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連載コラム

<第9回>セキュリティ情報を省エネやエコ対策にも活用【三菱電機ビルテクノサービス 和田真一氏】

[ 2009年10月14日 ]

三菱電機ビルテクノサービス株式会社
横浜支社営業部 主事
総合防犯設備士 第03-0082号
和田 真一 氏

セキュリティへの要望にこたえるためには不可欠な資格

三菱電機ビルテクノサービス 和田 真一 氏三菱電機ビルテクノサービス 和田 真一 氏

「セキュリティは、導入する建造物や企業によって、その切り口が変わってくるため、お客様の方から問題点やご要望をできるだけ多く語っていただくように心がけています」と語る和田氏は、セキュリティのコンサルティングをしていく中で、まず防犯設備士の資格を取得し、お客様の防犯に対する意識が強まることに合わせて、一つ上の総合防犯設備士資格を取得している。
これは、お客様の意識が高まれば、必然的に提案する側はより一層の知識を持っていないと要望に十分こたえることができないと感じたからで、受験資格を満たすとすぐにチャレンジしたという。

また、以前は設備管理のシステム提案もしていたため、消防設備士の資格も有しているという。消防と防犯は、その性質上相反する部分がある。しかも、消防関係は法律で規制されていることが多く、防犯システムを提案する上で消防が関係してくることが多いため、災害時の対処法を含め、防犯と消防の両方の資格を持っていることはお客様にとってもたいへんに心強い。

ビルを、まるごとセキュリティ

三菱電機ビルテクノサービスは、ビル設備に関するあらゆることを請け負う企業であり、同社のキャッチフレーズである「ビルを、まるごと、心地よくする。」がその意味あいを表している。「まるごと」とは、「全部まとめて」という意味ではなく、どの部分、どのアイテムでも対応できるということだ。

近年、セキュリティに携わる企業が増えてきているが、同社の場合は設備のプロとしての経験や実績で、お客様の要望にこたえられる点が強みになっている。これが安心感を与えることにつながり、トータルな安全・安心の提供が推進できるという。
特に同社では、システムを導入した後が重要であると考え、メンテナンスなどを含めて機能異常に対するサポートを構築している。万が一トラブルが発生した場合でも、迅速な対応が求められることから、24時間365日のサポート体制を提供できる拠点を全国に設けている。

このように、ビルや工場のセキュリティで「どこから手掛ければ良いか分からない」といった相談からスタートし、段階を追って重要度に応じた提案をしていくことで、「システム」「保守」「サービス」を一体化させたトータルセキュリティーソリューションを提供できるのが同社の最大の強みだ。

「システム」「保守」「サービス」を一体化させたトータルセキュリティーソリューション「システム」「保守」「サービス」を一体化させたトータルセキュリティーソリューション

セキュリティ情報を生かし、省エネやエコ対応も組み合わせて提案

セキュリティの基本である入退管理は、ゲートを付けて、カードを利用するのが一般的な方式になっている。そこで、この入退管理の情報をほかの管理に生かそうと、同社では追加提案も行っているという。

具体的な例としては、入退場の情報から入場者のリストが導き出せることを利用し、場内に長くとどまっている長時間勤務者の社員リストを出すことができるというものだ。このデータを活用し、労務管理にも結びつけた提案をしている場合もあるという。これは、セキュリティ情報を活用した、別角度からの安全・安心の提案といえよう。
またこのデータは、火災などが起きた際に、避難が完了していない人の情報を得るときにも活用できる。

さらに、省エネやエコと融合させた提案も行っている。入退室のエリア情報をもとに、そのエリアに人がいなければ、空調や照明を切ることで省エネをはかろうというものだ。同社「ビル設備運用システム&プランニングFacima(ファシーマ)」などは、この活用提案がひとつのウリになっている。
同社は以前から、単純なセキュリティにとどまらず、付随するさまざまな提案を展開してきているが、よりきめ細かな制御や機能連携によって、確実に省エネやセキュリティを実現していこうという考えが、これからの主流になっていくのではないだろうか。

ビル設備運用システム「Facima」とトータルセキュリティーソリューション「DIGUARD」を連携させた強固なセキュリティシステムビル設備運用システム「Facima」とトータルセキュリティーソリューション
「DIGUARD」を連携させた強固なセキュリティシステム

システム導入後の改善提案で、セキュリティレベルの向上を実現

三菱電機ビルテクノサービス 和田 真一 氏

意外に盲点になっていたことだが、導入前の運用提案があるのなら、導入後の改善提案があってしかるべきだろうと同社では考えている。
これはお客様も気にしている事案であり、セキュリティの説明と合わせて、さらなる提案を行うようにしているという。

セキュリティシステムは、運用・管理していく中で思わぬところに甘さや盲点がみえてくるといわれる。これらを解消したくても、予算などの関係で完全にできない状態もある。そういったところを、導入後にどのようにサポートしていくかが重要なポイントだ。

同社のように保守を中心とした企業は、導入後にも目が行き届くという強みがある。つまり、運用していく中で甘さや盲点を確認し、改善を重ねる中でセキュリティレベルを上げていく、最も現実的な手法が採れるということだ。事実、同社からの提案を受けて着実にセキュリティを強化してきているお客様も少なくないという。

さらに、運用しながらのヒアリングを行うことでも信頼を勝ち得ている。「今後とも、導入した後のサポートに重点を置いたつながりを強めていきたいですね。それでこそ、お客様との本当の信頼関係が生まれると思います」と和田氏は語っている。

総合防犯設備士はオールラウンダーであるといわれ、導入までのコンサルティングや運用提案を行うことまでは耳にするが、導入後の改善提案にまで、その能力を発揮している例は少ない。システム全体を見わたし、運用の不備をサポートできてこそ、セキュリティのプロと言えるのではないだろうか。 (終)

セキュリティ事情最前線 〜総合防犯設備士に聞く

【インタビュアー】西山 恵造(有限会社 センス・アンド・フォース 代表)
オーディオ・ビデオ機器、計測制御機器、コンピュータ周辺機器などを製造販売する電気機器メーカーの宣伝部にコピーライターとして勤務。計測制御機器やコンピュータ機器に関するパンフレット、広告等のコピーを制作する際に接した、産業機器関連に興味を持つ。1995年に独立後も、IT関連と産業機器関連のコピーおよび原稿制作等に関わりを持ち、2005〜2006年には「震災時帰宅支援マップ」(昭文社刊)の原稿制作にも携わる。セキュリティ分野では、ネットワークセキュリティと防犯のいずれにも携わっており、2007年からはセキュリティ雑誌への記事掲載も担当した。現在、防犯だけでなく防災にも興味を持ち、2008年に「防災士」と「防犯設備士」の資格を取得。

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