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連載コラム

第25回「まさに、フーズ・アミューズメントパーク! ラーメン、カレー、スイーツもあるぞっ!」

[ 2006年1月5日 ]

●立川の「ラーメンスクエア」は“デートで行くのも恥ずかしくない”おしゃれなラーメンスポットだ!
 キャリア・マムのお膝元・多摩センターからモノレール1本で行ける立川。そのモノレールの「立川南駅」の目の前にあるビルに、前から気になっていたスポットがあった。
 「ラーメンスクエア」・・・そう、有名ラーメン店が集まっているフロアがあるらしいのだ。なかなか行く機会に恵まれなかったが、先日、あまりの寒さに「ラーメン食べたい〜!」という衝動にかられ、やっと入ってみた。

 アレアレア2の3階フロアが「ラーメンスクエア」になっているが、あまりのおしゃれ感にちょっとビックリしてしまった。「ラーメン・・・だよね?」と思わず確認したくなるほど、フロア全体はアメリカナイズされた雰囲気になっているのだ。
 ラーメン店は7店入っていて、いずれも劣らぬ有名店、人気店だが、そこに「NY BOOK CAFE」も並んでいた。これがまた、こじゃれたカフェなのだが、フロアの雰囲気にはとてもマッチしている。
 いや、カフェだけでなく、ラーメン店も外観や内装は、このおしゃれなフロアの雰囲気に溶け込んでいた。とにかく、いわゆるラーメン屋という泥臭さはここにはない。

 私は「いちや」という店でラーメンを食べてみたが、もちろんおいしかった。ほかの店も味は保証つきのおいしさらしい。なかでも「我聞」は、俳優の河相我聞がやっている店とあってかなりの人気らしく、休日などは並ぶことを覚悟しなくてはいけない。
 そして、7つのラーメン店に囲まれるようにイベント広場があり、イベントが行われているのだが、それもジャズのライブなど、とことんおしゃれなのである。「まるでマンハッタンのラーメン店を訪れているような雰囲気」が謳い文句だが、かなりそれに近いものがあるのは確かだ。

 キャリア・マムの若者情報源であるスタッフの息子(高校生)にも、このラーメンスクエアは高く評価されていた。
 「ま、ラーメンは普通にうまいです。高めですけどね。雰囲気がいいので女の子とでも抵抗なく行けるとこがいいっすね。ボクの好きなニンニクラーメンの店なんか外でかなり並ぶし、なんせニンニクですから、やっぱ女の子とは行けませんけど、ラースク(略語だ!)なら大丈夫。デートにも使えるラーメンスポットっすよ」
 ・・・だそうだ。ほほ〜、デートにも使えるんだ。デートとかしてるんだ? いやあ、小さいころから知ってるから、おばちゃんは感無量だよ・・・という感慨は別にして、とにかく「ラーメンスクエア」は、女性にも人気! ってことだ。


●やはりカップル率高し! 「横濱カレーミュージアム」は外国の港町に迷い込んだよう

 ラーメンスクエアで勢いがついて、以前から気になっていた関内の「横濱カレーミュージアム」にも行ってみた。こちらは横浜・伊勢佐木町のイセザキモールにある。パチンコ店、ゲームセンターなどが入ったビルの7〜8階が「横濱カレーミュージアム」になっていて、直通のエレベーターもある。そのエレベーターの入口には、なんと、ディズニーランドにいるようなニコやかな笑顔の案内係がいて「カレーミュージアムはこちらで〜す」と導いてくれる。
 ワクワクしながらエレベーターに乗り、降りすると、そこは別世界! 外国の港町のような楽しいごちゃごちゃ感のある空間が広がっている。そして、エレベーターを降りたところにも案内係が立っていて、「ようこそ、カレーミュージアムへ!」と歓迎の言葉を述べ、今、待ち時間の長い店はどこか、最近マスコミで取り上げられた店はどこかなど、アナウンスしてくれる。つまりは宣伝なのだろうが、なんせディズニーランドばりの笑顔、明るいトークなので、「ホスピタリティー」が感じられて楽しめる。

 

