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連載コラム

<第2回> 攻撃(せめ)る守備(まもり)で犯罪の予防と抑止を推進 【セキュリティハウス・センター 皆川善樹氏】

[ 2009年2月16日 ]

株式会社 セキュリティハウス・センター
統括営業本部 東京営業所
総合防犯設備士 第06-0197号
皆川 善樹 氏

グループ全体で総合防犯設備士・防犯設備士の資格取得を推進

セキュリティハウス・センター 皆川 善樹 氏
セキュリティハウス・センター 皆川 善樹 氏

セキュリティハウス・センターは、全国に123社のネットワークを作り、その販売店を通じてエンドユーザーにセキュリティシステムを導入する手助けを行っている。

その本部では、加盟している販売店に対しても防犯設備士・総合防犯設備士の資格取得を推進しており、販売店を指導していく立場にある皆川氏にも資格の取得が求められたことから、まずは防犯設備士の資格を取得したという。

ユーザーのためというより、ネットワークを構成するグループ各社のための講習に必要なことから資格取得し、数年間の経験を積んだ後に総合防犯設備士にステップアップしている。

セキュリティハウス・ネットワークでは、全国に467人以上の防犯設備士と58人の総合防犯設備士がいる。全国に253名しかいない総合防犯設備士の、約1/5が在籍しているほどのセキュリティのプロ集団だ。

自主機械警備システムの提案に設備士のスキルを生かす

自主機械警備システム
自主機械警備システム

「実際にセキュリティハウス・ネットワークに加盟していただいている企業でも、最初からセキュリティを本業にしているわけではなく、通信、OA機器販売など別業種からの参入が多く見受けられます。セキュリティとまったく接点がないわけではありませんが、セキュリティハウスの考え方やコンセプトをきちんと覚えていただかなければなりません。その上で、セキュリティ機器の販売方法、システム構築などを研修で学んでいただき、ユーザーに防犯システムを提案するという流れになっています。」と皆川氏が語るように、セキュリティに対する基本的な考え方、電気の知識を学ぶ上では、防犯設備士の資格が役立つ。

しかも、資格取得による責任感が出てくるだけではなく、自信をもってユーザーのための防犯システムを提案できる点もメリットになっているという。

現在、さまざまなセキュリティシステムが提供されているが、企業や一般家庭で最も重要視されるのが侵入者対策だ。セキュリティハウス・センターが提供しているシステムは「自主機械警備システム」で、各種防犯センサーにより不審者を近づけさせない仕組みを提案している。このシステムは、防犯環境設計の考え方と共通する。ひとことで言えば犯罪を発生させない予防を目的としたシステムだ。

出入口の扉や窓、また、金庫などの対象物を強化することはもちろんのこと、侵入経路に各種防犯センサーを設置することにより侵入経路を遮断し接近を制御する。
さらに、周囲からの見通しを良くし、多くの「目」が届くように監視性を確保できる環境をつくり、犯罪の発生しにくい環境をつくりあげる。

したがって、「犯罪の手口や犯罪事情の把握をしておくことや、また、機器の知識や設計等をしっかりしておかなければ、ユーザーに迷惑をかけてしまいます。」と皆川氏が言うように、提案に関わる防犯設備士の役割も必然的に大きくなってくる。

つまり、センサーの設置の仕方によってその効果が大きく左右されてくる。そのように、ユーザーが満足するシステムを提案し導入するためには、ヒアリングと導入後のアフターメンテナンスが重要なポイントで、防犯設備士・総合防犯設備士のプロの提案が大いに生きてくる。

ヒアリングによる運用提案でセキュリティ意識を高める

システム設置例
システム設置例

システム導入後、被害にあう件数が減少していることから、ユーザーの満足度も高く、順調に導入件数が増加し、現在16万4,000件を超えていると皆川氏は語る。
「ユーザーケースとしては中小規模が多く、7割を超えるほどで、寺院や神社などからの要求も来ています。」の言葉どおり、自主機械警備システムは中小規模の事業所でその効果を発揮しやすいと考えられる。

システムを導入しようとするユーザーに対しては、「何のために導入をするのか」「どのエリアをどのような形で守りたいのか」、そして「どのような運用をしたいのか」を明確にする必要がある。特に3番目の「運用」は最も重要なポイントで、ユーザーからのヒアリングが重要度を増すことになる。

セキュリティを導入して、対象となるエリアが守れるようになったとしても、実際の業務に支障を来すようでは、セキュリティとして合格点を出すことは難しい。運用がうまくいっていなければ、そこがセキュリティホールとなる可能性がある。また、使い勝手も悪くなってしまう可能性もある。
そこで同社では、運用をしっかりと確認し、その上で提案するようにしているという。

総合防犯設備士という立場で運用方法を提案すると、理解されやすいし採用されやすいと、皆川氏も経験談を語っている。何のために、どこを守りたいかは誰でも考えるが、「どのように」に当たる「How to」の部分が、お客様に提案する中で最も重要なポイントといえよう。 

攻撃(せめ)る守備(まもり)がセキュリティのキーワード

セキュリティハウス・センター 皆川 善樹 氏

「セキュリティは守りで、私たちは守りのプロ集団ですが、守るだけではなく、セキュリティを外にアピールすることが、不審者や侵入者への抑止力になると考えています。」ということを実践するため、不審者や侵入者を追い返すだけにとどまらず、その前に近づけさせないことを積極的にアピールする考えがある。

敷地全体のセキュリティを実施して、敷地内への侵入を阻止するのがセキュリティハウス・センターの提案であり、いわゆる第一警戒線のセキュリティだ。センサーなどの物理的な効果もあるが、外部に対する積極的なアピールは、心理的な効果も非常に大きい。

遠隔地から簡単に状況確認
遠隔地から簡単に状況確認

最近は、ユーザーの利便性を追求し、異常を携帯電話に知らせるシステムも提供されている。警備員が対応しない代わりに、侵入者の心理や手口を徹底的に研究し、それに対応するシステムを提案しているもので、その姿勢が同社のキーワードである「攻撃(せめ)る守備(まもり)のセキュリティ」に表れている。 (終)

セキュリティ事情最前線 〜総合防犯設備士に聞く

【インタビュアー】西山 恵造(有限会社 センス・アンド・フォース 代表)
オーディオ・ビデオ機器、計測制御機器、コンピュータ周辺機器などを製造販売する電気機器メーカーの宣伝部にコピーライターとして勤務。計測制御機器やコンピュータ機器に関するパンフレット、広告等のコピーを制作する際に接した、産業機器関連に興味を持つ。1995年に独立後も、IT関連と産業機器関連のコピーおよび原稿制作等に関わりを持ち、2005〜2006年には「震災時帰宅支援マップ」(昭文社刊)の原稿制作にも携わる。セキュリティ分野では、ネットワークセキュリティと防犯のいずれにも携わっており、2007年からはセキュリティ雑誌への記事掲載も担当した。現在、防犯だけでなく防災にも興味を持ち、2008年に「防災士」と「防犯設備士」の資格を取得。

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