連載コラム

番外編『主婦の目で見たJAPAN SHOP』

[ 2005年3月16日 ]

ワクワク、ドキドキお店の未来形が見えてくる「JAPAN SHOP 2005」を
キャリア・マムが突撃レポート!


●やっぱり主婦はインテリアがお好き! 〜什器ブースで大盛り上がり!

 2005年3月1〜4日に、東京ビッグサイトにて開催された「街づくり・流通 ルネサンス」。「JAPAN SHOP 2005」を中心に、「建築・建材展」「IC CARD WORLD」「フランチャイズ・ショー&ビジネス・エキスポ」など、一堂に会した大イベントを、キャリア・マムのスタッフとともに見てきた。

 いつも、身近なところから「店や流通に新しい動きはないか?」と、アンテナをはりめぐらせているキャリア・マムの面々。今回のイベントでは、まだ市場に出回る前の新しい商品やシステム、業態などを見ることができるとあって、興味津々。広い会場を脚が棒になるまで歩き回り、喉が枯れるまで感想を語り合い、充実した1日となった。

 まずは「JAPAN SHOP 2005」。ここには、これからの店舗の傾向が見えてくるような什器やインテリア、壁材、床材などなど、お店作りにかかわりのあるメーカーが大集結していた。しかし、こういうところを見ていると、人によってアンテナにひっかかるものがものすごく違うことに驚く。ある人が熱く「これいいわ〜」というものにも無関心な人もいるし、その逆もある。多数派の支持を集めることの難しさは、たかがキャリア・マムのスタッフ10名弱を見ているだけでもわかる。

 そんなバラバラな感性をもった主婦たちではあるが、「これよかった〜!」という声があがっていたものを、いくつかセレクトして紹介してみよう。

 『ウォールデコ』の什器はそのナチュラルさ、シンプルさが魅力。和テイストの店づくりには欠かせない囲炉裏や堀こたつなど、「こんなお店なら和める」と感じさせた。『店研創意』のインテリア風ディスプレイは、「自宅でも使ってみたい」と思わせる心地よさ。分銅型のカーテンクリップで、カーテンのドレープが自在につけられるなんていう小技のきいた小物も「うちにも1つ欲しい〜!」という声あり。また、『エレクター』のキューブ型でポップな色合いの収納ボックスなどは、「ファミリー向けマンションの、子ども用クローゼットによさそう!」なんて、マンションの商品開発にも関わっているスタッフに大好評! 『サンセン』の販売用ワゴンは、最近、よくショッピングセンター内で見かける、キャンディーストアやアクセサリーショップ用のおしゃれなワゴンだが、近くで見るとそのかわいらしいデザイン、機能性には感心するばかり。「家において子ども用のデスクにしたらいいのでは?」なんて声もあがっていた。

 

 やはり主婦の視線は、「家でも使えそう」なインテリア関連のブースに向きがちだったが、本当に、店舗の什器という枠を超えて、個人宅でもマンションでも使える、使いたいと思えるものが多かった。「おしゃれで機能的な店舗つくり」は、やはりこういった洗練された什器による部分が大きいのだな、と感じられた。

 目についたのは、シンプル、ポップで無機的なデザインの什器やインテリアと、素材のテイストをいかした木や竹の風合いそのままのものという、二大潮流があるということか。実際、人気店を見てみると、スッキリ洗練されたインテリアのショップ(カフェなども)か、温かみのある、またはアジアンテイストのインテリアの飲食店など、と2つの傾向があるようだが、その理由もわかったような気がした。

 また、とにかく何にでも、精度の高いプリントができるということ。これはまさに、日進月歩であるとわかってはいても、やはり驚くほどの進歩ぶりだった。「ええっ、こんなものにまで?」というものにもプリント! 『Picture Works』は鋼板のようなものにも、オリジナルデザインでプリントしている。美容院やエステのように、店内を凹凸のないつるんとした素材で仕上げたいという店舗には機能面で最適なうえ、どんなデザインもプリントできるから、シックからポップまで思いのまま。使い方ひとつでさまざまな可能性が広がりそうだ。

 こういう店舗用の素材にも、おもしろいものが多く、実際に店で使われるときには、どんな演出で登場するのだろうと思うと、デビュー前の新人を見守るような気持ちになってしまう。活躍してくれるといいのだけど。


●建材、照明、カードシステムの最前線を検証!

