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連載コラム

<第7回>セキュリティと省エネの融合をキーワードにした防犯システムを提案【パナソニック電工 福井教夫氏】

[ 2009年8月4日 ]

パナソニック電工株式会社
情報機器エンジニアリング綜合部 新事業ソリューションセンター 所長
総合防犯設備士 第01-0043号
福井 教夫 氏

防犯の高まりに合わせ、コンサルティングの資格として取得

パナソニック電工 福井 教夫 氏パナソニック電工 福井 教夫 氏

総合防犯設備士の第1期生である福井氏は、資格取得した経緯について、当時社会的にセキュリティに対する意識が高まってきたことと、現場で防犯設備に関する相談から製品導入までの仕事にかかわっていたことをあげている。
「防犯のコンサルティングをする場合、機器の知識だけではなく、ゾーニングや導線などを含め、トータルでのサポートが求められることから、その必要性を感じました」と語るように、総合防犯設備士は本来コンサルティングの資格なので、その意味では意向とピッタリ合ったことになる。

資格誕生を会社から知らされたことがきっかけとしてはあるものの、個人で防犯設備士資格を取得したことに意義がある。それが、いち早く総合防犯設備士の資格取得につながったといえるだろう。
福井氏は、ビル向け自動火災報知設備などの防災システムエンジニアからスタートし、20年近くにわたってコンサルティング業務に携わっているという。

現在パナソニック電工グループには、防犯設備士が516人、総合防犯設備士は10人が在籍している。全社的にも安心・安全を推進する企業を掲げていることから、資格取得を推奨しており、防犯設備士の人数はきわめて多いといえよう。


セキュリティ基準の策定が重要

規模の大小を問わず、事業所や企業がセキュリティの必要性は強く感じているというが、現在でもセキュリティ未導入の企業は多い。そのような企業が全社的にセキュリティシステムを導入したいという要望や相談にこたえることと、そのようなニーズを発掘し、それに対するコンサルティングを行うことが福井氏の重要な仕事になっているという。

セキュリティ計画は、主に企業の総務系が担当するため、実際の対応策に苦慮している場合が多く見受けられる。そこで、全社的なルールとしての統一基準を作ることを勧めているという。
まず、全社セキュリティ対策基準を作り、企業の重要度としてセキュリティポリシーを策定することが求められる。それを会社の憲法と位置付け、セキュリティの目的を明確にした後、想定されることを考えていくというステップだ。
当然、建物によっても重要度やセキュリティのランキングが違ってくる。さらに、建物の中でもゾーニングを行い、各ゾーンの指針に合わせた機器を導入していく。つまり、「どうするか」という指針と、「どのような設備を付けるか」という具体的な対策方法を決めていくことになる。

パナソニック電工は、事業所だけではなく、一般家庭もターゲットにしている点が大きな強みになっている。機器提案にとどまらず、ゾーニングの重要性を考え、はっきりとしたプロセスで基準作りからスタートすると表明している点が、非常に特徴的である。

ss_2009080301_03.jpg施設の運用に合わせて段階的なガードを実現する3ゾーンセキュリティ

お客様個々の悩みを解決することが最大のソリューション

同社のソリューション展開に対する質問に対して、「本当のソリューションは、お客様の多岐にわたる悩みを一つ一つ解決していくことだと思います。機器だけで解決できるものではありません」と、福井氏はきっぱりと断言する。

豊富なセンサー機器やカメラ機器を製品として擁している同社ならではの考え方といえるだろうが、前述したように、同社はビルの設備だけでなく家庭の設備もラインアップしているため、オフィスから自宅までの安全・安心を提供できるという強みがある。
例えば、ワイヤレスタイプの住宅用火災警報器やドアスイッチを提供しており、配線工事が不要なため既存の住宅にも設置しやすいというメリットも提供できる。

それぞれの機器の総合力や組み合わせに、総合防犯設備士のコンサルティングを付加できることが、同社の最大のソリューションといえるだろう。
同社の、このような機器やシステムを投入すれば、街並みに一括してセキュリティをかける「街ごとセキュリティ」も実現できることになる。これこそが総合メーカーの強みだ。

ss_2009080301_02.jpg3つのテクノロジーを連携させた強固なセキュリティシステムを構築

セキュリティシステムと連携させてエコを実現

3つのテクノロジーを連携させた強固なセキュリティシステムを構築

総合力という点では、セキュリティシステムを連携させた複合システムの提案があげられる。同社では、セキュリティの機能を応用して省エネができないかということも考え、提案している。

ICカードや人感センサーによる入退管理を利用し、人がいない時に空調や照明の制御をしようというシステムが好例で、ビル全体を管理することも付加価値として考えられている。このセキュリティ&省エネの融合は社会的にも注目されており、今後のキーワードになる可能性がある。

同社では、このような流れを受け、社内の新事業の位置づけとして、「セキュリティ」と「省エネ」がこれからの事業の2本柱であると考えているという。

何が脅威で、何を守りたいかがセキュリティとしては重要であるが、それに対して、どのように守れば良いかを提案していくだけではなく、空調や照明との連携による省エネシステムの提唱など、お客様の要望にこたえ、解決するための環境設計も視野に入れていくとしている。 (終)

セキュリティ事情最前線 〜総合防犯設備士に聞く

【インタビュアー】西山 恵造(有限会社 センス・アンド・フォース 代表)
オーディオ・ビデオ機器、計測制御機器、コンピュータ周辺機器などを製造販売する電気機器メーカーの宣伝部にコピーライターとして勤務。計測制御機器やコンピュータ機器に関するパンフレット、広告等のコピーを制作する際に接した、産業機器関連に興味を持つ。1995年に独立後も、IT関連と産業機器関連のコピーおよび原稿制作等に関わりを持ち、2005〜2006年には「震災時帰宅支援マップ」(昭文社刊)の原稿制作にも携わる。セキュリティ分野では、ネットワークセキュリティと防犯のいずれにも携わっており、2007年からはセキュリティ雑誌への記事掲載も担当した。現在、防犯だけでなく防災にも興味を持ち、2008年に「防災士」と「防犯設備士」の資格を取得。

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