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連載コラム

スマートファシリティで、さらなる安全・安心とエコを目ざして 【株式会社 東芝】

[ 2010年9月27日 ]

株式会社 東芝
スマートコミュニティ事業統括部
ソリューション技術第二部
制御ソリューション技術第一担当
榎本 秀明

システム連携で、エコ&セキュリティを推進

 東芝では、カードリーダ、生体認証装置による入退管理システム、監視カメラによる映像監視を用いてトータルなセキュリティを提供しているが、2009年のSECURITY SHOWからは、セキュリティアイテムと空調・照明制御と連携した「エコ&セキュリティ」を紹介し、注目されている。

 同社では今年4月に、商業ビルや工場、データセンタ等のファシリティ(空調、照明、ビル監視、エレベータ、セキュリティ等の設備)に関するコンサルティングからシステム提案、工事まで一貫したビジネスを行う社長直轄の組織「スマートファシリティ事業統括部」を設立(10月1日より「スマートコミュニティ事業統括部」に名称変更)した。「エコ&セキュリティ」はこのスマートファシリティ事業の柱の一つに位置付けられており、積極的な拡販を行っている。

東芝が目指すエコで安全・安心なセキュリティシステム図1: 東芝が目指すエコで安全・安心なセキュリティシステム

快適環境を創造するために、画像処理による活動量推定技術を適用

 同社が扱う空調システムは「ニューロPMV™制御」という方式で快適性を生み出していた。この方式は合計6種類のパラメータにより空調制御を行う。制御パラメータのうち、温度・湿度はセンサでリアルタイムに測定できるが、活動量・着衣量についてはあらかじめ決めた条件の定数値を都度設定していた。これらのパラメータを動的に設定する手法として、画像処理技術によるリアルタイムな推定を行うための開発が始まった。

 2010年のSECURITY SHOWでは、監視カメラで捉えた映像から人物の活動量を推定し、空調設備と連携する省エネ制御を実施のデモを紹介した。「既存のセキュリティアイテムを活用し付加価値を生み出す事が狙い」、とスマートコミュニティ事業統括部の榎本氏は語る。

東芝 スマートコミュニティ事業統括部 榎本 秀明 氏
東芝 スマートコミュニティ事業統括部 榎本 秀明 氏

 カードリーダなどの入退管理システムやセンサにより、在室状況を把握し空調・照明制御につなげる設備連携は見受けられるが、室内にいる人間の活動量をリアルタイムで計測して空調を制御するシステムは斬新である。細かな空調制御を行い、快適性を失わずに省エネを実現するのがポイントだ。活動量だけでなく、着衣量の画像処理による推定についても今後の研究課題だという。

 東芝の考えるセキュリティは、人や物、情報を守るだけではなく、無駄なエネルギーを抑えることで、ZEB(Zero Energy Building)の実現に貢献できるとしている。

今後の展開

 不況による投資の抑制、企業の省エネ義務化の背景から、設備投資は低コスト化と環境配慮がポイントとなる。

 同社が提案している360°撮影可能なカメラは、カメラ台数を削減できること、可動部分がないことによる故障率の低さがデータセンタ等で高く評価されていて、今後の監視システムへの展開が期待できる。また、高度なセキュリティを要求される現場では、顔などの細かい部分を映し出すことが求められる。そこで、粗い画像に画像処理を施すことで高解像度化できる超解像技術を監視カメラシステムに組み入れることを検討している。

 「製品の低コスト化も重要であるが、セキュリティレベルを維持・高度化しながら別の付加価値を生み出すことがこれからの課題である」と榎本氏は将来構想を語る。

 今後は、セキュリティとファシリティの連携拡大や画像処理技術の開発だけでなく、情報システムやネットワークにも連携させようと考えている。

東芝が提案する、オフィスのトータルセキュリティソリューション図2: 東芝が提案する、オフィスのトータルセキュリティソリューション

SECURITY SHOWで新たなソリューションを紹介

 榎本氏は「弊社は例年、SECURITY SHOWに出展しTV・新聞等のメディアに取上げていただいているものの、セキュリティ業界での認知度が充分でないと思っている。『エコ&セキュリティ』というキーワードが本展示会がきっかけに生まれたコンセプトであるように、今後も新たなセキュリティソリューションを紹介していきたい。」と最後に語ってくれた。次回の出展も期待できそうだ。

SECURITY SHOW 2010での東芝ブースの様子
SECURITY SHOW 2010での東芝ブースの様子

ニューロPMVは、株式会社東芝の登録商標です。

セキュリティ事情最前線 ~連係、展開、快適に向かうセキュリティ

【インタビュアー】西山 恵造(有限会社 センス・アンド・フォース 代表)
オーディオ・ビデオ機器、計測制御機器、コンピュータ周辺機器などを製造販売する電気機器メーカーの宣伝部にコピーライターとして勤務。計測制御機器やコンピュータ機器に関するパンフレット、広告等のコピーを制作する際に接した、産業機器関連に興味を持つ。1995年に独立後も、IT関連と産業機器関連のコピーおよび原稿制作等に関わりを持ち、2005〜2006年には「震災時帰宅支援マップ」(昭文社刊)の原稿制作にも携わる。セキュリティ分野では、ネットワークセキュリティと防犯のいずれにも携わっており、2007年からはセキュリティ雑誌への記事掲載も担当した。現在、防犯だけでなく防災にも興味を持ち、2008年に「防災士」と「防犯設備士」の資格を取得。

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