 決して広くはないスペースの2フロアに、大小合わせて13のカレー店が集まっている。北は札幌から南は沖縄まで、全国から集まってきた名店ぞろいだ。どこで食べればよいのか迷う、迷う。しかし、なんとありがたいことに、ほとんどの店が「お試しサイズ」というメニューを用意してくれているのだ。普通サイズなら1,000円のメニューも、お試しサイズなら600円。サイズはちょうど半分くらいか。食べ盛りの男の子なら、お試しサイズで3〜4食はいける。女性でも2食は軽い。これを利用すれば、何店舗かのカレーの食べ比べもできるというものだ。

 また「横濱カレーミュージアム」の中の8店は、フードコート風の屋台コーナーに出店している。フロアの真ん中に8店共通の飲食スペースがあり、メニューも8店共通。注文はとりにきてくれるが、バラバラに店のメニューを注文しても、それぞれの店のスタッフが席まで届けてくれるのだ。
 会計も8店共通。これはお客にはなかなかうれしいシステムだ。店側には煩雑そうだが、そこもうまく機能しているようで、まとめて注文しても、それぞれの店にうまくオーダーが通っていて気持ちがいい。
 たまたま隣にいたカップルを観察していたら、それぞれの店のお試しサイズを次々と注文して、分け合って食べていた。やっぱ、これだけたくさんの店があれば、そうしたくもなるよね。ああ〜、私も恋人と来ていれば、もっとたくさんのカレーを食べることができたのに(まあ、夫とじゃねぇ。やはり自分の分は自分で食べたいじゃん!)。
 そんなわけで、私が試してみたのは、レストランの博多・伽哩本舗「やきカレー」と、屋台の大阪・船場カリー「牛すじカレー」。もちろん、どちらもお試しサイズだけど、2つはさすがに苦しかった。でも! おいしかった〜。おみやげに買ってみた「カレーチョコレート」も、ちょっとシュールな味でおもしろかった。

 しかし、なんといってもさすがフードミュージアム! 店の造りの凝り方が印象に残る。ちょっと外国ぽくレトロ感もあり、フロアの狭さも上手に利用して、にぎやかな感じを盛り上げている。通路がごちゃごちゃ狭いのもナポリとか、そういう港町を彷彿とさせて楽しいのだ。おまけに、トイレは、船のキャビンをイメージした造りになっていた。う〜ん、こんなところまで!
 階下にはゲームセンターやパチンコ店もあるので、このビルだけで1日遊べる。カップルで来ると楽しいのは間違いないが、ファミリーでもかなり楽しめる。子どもは、遊園地に行ったのかと勘違いしてくれるかもしれない(わけないか・・・)。「横濱カレーミュージアム」は、そんな楽しいスポットだった。


●まだまだあるぞ! 全国の「おいしいテーマパーク」情報

 ラーメンスクエアにしてもカレーミュージアムにしても、それぞれに工夫を凝らして、単に「ラーメンを食べる」「カレーを食べる」という目的だけではなく、楽しめる空間を作ることに成功している。そして、その創意工夫が「おいしいものが食べられる」以外の魅力となって、人々を吸引し続けているのだ。

 こういうフードテーマパークのはしりといえば、1994年にオープンした「新横浜ラーメン博物館」だろう。今でこそ大ブームの昭和レトロだが、そういう意味でもこのラー博は、はしりかもしれない。
 有名なラーメン店が集まっているだけでなく、あの懐かしい昭和のレトロな街並みが再現され、紙芝居屋がいたり、駄菓子屋があったり、タイムスリップしたような空間を楽しませてくれたのが「新横浜ラーメン博物館」だった。今も、変わらぬ人気を誇るラー博だが、そのラー博に追いつけ追い越せとばかりに、同じようなコンセプトのフードテーマパークが全国に登場している。それも、国民食といわれる「ラーメン」「カレー」以外のフーズにも波及しているのだ。

 

 キャリア・マム会員に情報を募ってみたところ、あるある! なかでもスタッフから「行ってみた〜〜〜い!」との声が高かったのが、千葉県船橋市の「パン屋ストリート」(ららぽーと内)。ここはオープン以来大人気で、曜日や時間帯によっては、かなり並ぶ覚悟をしなければならないほどらしい。しかし、並ぶのも苦にならないほど、店内いっぱいに焼きたてのパンの香りが漂っているんだとか。コンクールで入賞したとか、いずれのパン屋もかなりの実力派。一度行ってしまうと「あれもこれも」と買いすぎてパン貧乏になってしまう。ある意味、主婦には恐ろしいスポットのようだ。

