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連載コラム

第23回「いやし空間のニューウェーブ「インターネットカフェ」〜老若男女、すべてをとりこむ魅力スポットへと進化中!〜」

[ 2005年11月7日 ]

●「'ネット喫茶'ってオタクな人たちばっかでしょ」は認識不足!
 2年前、自宅のパソコンが壊れて修理に出してる間、どうしてもパソコンを使いたいときに、家の近所にあったインターネットカフェを利用したことがある。しかし、ここはかなり雰囲気が暗かった。マンガもたくさん置いてあるので、たまには子どもの姿も見かけたが、あまり子どもに出入りさせたい雰囲気ではなかった。終夜営業していたから、終電がなくなったときなどは泊まることもできるが、まあ、夜中にいたいとは思えない場所ではあった。
 そういえば、わがキャリア・マムの近くにあった、インターネット・マンガ喫茶もそんな雰囲気だった。

 ところが今年の春、「フランチャイズ・ショー&ビジネス・エキスポ」を見に行ったとき、さまざまな業種のフランチャイズ・チェーンが出展していたが、なかでもインターネットカフェのブースが、とても多かった。それも従来の「なんか暗い」雰囲気ではなく、ファッショナブルで快適そうな、Newタイプのインターネットカフェをチェーン展開しているところが増えていて、ちょっと驚いたものだった。
 その上、スタッフの息子(高校生)の一人が、最近ネットカフェにハマっているという話を聞いた。彼いわく「部活のあとのネットカフェは最高!」だとか。「身体のケアのためにも、ネットカフェ通いは欠かせない!」とも。
 いったい、ネットカフェには何があるっていうのだ? こりゃあ一度、自分の目で確かめるしかないでしょ、と彼から勧められた「快活CLUB」へと行ってみることにした。

 


●なんと「マッサージチェア使い放題!」の極楽

 行ってみたのは、「快活CLUB 八王子越野店」。ここは以前、レンタルビデオ店だったところだが、いつの間にか「快活CLUB」に変わっていた。初めて行ったのは平日の夜7時ごろだったが、ほぼ駐車場は埋まっていた。レンタルビデオ店だったときよりも、駐車スペースを増やしてあったが、それでもかなりの車が停まっていることに、まず驚いた。
 店の入口にフロントがあり、初めての場合は入会手続きをし、自分が利用する席を指定する。インターネットが使えるスタンダードシート、2人でDVDを楽しめるペアシート、リクライニングチェアがあって仮眠がとれるリクライニングシートなど、いくつかのタイプの中から席を選べる。そして、この店を勧めてくれた男子高校生ご推奨の、マッサージシートがあるのだ。

 試しに、このマッサージシートに入ってみた。よく家電店などに最新型のマッサージチェアのデモ機があるが、それがドンっと置いてある。ちょっと試しに座ってみると、もう立ちたくなくなって困る、これ! そして、温泉だと当然のようにあるコイン挿入口がない! つまり、このネットカフェの利用料を支払っていれば、マッサージチェアの利用料が別にかかることはないのだ。なんて太っ腹! 10分間で、ゆったりほぐしてくれるコースから、かなり強烈なコースまで、4コースから選ぶことができたので3つも試してしまった。今どきのマッサージチェアの精巧さに、驚きと感激をおさえきれなかった。これがあれば、夫や子どもに「ねえ、お願い」とネコなで声を出して、下手なマッサージしてもらう必要なし! つまり一人でも生きていけるってことよね(違う?)。
 「部活のあとのネットカフェは最高!」と言った高校生の気持ちがよくわかった。こりゃ、仕事のあとにもええわ〜〜〜!

 


●「くつろぎたいからネットカフェ」の時代が到来!

 せっかくインターネットカフェに来たのに、マッサージチェアのとりこになって小1時間。極楽気分を味わい、思わず爆睡もしてしまったが、気を取り直して店内を探検してみた。
 フロントに申し出れば、席の移動ができるので、リクライニングシートに移動した。インターネットも使え、DVDも見られるようになっているが、この席だと座席が、ほぼフラットになるまでリクライニングできる。ブランケットも貸し出してくれるので、仮眠どころか本気で宿泊もできる。しかも、このリクライニングチェア、かなり座り心地も寝心地もよいのだ。どこかのホテルに泊まるお金はないが、プチ家出したいという気分のときは、この手があったか! となんだか心強くなってしまった。
 ん? ここはインターネット&マンガ喫茶なんだよね。なんか、インターネットやマンガにふれないまま、こんなに字数を稼いでしまった。しかし、それが今の「インターネットカフェなんだなあ」と思う。

 「快活CLUB」も、実は「リラックス・コンビニ」をキャッチにしている。インターネットができる、マンガが読めるだけではなく、リラックスを提供する、それが「快活CLUB」であり、今、伸びているインターネットカフェのトレンドなのだろう。もしかしたら、インターネットも利用せず、マンガも読まない、そんなお客がいてもおかしくない。ただ、くつろぎたいから、癒されたいからと、ここで時間を過ごす、そういう空間にインターネットカフェはなっていくのかもしれない。


