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連載コラム

コミュニケーションとセキュリティの一体化を目指したサービス展開 【ALSOK】

[ 2011年2月24日 ]

ALSOK
営業推進部長
理事
島田 一郎

ALSOK
営業推進部
営業技術室長
水谷 紀彦

安心・安全をキーワードに

 街中で見かける現金輸送の最大手であるALSOKは、金融機関などに設置される5万台を超えるATM機への現金補給やメンテナンスにも携わっている。そこにあるのは、長年にわたって培ってきた企業からの「信頼」という強みだ。その信頼感は、ひときわ高い安全性が求められる企業の機密文書や入試問題の輸送を任されるといったところにも表れている。

 同社のキーワードは「安心・安全」で、警備会社としては当然の文言ではあるが、やはり現金輸送で得た信頼は大きい。しかも、その信頼感に裏打ちされた安心と安全が、法人企業だけではなく、個人を対象にしたホームセキュリティの分野でも生かされている。

 その代表格が同社が提供する「高齢者の見守りサービス」だ。24時間365日、日本全国にサービス展開していることと、最大の強みである「駆けつけサービス」に対応していることが、利用者にとっての快適さをもたらしているという。この見守りサービスについて島田氏は、「例えば団地などに見られる地域の高齢化などの問題にも対応していきたい。地域全体のセキュリティと個々の部屋の見守りという両方を実現することで安心・安全を担保していく」と語っている。

日常の動きを感知し、安否を確認できる、ホームセキュリティα「見守り情報配信サービス」日常の動きを感知し、安否を確認できる、ホームセキュリティα「見守り情報配信サービス」

センサー技術を活用した、見守りサービスの今後

 この高齢者向けの見守りサービスでは、本来は外部からの侵入を感知するためのセンサーを、「ライフリズム」という生活反応の有無を感知する目的に活用している。ライフリズムが感知されなくなった場合は、何かのトラブルが発生したと判断し、駆けつけるなどの対応を取ることができる。異常を知らせるシステムは数多くあるが、異常事態に対して駆けつけという行動で即座に対処できるのが同社ならではの強みといえよう。

 見守りサービスの今後の展開については「ひとつひとつの情報をセンターに送信し、専門家が解析して問題があれば検査の指示をするなどといった対応をとれるようにしていきたい。まだ具体化できていないが、健康面でのセキュリティとして、医療とのコラボレーションも視野に入れて安心・安全の理想像を追求していく」と島田氏が将来像を語ってくれた。

 また「GPSなど位置情報を知らせる端末を持たずに徘徊しているような場合に備え、利用者に負担を与えることなく所在を確認できるシステムが求められている」という水谷氏は、現在進化が著しい映像監視機器のインテリジェント機能を出入管理に応用し、徘徊対策に役立てることも考えているという。

左:ALSOK 島田 一郎 氏、右:ALSOK 水谷 紀彦 氏
左:ALSOK 島田 一郎 氏、右:ALSOK 水谷 紀彦 氏

入退室と情報セキュリティとの連係

 省エネなどのいわゆるエコ対策に、セキュリティシステムからの情報を活用するという提案は、昨年のSECURITY SHOWでもひとつのトレンドとして多く見受けられた。同社が提供するシステムでは「入退管理のシステムと各PCが連動し、オフィス入口のゲートを正しく通過していないと部屋にも入れないし、自分のパソコンにログインすることもできない」と水谷氏が語るように、IDカードなしでは出勤が確認されないだけではなく、次の動作に一切進めないことになる。この一連のシステムによって、パソコンからの情報漏洩を防止し、さらに照明やエアコンのコントロールとの連携でエコ対策にも応用することができる。

 大きな企業では当たり前になっているこうしたシステムだが、同社では中小企業への導入も推進している。特に、既存システムへの後付けでも導入できることが大きなメリットで、ISO認証やプライバシーマーク取得を目指す企業には朗報だろう。しかも、ゲストカードとしてPASMOなどの一般的なICカードやおサイフケータイが利用でき、低コストな運用を可能にしている。

 情報セキュリティ系システムの利用シーンも多様化しており、例えばガソリンスタンドやコンビニといった店舗でのパソコン利用をチェックしたいというニーズも増えているという。内部向けのセキュリティは主に従業員の管理目的で導入されるものだが、最近では問題発生時に自分が関わっていないことを証明できるので、従業員がセキュリティ導入を歓迎するようにもなっている。とはいうものの「セキュリティでは絶対・万能なシステムはない」というのが両氏の一致した考えで、場合に応じた対策が重要だとしている。

アクセス記録も残せる、「ゲートコントロールシステムGTACS」図2:アクセス記録も残せる、「ゲートコントロールシステムGTACS」

将来構想とSECURITY SHOWでのアピールポイント

 今後の構想については、島田氏は「いま注目されているスマートシティに、安心・安全分野から取り組んでいきたい」と語り、水谷氏は「ホームICTにセキュリティ機能を持たせれば、電気店で購入してきた警備機器をテレビのリモコンで簡単にコントロールできるという新しい世界になる」という。こうしたことが実現できれば、現在1%程度といわれるホームセキュリティの普及率を大きく押し上げることができそうだ。そしてその先には、同社が目指す「コミュニケーションとセキュリティの一体化」が見えてくるだろう。

 3月8日からの開催が近づいている次回のSECURITY SHOWについては、画像を活用したシステムを大きく展示するとともに、情報セキュリティ、特に情報管理分野の提案に注力していくとしている。同社の展示内容には期待ができそうだ。

セキュリティ事情最前線 ~連係、展開、快適に向かうセキュリティ

【インタビュアー】西山 恵造(有限会社 センス・アンド・フォース 代表)
オーディオ・ビデオ機器、計測制御機器、コンピュータ周辺機器などを製造販売する電気機器メーカーの宣伝部にコピーライターとして勤務。計測制御機器やコンピュータ機器に関するパンフレット、広告等のコピーを制作する際に接した、産業機器関連に興味を持つ。1995年に独立後も、IT関連と産業機器関連のコピーおよび原稿制作等に関わりを持ち、2005〜2006年には「震災時帰宅支援マップ」(昭文社刊)の原稿制作にも携わる。セキュリティ分野では、ネットワークセキュリティと防犯のいずれにも携わっており、2007年からはセキュリティ雑誌への記事掲載も担当した。現在、防犯だけでなく防災にも興味を持ち、2008年に「防災士」と「防犯設備士」の資格を取得。

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