 さらに、東京都目黒区の「自由が丘スイーツフォレスト」は、女性にとってはまさにパラダイス、夢の国、そして目の毒! な空間。国際コンクール入賞経験をもつスーパー・パティシエたちが集う「お菓子職人の殿堂」なんだってよ〜。その場でつくりたて、できたてのスイーツを楽しむこともできるし、テイクアウトもオッケーだそうだが、そ、そんなところに行けば、理性を失って食べまくり買いまくりになること間違いなし。「なんてお財布にも体重計にもやさしくないの〜!」と、いいつつも行きたいよね〜! 今どきの洋菓子店は、ただでさえ宝石店と見まごうようなキレイな外観、内装のところが多いのだから、そんな店が集まった空間がステキじゃないわけがない! きっと夢見心地にさせてくれるんだろうなぁ〜。

 スイーツでは、西の雄・神戸にも「神戸スイーツハーバー」がある。こっちもきっとステキだろうなあ、おいしいだろうなあ。
 パン、ケーキだと、どうも女性専科な雰囲気になってしまうが、大阪には「浪花餃子スタジアム」「浪花麺だらけ2」なんていうのもある。そして、九州には「ラーメンスタジアム2」! これもなんだかネーミングからして力強い。豚骨ラーメンの聖地・博多に、攻め入る北海道、喜多方などのご当地ラーメンという対決の構図が人気を盛り上げているらしく、入場者500万人目前という。


●「食べる+遊ぶ」から「食べる=遊ぶ」へ

 いやいや、こんなに多くのフードテーマパークが全国にあり、いずれもそれなりに人気を博しているというのは、すごいことじゃないかと改めて驚いたのだが、おそらくこれは、空間づくりのうまさが最大の成功要因だろう。同じ10店舗のラーメン店を集めるのでも、ただ漫然と並べたのでは、それは単なる「ラーメン横丁」である。忘年会帰りのお父さんたちにはそれでもいいが、若い世代やカップル、それからファミリーまでは吸収できない。

 しかし、「行って楽しい空間」がそこにあり、そのパーツがおいしい食べ物を提供できる店だったら、そこは「食べに行く場所」ではなく「楽しめる場所」になるのだ。
 かつては休日に遊びに行くといえば、遊園地だの動物園だのに出かけて、そのあとはどこかで食事というパターンで、「遊」と「食」は切り離されていたのだ。それが、フードテーマパークの出現により「食べる=遊ぶ」ということが可能になったのではないか。
 ラーメンスクエアのイベント広場でジャズを聞いて、お腹がすいたらラーメンを食べる。横濱カレーミュージアムの屋台コーナーで、全店のお試しサイズを食べ比べる。そんな過ごし方ができれば、「食べる」ことは立派にレジャーの過ごし方として成り立つのだ。
 フードテーマパークという1つの創意工夫が、日本人の休日の過ごし方までも変えたのかもしれない、と思ったのだった。

今どき主婦のShopウォッチ
執筆者:堤 香苗

株式会社キャリア・マム代表取締役。1964年、兵庫県神戸市生まれ。早稲田大学第一文学部・演劇専攻卒業。
大学時代よりテレビ、ラジオのパーソナリティー等をつとめ、フリーアナウンサーとして活躍。結婚、出産後、子育ての経験を生かした仕事を志し、1995年4月、育児サークルPAO(キャリア・マムの前身)を設立。その後、ママの社会参加の機会を積極的に創出する活動母体として、「ママの元気と笑顔」を合言葉に、『キャリア・マム』を設立。現在、コーディネーターとして、主婦や育児中の女性、起業を目指す人へのアドバイスや、「女性の起業」「在宅ワーク」「ITビジネス」等のテーマで講演も行う。2007年1月「おしゃべり力〜主婦のホンネが常識を変える!〜」、5月「ヒット商品はこうしてできる!売れるマーケティングのしかけ」を出版。

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