 隣接する「建築・建材展2005」ものぞいてみたが、ここは瓦の展示など、ちょっと専門色が強かった。しかし、建築足場の組み立て、解体の実演など、ショーのように楽しめ、けっこう人を集めていた。特別企画コーナーも「住まいのリフォーム・街のリニューアル」だったり、「健康建材・エコロジー建材」のゾーンが設けられていたり、やはりコストや見た目だけではなく、エコロジーの視点が求められている業界だという印象が強かった。リフォーム、リニューアルのように「Re」のつく「再生」がキーワードであり、今あるものを、いかに生かして再生していくかということに、熱く取り組んでいる企業の多さを感じた。

 「ライティング・フェア2005」は、とにかくLED全盛。あらゆる照明器具がLEDになっている。経済性や発光のよさなどメリットいっぱいのLEDが、これからの照明の主流になるんだ、と感じた。「JAPAN SHOP 2005」に出展していた『アドワーク』のフランス製イルミネーションは、そのデザインのよさ、斬新さで注目を集めていた。日本でもここ数年のクリスマス・イルミネーションの盛り上がり(家庭用もすごい!)など、照明に対する関心の高まりはある。ライティング・フェアも多くの参加企業があり、広大なスペースを占めていたように、明かり、光による演出はこれからの店舗作りでは、ますます重要になってきそうだ。

 「IC CARD WORLD 2005」では、特別企画の『FeliCa World 2005』をはじめ、この先、カード1枚でどんなことができるのか、体験させてくれた。スタッフの1人はスイカでのラリーにも挑戦。カード1枚でなんでもできる、または、携帯電話でお金も払えるなどの多機能ぶりには驚き、感動しつつも、主婦はやはり気が小さいのかケチなのか、「そんなに何もかも、カードや携帯に入っていて、なくしたり、盗られたりしたらどうなるのか?」という話題も盛り上がった。スキミング流行の昨今をかえりみても、多機能になればなるほど、安全面での不安も大きくなってくるのは確かで、その辺の課題は、とくに主婦には大きいようである。

 また、携帯電話の多機能化については、「そんなに携帯でなんでもできるって言われてもさ〜、携帯って朝、フルに充電してても夕方にはダメになったりするじゃない。なんだか便利なんだか不便なんだかわからない!」という辛口な意見も。確かに、「あれもこれも」と欲張る前に、充電の心配のない携帯を売り出してくれよ! という意見には、深くうなずく主婦も多かったことを、つけ加えておきたい。 「あれもこれもできる」という利便性は、一定以上になると「便利すぎて不便」「便利かもしれないけど使いこなせない」となり、若者はさておき、主婦には敬遠されてしまうこともあり得ることを忘れてはいけないのだ。


●デジタル化の波にのり、スーパーの提案力がますます強化の予感

 私がいちばん関心をもったのが「RETAILTECH JAPAN 2005」。ここでは、『NEC』や『富士通』の広いブースの中に、スーパーマーケットの模擬店舗が設置されていて、とても楽しい。『NEC』では、ガイドつきで模擬スーパーをまわるツアーも行っていて、動物園を彷彿とさせた。ここで目を引いたのが、買い物カートに液晶画面がついていて、その日のお買い得品などをアナウンスしてくれるというシステムである。これはまさに「コンシェルジェ」ではないか! と感動してしまった。

 今やニュースはインターネットで拾う時代だから、新聞なんてほんとは取りたくない。だけど、チラシチェックしなきゃいけないから、新聞とるの止められないのよね〜、と嘆いていた奥さまには、待望のシステムなんじゃないだろうか。「今日のお買い得品」を、チラシでチェックしてくる必要ないんだもの。店内をまわりながら、カートが(いや、正確にはカートについた液晶画面が)教えてくれるんだもの。これ、そのうち、車のナビみたいに、いろんな形で進化したらおもしろいなあ。たとえば関西弁バージョンで威勢よくなれなれしく、「今日は大根が安いでぇ」と、教えてくれるとか。はたまた、すでにわが子がかわいくない年齢になった人向きに、かわいい子どもタイプで「ねえ、ママ、これ買って〜、今日は安いからいいでしょ」とおねだりしてくるとか。いやいや、買い物カートにそこまでの芸を要求しちゃいけませんね。でも、そんなバリエーションはなくても、十分におもしろいシステムだ。

 
 

 ここ1年くらいスーパーの値札の電子化が進み、スッキリはしたものの、なんだか売り場がさびしいように感じていたが、電子化した分、手書きPOPに変わって、デジタルPOPのような役割のものが出てくるものなのだなあ、と感じた。お買い得品を教えてくれるカートの画面もそうだし、店舗内にも「今日のお買い得品を使って作るおすすめメニュー」が表示されたり、デジタル化したことで、提案力を強める店舗作りが可能になってくるようだ。

