事業内容
株式会社フェイガーは、生産者と協力し、農業由来カーボンクレジットの生成から販売までを一貫して手がける企業である。「環境価値市場の創出」と「持続可能な農業体系の構築」を掲げ、気候変動の「緩和」と「適応」を二つの事業軸としている。
「緩和」を担うカーボンクレジット事業では、フェイガーが主体となってプロジェクトを組成し、全国の生産者が参加する形で運営している。自治体やJA等と連携して参加生産者の拡大を図り、生産者への導入支援、データ収集、モニタリング、申請・認証手続きから、生成したクレジットの買取・企業への販売までを一貫して担う。
現在は、水稲栽培における中干し期間の延長によるメタン排出削減や、バイオ炭の農地施用による炭素貯留に取り組んでいる。茶園では、施肥方法の変更によって一酸化二窒素(N₂O)の排出を削減するプロジェクトの登録を完了しており、畜産分野でのクレジット生成も予定するなど、対象分野の拡大を進めている。
2025年度は、全国1,776戸の生産者、36,436haの農地と連携し、225,735t-CO₂のクレジットを生成した。2026年3月には、農業分野で初となる20万t-CO₂超のJ-クレジット認証を取得している。企業への販売を待たず、認証されたクレジットを全量買い取る独自のモデルにより、同年5月には対象となる全国の生産者への支払い手続きを完了した。
企業に対しては、カーボンオフセットに加え、地域農業の支援や地域貢献、サステナビリティ戦略に沿った活用を提案している。地域で創出した環境価値を地域の企業やイベントで活用し、その対価を生産者や地域へ還元する「環境価値の地産地消」も推進する。長岡まつり大花火大会で新潟県産の農業由来カーボンクレジットが活用されるなど、地域を象徴するイベントと農業支援を結びつける取り組みも展開している。こうした事例を通じて、脱炭素と地域貢献を両立させ、企業、生産者、地域の間に新たな資金循環を生み出すことを目指す。
「適応」を担う研究開発部門では、農業系の製品・技術を持つ企業や研究機関と連携し、猛暑や干ばつ、降雨パターンの変化などに対応する耐候性ソリューションや栽培技術の開発・実証を進めている。カーボンクレジット事業で築いた全国の生産者ネットワークを生かして現場実証と事業化を推進し、生産者の収量・品質・収益性の向上、持続可能な農業体系の構築、食料安全保障の強化を目指している。