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連載コラム

第11回「ペット命!」な人々の社交場が拡大中! じわじわ増えるペットカフェ〜ペットに優しい空間は人にも優しいから、新しいなごみスポットとして要注目!

[ 2004年10月29日 ]

●ペット用メニューも充実! のペットカフェ
 近所に新しくお店らしき建物が建つと、「なんの店になるんだろう?」と楽しみにするのは人情である。このところ、そうやって楽しみにしていたら動物病院になったり、ペットショップになったということが続いた。ペットとは縁のない私にとってはちょっとがっくり、だったりするのだが、そんなことが続くと「今のペットブームはただごとじゃない」と感じてはいた。

 そこにきて、また「ここにはなにができるんだろう?」と思っていたお店がペットカフェだったということが2回続き、「ペットカフェ〜〜〜? なんだそれ?」という思いをしてしまったのである。しかし、怒ってばかりいても仕方がないので、見に行ってみた。そう、その「ペットカフェ」なるものを、だ。

 京王相模原線多摩境駅から徒歩1分の好立地にある「Funny Face」は、外見はややそっけない感じの造りのカフェだが、中に入ると無機的なインテリアがなかなかおしゃれな店だ。入口にはペット用品なども展示販売されており、いかにもペットカフェ、という雰囲気をかもしだしている。そして、いるいる! 本当に犬を連れて店に入ってきている人がぽつぽつといるではないか〜! リードをつけて、飼い主の座っているテーブルの下の床につながれた状態の犬が店内に3匹ほど。フロアがちょっと高くなったソファ席に目を向けるとそこには、犬1匹+飼い主というペアが3組。人間がお茶とおしゃべりを楽しんでいる間、犬くん達はその足元でうずくまっておとなしく時間を過ごしていた(犬同士での会話がはずんでいる、ということはなかったようだ)。


 当然、飼い主さん達の間では、お互いのペットの話にも花が咲いていたようだが、この店は、とくに「ペット連れ用」のスペースを区切っているわけではなく店内どこでもペットOK。ペット連れでないお客も、隣の席にペット連れのお客さんが座ることも覚悟しておかなければいけない。となると、もしも「犬はどんなにおとなしくても苦手」なんて人は避けたほうが無難かもしれない。そういう人は人間onlyのカフェを選んだほうがいいだろう。ただ、たとえ自分はペット連れではなくても、ペットを見るのは大好き! という人なら、いろいろな犬くん達を見ることができる絶好の場だとも言えるだろう。

 また、ペットカフェというと、「ペット連れで入ってもいいですよ」というスタンスの人間のためのカフェだと思っていたら、どうもそうではないようだ。「Funny Face」にはしっかりペット用のメニューもあった(!)。それも「ドッグフード」とかではなく、「さつまいものパンケーキ」「ステーキ」とかちゃんとしたメニューである。お食事もあればデザートもというところも人間並! う〜ん、侮れないぞ、今どきのペットカフェ。

 


●ほかにもあるぞ、人気のペットカフェ!

 なんとまあ、ペットカフェの実態は、ペットと無縁の人間には「ええっ?」という驚きの領域までいってるんだ〜ということに唖然としつつ、キャリア・マム会員にペットカフェについての情報を募集してみた。

 「ペットカフェを知っている」という人は、実に79.1%にのぼったが、実際に利用したことのある人は、5.6%。存在の認知度は高いものの、まだしっかりと根付いているとは言えない状況のようだ。利用したことのある人に聞いてみたところ、「ペットと一緒に休める場所がほかにない」という消極的理由がペットカフェを利用する理由の1位(23.1%)だった。2位の「ペット用のメニューがある」は7.7%であり、ペットカフェは店舗の魅力よりも、今はまだ「ペット連れでもOK」という形態で人気上昇中というところのようだ。

 しかし、キャリア・マム会員に「知っているペットカフェを教えて」と聞いてみたら、なんとたくさんの情報が寄せられたことか! それも都心部だけではなく、郊外でも地方でもペットカフェがしっかり全国に増えていることを確認できた。

 その情報の中から東京都府中市にある「Cafe TROIS CHIENS」をたずねてみた。こちらは知る人ぞ知る、有名なペットカフェ。土日になると、立川の昭和記念公園や調布の神代植物公園にある、ドッグラン帰りのお客さんで賑わっているとか。この店はなんといっても、食事がおいしい! というので人気。「ペット連れて入っていいから、味は期待しないでね」という店では断じてないのだ。オーナーのコンセプトが「人間も犬もしっかり食べられる空間」ということで、人間のメニューが充実しているのはもちろんのこと、犬用メニューもすばらしい充実ぶり! 犬のメニューもほとんど手作り。夏はアイス、冬はラーメンまであり、犬用に甘み、塩分も抑えたものだそう。「人間様の都合で連れ歩くので、犬もうれしい何かを用意したくて」という、オーナーの犬への愛情がこのメニューに現れているようだ。

