【特別寄稿】IT活用が競争力の鍵に

P&G ECRネットワーキング・マネージャー 楢村 文信氏

 


 今年も流通業界最大級のイベントである「RETAILTECH JAPAN 2005」が東京ビッグサイトで始まった。流通業における世界の大きな流れを一言で表現すると、「ITを活用できない組織小売業には未来はない」と言えるのではないだろうか。


 前々回から展示の花形となった無線ICタグのソリューションは今年も一つの目玉であり、当面主要なテーマとして「RETAILTECH JAPAN」を賑わせてくれるだろう。

 昨年はストア・イマジネーション2009という主催者企画で、この無線ICタグやマルチメディア端末などを活用した未来型店舗サービスのテーマ展示を行った。

 2004年度には経済産業省の事業の一環として流通業の中では新しい店舗サービスの試みが実現された。さらに、昨年12月から経済産業省では未来型店舗サービスに関する研究会が設立され、有力小売業が参加している。

こういった流れを受けて、先週の国会ではIT戦略の一環である無線ICタグの普及という話題の中で、昨年の「RETAILTECH JAPAN」でこのストア・イマジネーション2009が話題にのぼった。


 過去に様々なソリューション・コンセプトが登場し、話題になっては消えていった。その原因として私自身が問題として感じているのはファンダメンタルの問題である。未来型店舗サービスは、カテゴリーマネジメント、CRM(FSP)の延長戦にあると考えている。そうでなければ、マルチメディア端末は単なる映像モニターで、買い物客から見れば売り場に置かれているテレビデオと同じである。

 買い物客に対してインタラクティブに、個別サービスが実現できた時に、大きな差別化のツールとなる。カテゴリーマネジメントやFSPの分析の過程で得られる顧客に関するナレッジをベースに、顧客プロフィールにあわせたサービスを新しい端末の中で実現できるかどうかということである。


 


 この未来型店舗サービスを支えるコンセプトが今回の主催者企画「インテリジェント・リテール」である。

 より細かい顧客サービスを効率よく、レスポンスよく提供するためには、データの活用が鍵となる。POSシステムの登場以来、小売業でのデータ活用の可能性が歌われてきたが、効果的な活用という意味ではまだまま不十分である。

 この理由の一つには、データの積み上げ方の発想でデータ活用を考えてきたことに問題があると考えている。むしろ、ビジネス上の目指す成果があり、そのためのどのような意思決定を行うのか。その意思決定を行うためにどういうデータ(情報)をどのような視点から分析するのか。このように、ビジネスクエスチョンから始まるデータ分析モデルがあり、それを支えるツールとしてIT活用を考えていかなければならないのではないだろうか。

 DBやDWHの柔軟性の強化や、XMLなどのデータ記述言語などテクノロジーの進化は、こういった考え方をサポートする方向性に向かっている。


 IT化の進化は様々な情報をデータとして使える環境に向かっている。政府の統計データなどはその典型であろう。10年前は紙ベースの資料でしかなかったものがインターネットで簡単にダウンロードできるようになっている。最近ではXML化された地図情報が提供されている。市販化されているデータには様々なものが存在している。

 ビジネス目的に沿った適切な判断を行えるように、どういう事実から判断するかということを考え、そのためのデータを集めるというアプローチが可能になっている。

 また、今ままでは見えなかったことを知ることもできるようになっている。顧客の店に対するロイヤルティの強さや、もたらす利益。必ずしもお店によく来るお客が利益をもたらしてくれるわけではない。たまにしか売れない商品が、実は強いロイヤルティをもった重要顧客の来店理由かもしれない。FSPなど認識技術の進歩がこれを支えている。顧客ごとのの購買傾向を理解することで、最適な販売促進方法が考えられる。そしてその方法を具体化する上で様々な端末を活用するのが未来の小売業の姿である。

 このようなケースでも、ビジネスクエスチョンから始まるデータ活用のアプローチが活用できる。このようなアプローチは、データが山のように存在する中で、効率的なデータ活用をするためにも重要である。


 「インテリジェント・リテール」のステージでは、一線で活躍中のコンサルタントが、マーケティング、MD、SCMなどを実現する上でのエッセンスを紹介している。さらに、協賛のITベンダーから、データ活用を実現するためのソリューションの紹介も行われている。本企画コーナー以外でも、会場内の各社のブースでも、最新のデータ活用に関する事例やソリューションを見ることができる。

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