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セキュリティ産業新聞 SECURITY SHOW 2011 会場レポート(下)

 3月8日(火)から11日(金)までの4日間、東京ビッグサイトで開催された「SECURITY SHOW 2011」は、製品、システムの最新動向に加え、新たな運用例の提案、今後の方向性を示唆する展示内容が多数紹介された。映像監視分野を紹介した前回に続き、今回のレポートでは「入退管理・その他」の分野で注目された内容を紹介する。

(セキュリティ産業新聞社)

入退管理

 入退管理ソリューションを出展していた企業のブースでは、生体認証技術を用いた重要施設などへの入退管理、ハンズフリーシステム、新技術提案などが見られた。

 NECのブースでは、フィジカルセキュリティとサイバーセキュリティを融合したトータルセキュリティを提案。注目されたのが、今回の展示会で初公開された、指紋と指静脈情報を同時に読み取り認証可能とする「非接触型指ハイブリッドスキャナ」で、ID入力不要の「1対N照合」を実現した。また、NECインフロンティアの「SecureFrontiaX」(セキュアフロンティアエックス)は、ICカードおよびシステム連携により、企業内の入退管理から勤怠管理、ドキュメントセキュリティに至るまで、社内システム間の連携強化を可能とした入退管理ソリューションとして提案していた。

 ユタカ電気は、顔認証装置「EXCEL FACE」、静脈認証装置「EXCEL FINGER」、虹彩認証システム「EXCEL IRIS」といった、生体認証技術を活用した認証装置ラインナップを展示。各装置とも低価格、コンパクト化などを追求。加えて、こうした異なる認証装置を一元管理ソフト「EXCEL PRO」で管理可能とする「オフィスセキュリティ一元管理システム」も新たに展示した。

 近年の入退管理システムは、重要施設やオフィスビルへの人の出入りに限らず、様々な管理者ニーズに対応する統合管理ソリューションとなっている。ビルオーナーからの必須の要望となっている省エネは、東日本大震災後は電力消費量の抑制も求められるため、さらに重要なテーマとなっていくだろう。

 入退管理システム「ACSARAN」シリーズを展開している中央電子が今回展示したのは、次世代型出入管理システムのホストアプリケーション「ACSARAN-WNge」。基本システムは、クライアント・サーバ対応。商業ビル内のテナント単位で、独自ID管理に加えて運用サポートも行える。ビル一棟まるごとコントロールできるため、大規模システムへも対応可能となっている。

 日立グループでは、統合型ファシリティマネジメントソリューション「BIVALE」(ビヴァーレ)を大々的に紹介。従来個別に行っていたエネルギー・セキュリティ・ファシリティの管理業務をクラウドサービスにより統合。ICT分野の先進技術に加え、ビル管理に関するノウハウを融合することで、ユーザー物件の価値向上を支援する。クラウド型入退室管理サービスは、インターネットを通じての複数拠点の一元管理、ビル内テナントごとの入退室管理を実現。カード発行業務も同社カスタマーセンターでサポートする。ビル管理システムは、現地の防災センターなどに設置する管理PCだけではなく、インターネットを介して遠隔地からの管理も可能。省エネサポート、遠隔監視制御、遠隔映像モニタリングといった各サービスの拡張性も備えている。

 入退管理ソリューションへの応用が期待される新技術の提案例も見られた。

 初出展のアドソル日進は、同社が推し進める人体通信技術を活用した共連れ検知システム、ハンズフリーシステムを提案。人体通信は入退管理分野に限らず、多方面で関心が高い技術だ。人が携帯するタッチタグと送受信機の間で、触れる・踏むという行為を介して、人体表面の微弱な電界を変化させ、デジタル的に信号の送受信を可能としたもの。監視カメラで撮影した顔画像とID情報を組み合わせることで、他人のタグで入場を試みた際にも迅速に検知することができる。また、タッチタグマットを踏むだけでハンズフリー認証を可能とするソリューションも展示。近計システムのブースでも、セキュリティゲート「Easy Pass」とアドソル日進のタッチタグを組み合わせた入退管理システムを提案していた。

 セコムは多数のソリューションを展示したが、その中で注目されたのが「レーザーセンサー」。これは、同社がレーザー技術を防犯センサーとして実用化し、画期的な屋外用防犯センサーとして開発したもの。目が届きにくい屋外の敷地へ侵入を試みる者がいても、レーザーを最大30m、180度の扇状に張り巡らせることで、警戒区域を「面」で監視でき、的確かつ広範囲に捉えることができる。柔軟な監視範囲の設定が可能で、監視範囲内の状況変化に応じて、監視範囲を自動的に再設定する自己学習機能も搭載されている。

 今回、展示会場内に設けられた「位置情報システムゾーン」では、関係企業が特殊センサーや位置情報を活用したシステムを展示した。

 同ゾーンへ出展した日本テキサス・インスツルメンツは、センサネットワークゾーンとカメラ・画像処理ゾーンでブースを構成。敷地が広範囲に及ぶ場合、電源を確保するための効果的な方法が求められる。同社では低消費電力ソリューションを提案し、同社製半導体を用いることで、コストを抑えた環境発電によるリモートセンサネットワーク構築を実現できるとした。

 また、今回の展示会では、映像監視や入退管理以外の展示内容も多数見られた。

 ホームセキュリティサービスは低価格化が進む一方で、提供サービスの品質が相対的に向上。富裕層だけが契約するものという時代ではなく、契約者の裾野が大きく拡大している。セントラル警備保障では、ホームセキュリティサービス、マンション・アパート向け、小規模事業者向けなど、それぞれの建物や施設に最適なサービスラインナップを提案。今年創業45周年という節目の年を迎えて、ホームセキュリティサービス「ファミリーガード アイ」フルオンラインプランを対象とした特別記念キャンペーンを展開している。月額2945円からの低価格で、常時プロが見守る安心感を提供する点を多数の来場者に訴求した。

 警察をはじめ、関係各方面の尽力によって、犯罪認知件数は減少傾向にある。しかし、犯罪認知件数の中で比率が高まっているのが、高齢者層の増加も見られる万引き犯罪。初出展のサンコースプリングでは、小売店側の効果的な万引犯罪対策として、盗難防止用警報器のケーブルを自動的に巻き取る装置として、「チェイサーリール」を開発。家電量販店では店頭に携帯電話などを展示する際に、万引き対策のケーブル類が絡み合い、外観的にも作業面でも支障をきたすケースがある。「チェイサーリール(Jr.)」では、ディスプレイ用警報タグに高信頼性の「チェイサーαJr.」を採用。ぜんまい式ケーブル巻き取り方式により、ケーブルが絡む問題を解消。陳列台への設置や、ケーブル巻き取り距離も作業効率化に配慮している。スマートフォン向け製品も展示した。

 この他にも、情報セキュリティ関連を含め、多数の製品、システムが展示された。「SECURITY SHOW」が東ホールで開催されたことで、東ホールで同時開催の「IC CARD WORLD」「リテールテックJAPAN」なども併せて見る来場者も多かったようだ。次回の「SECURITY SHOW」も大いに期待したい。

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