 (ライター・西村弘志)

出展者を探す 出展者一覧

出展の個別相談など、
お気軽にお問い合わせください

企業・団体として出展することをご希望の場合や、
出展に関するお問い合わせは
以下からご連絡ください。
次回の「出展のご案内」資料は
「出展資料請求フォーム」からご請求ください。

※ご記入いただいた宛先に日本経済新聞社もしくは
小間の販売代理をしている広告会社などから、
出展意向の確認のご連絡や
日本経済新聞社が主催する
イベントのご案内をすることがありますので
ご了承下さい。
日本経済新聞社の個人情報の取扱いについては
「日経プライバシーポリシー」をご覧ください。

SNS

日経展示会公式アカウント
各展示会の開催スケジュールやお知らせを発信しています。