●マンガも雑誌も超・充実! シアワセな時間がどんどん過ぎていく

 そうはいっても、せっかく来たんだからと、マンガのコーナーをのぞいてみれば、最新作、話題作、なつかしい作品など、マンガの種類が充実している! 女性向けのマンガと男性向けのマンガで分けているが、女性向けのもかなりのスペースをさいているし、もちろん男性向けと言われるマンガにだって、読みたいものがたくさんある!(「ブラックジャックによろしく」とか「海猿」とかさ〜。あ「Dr.コトー診療所」もだ!)
 リクライニングチェアを少し起こして、フリードリンクコーナーでコーヒーを入れてきて、マンガを読みふける・・・。読みふけていると、あっという間に時間がたってしまう。何巻もある大作を読み始めてしまうと、ほんとにいつまでも腰が上げられなくなってしまう。フリードリンクなのをいいことに、何杯もドリンクを飲みながら(ドリンクバーだから種類も豊富で飽きない!)マンガを読みふける。なんて幸せ〜! 子どものころ、こういう時間もちたかったわ、ほんとに。
 おまけにこの「快活CLUB」は、マンガだけでなく雑誌類も充実している。「anan」や「JJ」など若い女性向けの雑誌も数多く、マンガ雑誌、女性週刊誌もある! 残念ながら「すて奥」や「主婦友」はない。主婦がインターネットカフェに、くつろぎに来るというのは想定外なのか? まあでも、主婦は何もこんなとこまできて「すて奥」は読まないか。


●リーズナブルな料金設定も花マル! 至れり尽くせりに主婦大満足!!

 マンガ読んで、雑誌チェックして、マッサージチェアも使って、と満喫していたら、ほんとうにいくら時間があっても足りない。つまり、ぼーっと空いてしまった時間があるときは、いくらでも時間つぶしができるということだ。
 ちなみに利用料金は、15分/105円(税込)。つまり1時間いれば420円になるが、昼間なら「3時間/1,000円」「5時間/1,600円」というお得なパック料金も用意されている。「今日は長居してやる〜!」と思えば、パック料金はかなりいい。さらに、午後11時からの「夜間6時間/1,500円」などもある。終電までの時間つぶしや、夫婦ゲンカのときのプチ家出にはうってつけかも。

 実は、取材で一度行ってから味をしめて、先日もう一度、行ってみた。今度は平日の昼間、2時ごろだったので、さぞかし空いているだろうと思いきや、なんと駐車場は、ほぼいっぱい! こんな時間に、いったいだれが来てるんだよ? と思ったが、学生風、サラリーマン風の男性がかなりいて、店内は賑わっていた。
 平日の昼間は外回り中の営業マンなども少なくないらしいが、休日にはファミリー客も多いと聞いている。あとは、カップル! デートでネットカフェなんて、バブル期なら考えられないだろうが、今の若いカップルって、それでいいようだ。2人で、それぞれにマンガを読んだり、いっしょにDVDを見たりして、まったりとくつろいだ時間をいっしょに過ごせればそれでよし! そんな堅実な(?)人々が増えているらしい。ネットカフェの流行は、そういう若い人たちの行動形態、嗜好の変化とも無縁ではないだろう。

 私が行ってみたときには、2回とも女性はあまりいなかった(女性の場合はカップルで来ている場合が多い)。しかし、インターネットカフェが、こんな快適な空間になっているとは知らない女性も、まだ多いのではないか。もっともっと、女性に対しても「実はインターネットカフェで、こんなにリラックスできる!」と告知していけば、ブレイクする要因はたくさんあるに違いない。とくに主婦層では、まだまだネットカフェ未経験の人のほうが多いだろう。この愉しさ、快適さを知ってしまったら・・・ネットカフェは主婦の行動形態も変えてしまうかもしれない。

 最近では、郊外の大型紳士服店の赤字店は、インターネットカフェに業態転換し、有効的な活用法をしているところも増えている。ほとんどがセルフサービスだから、従業員を多く配置する必要がなく、店舗さえ確保できれば開業しやすく、採算もとれやすいという経営する側のうまみも多いインターネットカフェ。ここ数年で増えてきたコインパーキング同様、「ローコスト、ローリスク、ハイリターン」が期待できる新業態としても、これからますます注目されそうだ。

今どき主婦のShopウォッチ
執筆者:堤 香苗

株式会社キャリア・マム代表取締役。1964年、兵庫県神戸市生まれ。早稲田大学第一文学部・演劇専攻卒業。
大学時代よりテレビ、ラジオのパーソナリティー等をつとめ、フリーアナウンサーとして活躍。結婚、出産後、子育ての経験を生かした仕事を志し、1995年4月、育児サークルPAO(キャリア・マムの前身)を設立。その後、ママの社会参加の機会を積極的に創出する活動母体として、「ママの元気と笑顔」を合言葉に、『キャリア・マム』を設立。現在、コーディネーターとして、主婦や育児中の女性、起業を目指す人へのアドバイスや、「女性の起業」「在宅ワーク」「ITビジネス」等のテーマで講演も行う。2007年1月「おしゃべり力〜主婦のホンネが常識を変える!〜」、5月「ヒット商品はこうしてできる!売れるマーケティングのしかけ」を出版。

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