 テラス席も店内も、テーブル近くに犬のリードをつなぐ金具がついていて、どちらでも犬連れOK。店内は、テーブル4つとそれほど広くはないが、テラスにも4つくらいテーブルがあり、犬好きなお客さんがくつろぐのには十分なスペースだ。犬連れでない人は入りにくいかと思いきや、人間用メニューも充実しているこのお店、いい感じで犬連れとそうじゃない人が共存できているようだ。

 お客さんのなかには、「今までは犬だけを家で留守番させるのはかわいそうだから、なかなか外で食事をすることもできなかったけれど、ここなら連れてこられるので、出かけられるようになった」という方もいるとか。犬連れ仲間同士で貸し切り、という予約もあるという「Cafe TROIS CHIENS」。オーナーが飼っている3匹の犬が、日替わりで店番しているのも犬好きにはたまらない! らしい。オーナーも犬好き、お客さんも犬好きで、なんだか「仲間の集まる場所」という雰囲気がとても心地よい空間である。

 


●地方だってがんばってる! 秋田初のペットカフェが誕生!

 「ペット連れてカフェに行く」なんて都心の人達だけの流行じゃないの? と思いきや、ほんとに全国に続々増えていることがキャリア・マムの調査でもわかったが、ここ秋田にもついにできた。

 「カフェ・レストラン カフェラテ」は平成14年4月オープンというから、まだ新しいカフェだが、ペット同伴可のカフェは秋田県では初! まさにパイオニア精神にあふれる店なのだ。県でも初の試みということで、衛生面やクレームなどを危惧して、当初はテラス席のみペット同伴可としていたが、秋には保健所から店内の一部も同伴可の許可がおりた。

 店内でもとくに眺望のいい、海の見える側の席に設けられたペット可のテーブルの下には、リード止めがあり、ペットをつないでおけるので、他のお客さんに迷惑をかけることもなく、これまでとくに事故もトラブルもなく営業してきているとのこと。複合施設の中に入っている店だが、ペット連れで来たお客さんも、他の店に入るときにはペットを連れたままは入らないなど、マナーを守って利用しているため、共存できているのだそうだ。

 メニューのなかでは、ワンちゃん用、手作りのスコーン、クッキーが好評。また、スコーンの生地を骨の形にした、バースデーケーキも大人気だとか。秋田という土地柄もあってか、若い人だけでなく年配の方も多いというこの店には「若い人だけのカフェではなく、家族、熟年など、いろんな世代の多くの方が集えるカフェにしたい」というオーナーの思いが込められている。

 ペットカフェというと、テラス席のある店が多く、テラス席はペットを連れていなくても、季節によってはとても快適。外の風の感じられるペットカフェは「ペットを連れてるからここにしか行けない」場所ではなく、犬にも子どもにも大人にも優しくて、心や身体が疲れたな、と感じたときにふとたずねてみたくなる場所かもしれない、と思った。子育て中には、ちょっと開放的なスペースのあるレストラン(ファーストフードが多かったけど)ってうれしかった。そして、そんな店で同じ子連れママと交流するのが楽しかったっけな。

 「ペットも家族の一員」そんなライフスタイルを、選択している人がこれだけ増えているんだもの。ペットを連れた人にとってペットカフェは、不可欠なものになっていくに違いない。

今どき主婦のShopウォッチ
執筆者:堤 香苗

株式会社キャリア・マム代表取締役。1964年、兵庫県神戸市生まれ。早稲田大学第一文学部・演劇専攻卒業。
大学時代よりテレビ、ラジオのパーソナリティー等をつとめ、フリーアナウンサーとして活躍。結婚、出産後、子育ての経験を生かした仕事を志し、1995年4月、育児サークルPAO(キャリア・マムの前身)を設立。その後、ママの社会参加の機会を積極的に創出する活動母体として、「ママの元気と笑顔」を合言葉に、『キャリア・マム』を設立。現在、コーディネーターとして、主婦や育児中の女性、起業を目指す人へのアドバイスや、「女性の起業」「在宅ワーク」「ITビジネス」等のテーマで講演も行う。2007年1月「おしゃべり力〜主婦のホンネが常識を変える!〜」、5月「ヒット商品はこうしてできる!売れるマーケティングのしかけ」を出版。

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