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連載コラム

「いつでも、どこでも、誰にでも安全を提供する」を理念に 【セコム株式会社】

[ 2010年9月6日 ]

セコム株式会社
コーポレート広報部・部長
安田 稔

人的な警備から機械警備へのさきがけ

 セコムは1962年に創業した日本で最初の警備保障会社で、日本のセキュリティの歴史と歩みを同じくしている。

 当初は企業向けの人的な警備からスタートし、1964年に開催された東京オリンピックでも人的警備を提供していた。その後、人的な警備だけでは発展に限界があると考え、日本で初めてオンライン・セキュリティシステムの開発に着手している。それが、機械警備のさきがけとなった「SPアラーム」で、オフィスビルや店舗を中心に設置が進んでいくことになる。そこから得られた情報は、通信回線を使って同社のコントロールセンターに送られて24時間監視され、異常信号が発生すると同社の緊急発進拠点から緊急対処員が現場に急行するシステムだ。

 同社では機器をレンタル制にするとともに、24時間の監視体制というトータルなセキュリティサービスの提供を推進した。これはセキュリティの先進地域である欧米にはない方式で、現在では国内の他社も追随している。同社では現在、同じ方式で台湾や韓国などの11の国と地域にも進出している。

セコム コーポレート広報部・部長 安田 稔 氏
セコム コーポレート広報部・部長 安田 稔 氏

企業セキュリティから家庭へ、そして個人へ

 同社は、1981年に家庭向けのホームセキュリティサービスを国内で初めて提供し、2001年には子供や老人の安全確保に向けた商品として、GPSと携帯電話システムを連携させて位置情報を知らせる「ココセコム」の提供を開始している。

 創業当時から「いつでもどこでも誰にでも安全を提供する」という理念の具体化を進めており、企業からスタートしたセキュリティを、家庭や個人へと提供の幅を広げている。

 同社が今年のSECURITY SHOWで発表した新商品に、「セコム無線画像伝送システム」がある。携帯電話を使って、離れて暮らす家族を見守ることができるこのシステムは、ホームセキュリティサービスとは違いコントロールセンターを経由しないシステムだ。PCを使用しないことで導入がより簡単になり、幅広い分野で利用できるだけではなく、個人単位の見守りという考えを導入して、セキュリティをより身近に感じることができるようになるという。

 「現在当社では『社会の安全化』を推進しており、侵入されてからの対応だけではなく、侵入されないようにするセキュリティにすることで、犯罪者に対しての抑止力にもなっている」とセコム株式会社コーポレート広報部・部長の安田稔氏は語っている。

24時間365日、いつでも見守りと駆けつけサービスが提供される、セコムのホームセキュリティ
図: 24時間365日、いつでも見守りと駆けつけサービスが提供される、セコムのホームセキュリティ

地域との連係や社会情勢に対応した展開

 「企業や家庭では、建物の中の安全を守ることになるが、これはいわば点のセキュリティ。しかし、ココセコムは屋外での利用になるため、サービスが面に広がり、セキュリティもより身近になってきた」と安田氏が語るように、24時間365日体制のコントロールセンターでの監視と現場急行サービスで安全確保しているのが同社の特徴だ。

 警察や自治体とも、「社会の治安を守る」立場で連係を図っていることは言うまでもないが、加えて「個別のお客さまを守ることに加えて、地域における社会的な役割も求められている」という。

 その成果が、世田谷区と港区で行っている青色防犯パトロールだ。これは青色回転灯を装備したパトロール車で巡回し、区内の住民や地域社会の安全を守る公共的なサービスで、犯罪の抑止のほかトラブル発見時には声がけなども実施しているという。

 また、企業や家庭に提供している一般的なセキュリティだけではなく、テロ対策や要人警護のようなニーズも高まりつつあるという。国内の治安レベル低下が叫ばれる中、社会構造の変化に応じた幅広いセキュリティの提案が求められているのだろう。

「社会システム産業」を目指して

 「警備とは"警備する"というように防犯や防災のための行為であり、その結果としてお客さまが得られるものが安全である」と安田氏が語るように、同社はセキュリティをより幅広い概念でとらえ、いまでは防犯・防災に加えて情報セキュリティ分野にも進出しているという。

 また、「ホームセキュリティの提供を開始したことによって、家庭に安全を提供するという観点から、家族の健康や医療に関してもサービスとして提供している」との言葉通り、「命を守る、健康を守る」といった究極のセキュリティを、ホームセキュリティに加えてトータルに展開しており、そういったことが幅広い安全・安心につながるという考え方を持っているという。

 同社では、1989年に「社会システム産業元年」というビジョンを掲げた。これは全国に張り巡らされた安全のネットワークを活用して、事業活動や家庭生活に欠かせない社会システムを提供していこうというもの。

 社会が高度化し複雑化してくると、価値観も多様化してくる。「不安やリスクが多様化する中、防犯だけの単純なサービスではなく、新しいシステムも加えながらトータルなセキュリティを提供できる企業を目指している」と安田氏も語っている。「困ったときに頼られる企業になりたい」というのが、同社が目指す社会システム産業の根底にある概念だ。

SECURITY SHOWを活用して新サービスを紹介

 さらに同社では、セキュリティのトップ企業として、SECURITY SHOWには積極的に取り組み、安全や安心に対する提案を広めていく考えだ。

 「展示会の直前に開発された新しいシステムや商品を紹介する場として活用していきたい」と安田氏が語るように、初めての発表の場をSECURITY SHOWと位置づけている。安全・安心を提供するセキュリティの総合企業として、タイムリーな提案の紹介に努めようという考えは、多様化するリスクへの対策を常に考え続ける同社の企業姿勢を如実に表している。

SECURITY SHOW 2010でのセコムブースの様子
SECURITY SHOW 2010でのセコムブースの様子

セキュリティ事情最前線 ~連係、展開、快適に向かうセキュリティ

【インタビュアー】西山 恵造(有限会社 センス・アンド・フォース 代表)
オーディオ・ビデオ機器、計測制御機器、コンピュータ周辺機器などを製造販売する電気機器メーカーの宣伝部にコピーライターとして勤務。計測制御機器やコンピュータ機器に関するパンフレット、広告等のコピーを制作する際に接した、産業機器関連に興味を持つ。1995年に独立後も、IT関連と産業機器関連のコピーおよび原稿制作等に関わりを持ち、2005〜2006年には「震災時帰宅支援マップ」(昭文社刊)の原稿制作にも携わる。セキュリティ分野では、ネットワークセキュリティと防犯のいずれにも携わっており、2007年からはセキュリティ雑誌への記事掲載も担当した。現在、防犯だけでなく防災にも興味を持ち、2008年に「防災士」と「防犯設備士」の資格を取得。

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