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SECURITY SHOW 2010会場レポート<第2回>

セキュリティの一歩先を見つめる、安心・安全プラスアルファの新提案

 SECURITY SHOW 2010会場レポート・第2回は、出展製品やソリューション提案、参考出展などから見るセキュリティのこれからを考えてみたい。
 特に、システム統合や企業間のジョイント、複数技術の融合など、従来は個別に展開されていたものが組み合わされることによって、より以上の機能を発揮していこうとしている例が見受けられたので紹介していこう。

(ライター:西山 恵造)

統合や連係で、さま変わりが予想されるセキュリティ

 ブース全体で「統合型管理」をキーワードに展開していたのがパナソニックだ。同社ブースでは、製品の単体展示からアプリケーション展示への移行を標榜し、ID統合管理やIPセキュリティを訴求していた。
 統合型セキュリティシステムの提案のほか、IPセキュリティ統合制御システムでは、IP統合システムと既設のアナログカメラを活用したIPの統合化によって、一つのIPネットワークで双方の共存を可能にするシステム提案が行われていた。

パナソニックブースのプレゼンテーション
パナソニックブースのプレゼンテーション

 システム全体の提案に、ジオラマを使って一元管理の様子を再現していたのが、クマヒラだ。製品を6つのジオラマブースに分けて、個々のセキュリティ状況を説明したのがわかりやすく、連係の様子が手に取るように伝わってきた。
 ブース内では、モニターに映し出される顔写真を確認できる顔写真モニター機能で、警備員の監視を容易にすることで抑止効果が高まる実例や、PCログインとの連携システムも紹介されていた。そのほかにも、室内の在席者をリアルタイムで表示することよって、地震などの災害発生時に非難状況を把握できるシステムや、侵入者発生の表示・警報が起こった時の録画画像と現在のリアルタイム画像を同時にポップアップすることが可能なシステムなども紹介されていた。

クマヒラのジオラマによるセキュリティ紹介
クマヒラのジオラマによるセキュリティ紹介

企業間のジョイントによる新提案も出現

 連係はシステムだけにとどまらず、企業間の連携も行われていたようだ。表面だっていたところは少ないものの、技術提携や技術供与などで製品展開しているブースもあった。
 なかでも、ホーチキのブースでは、美和ロックやボッシュとのコラボレーション展示が行われていた。ブース内が区切られていたため、ホーチキのノウハウや技術と、カギメーカーである美和ロックの技術がプラスされた印象を強く持つことはできなかったが、いずれ連係したソリューション展開があるのではないかと予感させるものはある。

 独自展示している企業の中にも、多くの企業と連携することでさらなる展開が期待できそうなブースも目に付いた。マンション用の共連れ防止システムを紹介していた北陽電機が好例で、センサーメーカーとしての技術をうまく利用して人の流入量や混雑具合を把握し、それに応じた空調の制御や照明の制御までをも可能にしようとしている。前述の共連れ防止もセンサーの利用によって実現しているもので、他社のように共連れ防止用の小部屋を設置する必要がない辺りが新しい。
 一企業だけでは難しいかも知れないが、良好なパートナーと連係できれば、かなりおもしろいシステムの提案ができるのではないかと期待して紹介したい。

省力化を目的とした行動パターン解析

 参考出品として展示されていたものがいくつかあるなかで、行動パターン解析によって危険を検知するシステムが展示されていたので紹介しよう。

 セントラル警備保障がJR東日本と共同開発したシステムで、セキュリティカメラと画像解析から危険を感知しようとしたものだ。カメラの映像を独自アルゴリズムのソフトウエアで解析することによって異常行動を検出し、遠隔集中管理によって危険情報を探し出すシステムといえよう。実際には、駅構内などにおける管理費のコストダウンを図ることを目的としている。
 この危険検知システムは、人がいるかどうか、動いているかどうかをまず確認するようになっている。いろいろな動きがあるなかで、おかしな状況がないかを検証・確認することになるが、従来のような単純な動体感知ではない。例えば、喧嘩をしているような場合でも、そこに関わっている両者の動作状態を感知し、「イレギュラーな動作」と認識されれば「危険」と表示することになる。
 JR東日本では、駅構内でのトラブルを考えて導入していく考えのようで、今まで立ち入り禁止区域を監視するシステムはあったが、大勢の人がいるところの監視を行うシステムは存在しなかったという。
 警備員業務の一部分を機械で補えないかと考案したシステムで、最終的にはコストダウンと機械化による省力化を目指している。今年の7月から8月をめどに一般商品化を目指しており、将来的には商店街や野球場など、人が集まる場所での利用も視野に入れているという。

セキュリティを利用した新提案も登場

 今回のSECURITY SHOWで最も多かったのが、セキュリティのために取得した情報を利用して別の目的を達成しようという試みではないだろうか。既に紹介したシステムもあるが、ここではエコや見まもり介護などを中心に紹介したい。

 東芝が、参考出展で提案していたのが、「活動量推定技術」だ。画像認識によりエコとセキュリティに貢献するシステムとして、監視カメラ映像から人の動きを認識するとともに、人数・行動を認識して活動量を推定するというものだ。人がどこにいるかを把握することで、セキュリティシステムとして人を守ることになり、ビル管理システムと連係させることで、空調や照明などの無駄なエネルギーを削減することができる。
 また、人の動きの情報や室内の環境情報、エネルギーの使われ方を「見える化」することで、ZEB(Zero Energy Building)の実現に貢献するとしている。つまり、人がどこにいるかを感知して、その場の空調をコントロールするだけにとどまらず、どのように動いているかの活動量を計算して、快適な温度管理まで行おうとしている点が出色だ。

東芝ブースのプレゼンテーション
東芝ブースのプレゼンテーション

 また、アイホンでは、集合住宅の防犯とナースコール市場での経験をもとに、その融合品として「高齢者向け集合住宅システム」を提案している。高いセキュリティレベルを確保しながらも、それを利用者に感じさせず「見まもり」という感覚で安心を提供しようとしたものだ。セキュリティの別利用が、ここまで社会に貢献できることを具現化したものといえないだろうか。

アイホンの高齢者向け集合住宅システムFAGUS
アイホンの高齢者向け集合住宅システムFAGUS

 ここまでに紹介してきた製品以外にも、出色の製品が目白押しだった。

 IPカメラが大勢を占めるなか、「ValueJ」シリーズという高品質アナログカメラのラインアップを豊富に紹介していたのが日本ビクターだ。低価格で高機能というニーズに対応し、16分割して画面表示しても十分な画質を保っていることが特徴になる。

日本ビクターの16分割表示されたValueJの映像
日本ビクターの16分割表示されたValueJの映像

 また、複数のカメラからの映像をコンパクトなコントロール装置でモニタリングできる壁掛けのディスプレー装置を紹介していたのが、TOAである。ドアホンと同じような感覚で壁に取り付けられるため、占有面積が少なくてすむ。アナログ対応だが、IPに変換することも可能で既設のユーザーには朗報となろう。

TOAの壁掛型デジタルレコーダー
TOAの壁掛型デジタルレコーダー

(終)

「SECURITY SHOW 2010会場レポート<第1回>」はこちら

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