 店員が「いらっしゃい、いらっしゃい、○○が安いよ!」と声をあげなくても、店をまわりながら、壁のディスプレイや、カートの画面など、あちこちから「今日はこれがおすすめだよ」と提案されることになるわけだ。忙しくてチラシチェックもままならない主婦には、かなりいいサービスかもしれない。

 また、自分で会計まですべてできるという会計マシーンも展示されていたが、主婦の中にはあの「バーコード、ピッとやるの、やってみたいわ」という声が案外多かった。セルフ会計マシンがあれば、おそらくだれもが1度は「バーコード、ピッ」に挑戦しそうだが、実際やってみると、けっこう大変じゃないかという意見も多かった。昔は、スーパーで買い物すると、店員がスーパーの袋に商品を入れてくれたものだが、今は、ほとんど自分で入れるようになってきた。会計もまたそうなっていくのだろうか。人にやってもらうよりわずらわしくない面もあるが、どうなのか?

 しかし、主婦たちの意見は、「セルフ給油みたいに、自分でやったほうが安いんだったら、絶対セルフ会計がいいわ!」という点では一致していた。なるほど。やはりコストダウンが一番! か。


●時代が見える・・・フランチャイズ・ショー&ビジネス・エキスポ

 最後にフランチャイズ・ショー&ビジネス・エキスポにも足を運んでみた。フランチャイズといえば飲食店を思い浮かべることが多いだろうが、なんのなんの。いろんなフランチャイズがあるものだ。中には「こんなものも?」というのもあるが。

 今回、目についたのは「インターネットカフェ&まんが喫茶」「ペット関連サービス」「教育産業」だろうか。もちろん、飲食業も盛況であった。

 「インターネットカフェ&まんが喫茶」は、いよいよ成熟化してきたようで、ここに出展してきているフランチャイズは、ほとんどが内装にも凝り、単に「インターネットができる」「時間がつぶせる」という旧来型のネットカフェとは一線を画していた。インターネットしながら、まんがを読みながらくつろげる癒しの空間を提供する、というコンセプトになってきているのだ。

 ペットは、やはりこれから伸びるに違いない業界だけに、今後もフランチャイズが増えてきそうだ。ペット・クリーニングの移動車にはビックリしたが、それなりに繁盛しているらしい。自分で洗ってやるのは嫌だけど、ペットは飼いたいという人が増えているということか。

 子どもの学力低下がこれだけ言われると、やはり親心は揺れる。教育産業(塾、家庭教師など)は、すでにフランチャイズ化しているところも多いが、これからますますの注目株と見た。

 そして、私の心をわしづかみにしたのは、フローズンヨーグルトの『YOGEN FRUZ』ここのフローズンヨーグルトはおいしいし、ヘルシー! さらに、その場で組み合わせるフルーツが選べるというのもうれしい。最近、フローズンヨーグルトはあまりないので、なかなかいいのではと思ったが、東京近郊だと、まだ昭島と新百合丘にしかないのだそうだ。幸い、キャリア・マムから新百合は近い。きっと行こうと決意させた、おいしいフローズンヨーグルトを試食して、長い1日が幸せな気分で終わった。

 展示会という形で見るのと、実際に店舗に導入、稼働し始めてから見るのでは、おそらく印象も違ってくるのだろうが、どの分野でも、少しでも「お客」の心をつかもうという努力、工夫がなされていることをひしひしと感じた1日だった。ここで見た商品やシステムが「あっ、これ、ついに実用化したんだ!」と、発見する日が来るだろうことが、とても楽しみになった。

今どき主婦のShopウォッチ
執筆者:堤 香苗

株式会社キャリア・マム代表取締役。1964年、兵庫県神戸市生まれ。早稲田大学第一文学部・演劇専攻卒業。
大学時代よりテレビ、ラジオのパーソナリティー等をつとめ、フリーアナウンサーとして活躍。結婚、出産後、子育ての経験を生かした仕事を志し、1995年4月、育児サークルPAO(キャリア・マムの前身)を設立。その後、ママの社会参加の機会を積極的に創出する活動母体として、「ママの元気と笑顔」を合言葉に、『キャリア・マム』を設立。現在、コーディネーターとして、主婦や育児中の女性、起業を目指す人へのアドバイスや、「女性の起業」「在宅ワーク」「ITビジネス」等のテーマで講演も行う。2007年1月「おしゃべり力〜主婦のホンネが常識を変える!〜」、5月「ヒット商品はこうしてできる!売れるマーケティングのしかけ」を出版。

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